血湧き肉躍る、超絶エキサイティングなSFアクション活劇!
- ★★★ Excellent!!!
忍者と刀、そんな題名を見て、時代劇風のファンタジーを真っ先に想像する方は多いのではないでしょうか。
そんな読者の先入観をしょっぱなから打ち砕く、深奥な近未来設定!
地球は荒廃し、裕福層は地表を捨ててコロニーへ退避…残された一般庶民は血で血を洗う日々を送る…。
しびれます、ゾクゾクします。
そんな世界で「ニンジャ」ですよ。なんで? ニンジャなんで? もうアイエエエエエエどころじゃないですよ。
しかも、ニンジャカタナの世界が、これまたオリジナリティに溢れた魅力的な用語ばかり!
ミドリムシ。
多元連結理論。
架空のエネルギーや空想科学を練り込んで、フィクションに厚みを持たせるのはSFの常套手段です。現実との差異をムラなく補完しているのです。
決して、おざなりにただ何となく未来でアクションさせました〜という凡百の素人作品とは一線を画すのです。
艦隊戦などは、そこらの架空戦記よりシンプルかつ明快な描写で、大変読みやすく、白熱できます。
カタナとリーゼの、どつき漫才めいたやり取りも個人的に好きですね。こいつら所帯じみてる…!
あ、僕はサツキちゃんが好きです。
目次を見ると、最新話が序盤に載っている、という変則的な構成ですが、ラストチャプターへと至る過程を読めば納得。
「使徒」だの「超越者」だの、中二心をくすぐる名称もワクワクさせてくれますね。
また、後半は飛空挺のレース大会が始まったりと、単なるアクションだけではない趣向も凝らしています。
読者をとことん楽しませることに腐心した、おもてなしの心。
変幻自在な、魅了の術。
これぞまさにジャパニーズの精神。
ジャパニーズ・ニンジャ、ここのえ九護!