SRC! ――埼玉大学ラリー選手権――

作者 柊 恭

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常識を打ち破り、埼玉大学で最速を目指す軽トラ。 柊 恭

 SRC――埼玉大学ラリー選手権(Saidai Rally Championship)。読んで字のごとく、埼玉大学敷地内の路という路をサーキットとしてクルマのスピードを競い合うレース。私有地であるため法定速度が存在せず、毎度エキサイティングなバトルが見られる話題沸騰中の人気モータースポーツだ。自分のクルマを所有している大学生は講義が終わると愛車のキーを握り、夜の大学をただひたすらに走り込んでそのエギゾーストを響かせる。
 バトルは挑戦を引き受ける形で行われるため、決められた試合がある訳ではなく偶発的。ルールやレギュレーションは紳士規定が少々存在する程度で、当事者同士の合意さえあれば基本的には何でもあり。三台以上のスポーツカーでバトルをしてもよし、ターマック(舗装路)だけでなくグラベル(未舗装路)をコースに織り込んでもよし。そんな大してラリーでも選手権でもないSRCにおいて、最近ダントツで注目すべきトピックスが一つある。
 首都高速埼玉大宮線をホームコースとする走り屋チーム、ナイトフライト。そのリーダーである赤羽(あかばね)の駆るトヨタ<86>が、他流試合として参加したSRCで軽トラックに敗北したのだ。
 高速道路バトルはハイスピードかつ相応以上のドライビングテクニックが要求されるため、その覇者である赤羽はいわば『さいたまの帝王』となる。そんな技量の高いドライバーが、どこの田舎から出てきたかも分からないような軽トラに負けた。これは大学生の走り屋たちにとって非常に重大な出来事であり、これによりSRCの注目度が全国的にもぐっと高まったと表現しても過言では無いだろう。
 そしてこれは同時に、その軽トラックであるスバル<サンバー>とドライバーの青海の華々しいSRCデビューでもある。
 赤羽の<86>に勝利した軽トラは、そのボディカラーから『青い流れ星』として多くの走り屋の心に焼き付いた。そうなると当然青海の<サンバー>は数多くの有力ドライバーから標的とされるようになり、彼へと宛てられた挑戦状も後を絶たない程に送られてきた。しかし青海はこれら全てに対してSRCで勝利して、毎夜のようにその実力と青い軽トラを遺憾なくギャラリーに見せつけている。
 常識を非常識で打ち破る。何人もの挑戦者に屈することなく、青海は今日も埼玉大学を爆走する――。

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小説情報

SRC! ――埼玉大学ラリー選手権――

@ichinose51
執筆状況
連載中
エピソード
3話
種類
オリジナル小説
ジャンル
現代ドラマ
タグ
クルマ モータースポーツ スポーツカー 軽トラ スバル 埼玉大学
総文字数
106,757文字
公開日
最終更新日
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柊 恭 @ichinose51

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