水戸黄門の少年版。でも侮るなかれ。史実に裏付けされてます。

祖父の雄年も、父の雄貞も、主人公の義苗も皆、実在の人物でごじゃる。しかも、雄貞は田沼意次の子との設定は事実。
と先のレビュアーが書いていたので、読後にWikipediaで調べたら、そのようでありました。
しかも、菰野藩は、年貢が軽かったので、江戸時代を通じて百姓一揆が起こらなかった珍しい藩だそうな。
本作品に描かれたような世界だったんですね。
一応、追加で指摘しておくと、雄年は浪費家ではなく、彼なりに天災や普請命令で悪化した藩財政の立て直しに奮迅したようです。

少年向け作品を書こうと思ったら、主人公を同年代に設定するのが早道。そうは思っても中々出来ません。
小学生が主人公の作品って、逆に大人が熱中できないと思うんです。少なくとも私はそう。
でも、本作品は、史実に立脚しているだけあって、時代考証にも手抜かりが無いし、大人の鑑賞にも耐えられる作品に仕上がってます。
お見事!

先のレビュアーが吐露した「主人公と女忍者の色恋も期待したけれど…」との感想には私も賛成ですが、小学生の高学年にイチャイチャさせては嘘臭くなりますね。そこまで期待するのは読者の強欲と言うものでしょう。

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