オレは殿さま!

作者 青龍明良

27

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★★★ Excellent!!!

祖父の雄年も、父の雄貞も、主人公の義苗も皆、実在の人物でごじゃる。しかも、雄貞は田沼意次の子との設定は事実。
と先のレビュアーが書いていたので、読後にWikipediaで調べたら、そのようでありました。
しかも、菰野藩は、年貢が軽かったので、江戸時代を通じて百姓一揆が起こらなかった珍しい藩だそうな。
本作品に描かれたような世界だったんですね。
一応、追加で指摘しておくと、雄年は浪費家ではなく、彼なりに天災や普請命令で悪化した藩財政の立て直しに奮迅したようです。

少年向け作品を書こうと思ったら、主人公を同年代に設定するのが早道。そうは思っても中々出来ません。
小学生が主人公の作品って、逆に大人が熱中できないと思うんです。少なくとも私はそう。
でも、本作品は、史実に立脚しているだけあって、時代考証にも手抜かりが無いし、大人の鑑賞にも耐えられる作品に仕上がってます。
お見事!

先のレビュアーが吐露した「主人公と女忍者の色恋も期待したけれど…」との感想には私も賛成ですが、小学生の高学年にイチャイチャさせては嘘臭くなりますね。そこまで期待するのは読者の強欲と言うものでしょう。

★★★ Excellent!!!

土方義苗さんは、すごくマイナーなお殿様ですが、
財政破綻しそうな菰野藩を立て直した名君!!
そんな義苗さんの、子供時代の成長をえがくコメディーです。最初は自堕落な義苗さんが、覚悟を決め、名君への道を歩み出す課程は勿論とても格好良く、中二病心をくすぐる発言、美少女くの一ちゃんやキャラクターたちのド派手な活躍がとても素敵です!!馬公子様の人格もなんと素晴らしいこと…。こちらもまなばせていただきました。
ギャグもとても面白く、お話が入って来やすい。

★★★ Excellent!!!

小中学生の子供向けに書かれた、非常に親しみやすい歴史小説です。

時は江戸中期。
大きな戦争もなく、一見平和に見える時代ですが、幕府や大名の内政は常に火の車だったと言われています。

菰野藩(現在の三重県)を治める主人公はまだ弱冠13歳。
元服前の子供ということで政治はご隠居に任せ、江戸の屋敷で自堕落な生活を送っていたのですが……実は菰野藩の財政は借金まみれだと知り、子供ながらに故郷を建て直そうと一念発起する物語です。

ここが凄いな、と感じたのは歴史小説を見事に子供向けの題材へ変換していた点です。
・実在した菰野藩の大名・土方義苗の幼少期を舞台に据えたこと。
・歴史的にはスポットの当たらない江戸中期、しかもド田舎の菰野藩をあえて舞台に据えたこと。
・時代考証が的確で、多分にフィクションを交えながらも史実には一切矛盾がないこと。

歴史的な大事件は起こりません。僻地のささやかな「内政モノ」です。
でも、このチョイスこそ、児童文庫にちょうど良いスケールなのだと思い知らされます。
なぜなら徹頭徹尾「読者(児童)の視点に寄り添った設定」に終始しているからです。

地の文を見れば判る通り、徹底的に堅苦しさを排除し、ともすれば楽屋オチすれすれのメタフィクショナルな砕けた文章が連なっています。
これはプロの児童作家でもときどき見かける手法ですが、さらに「読者(児童)が認識できる世界の広さの限界」を計算し、スケールを「田舎の大名」(現代モノで言えばせいぜい町内規模)に絞っているのです。

歴史モノの皮をかぶった「現代っ子が町おこしに奮闘する町内活劇」とも言い換えられるドタバタ劇であることからも、著者の狙いが読み取れます。

歴史モノだけど小難しくない、苦手意識を取り払う配慮。
キャラ造詣も現代的な味付けで、とても歴史小説とは思えないのですが、現代社会のメタファーとして江戸時代にフィード… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

児童向けのコミカルな語り口で書かれた歴史小説です。誰にでもわかりやすく、面白く書かれているので、どんな人でも楽しめるでしょう。

菰野のことを知ろうとする若殿様が主人公なのですが、他にも女の子の忍者や相撲取りなど、様々な面白い登場人物が物語を彩ってくれます。
歴史上有名な松平定信なども登場し、わくわくドキドキが止まりません。

皆さんも是非、このわくわくドキドキを味わってみましょう!