どんな物語も、始めるのは容易く、終えるのは難しい。
何らかの結末、結果を出すことも、大変なことだ。
それはきっと人生における苦しみと変わらない。
小さな舞台だとか、
『 』つきの世界だとか、
虚構の世界だとか、
そういうことを言いつつ本当は、人生の痛みを今ここで、感じている。
想像しつつ、思い出しつつ、予想しつつ、ぐるぐると、
心の羽ばたける限りを、文字に変えるべく悩ませているのは、
この一つしかない、頭と心。
謳いたいのは、信じたいのは、表したいのは、
いったい本当は何なのか。
自分自身のことを語るだけ? 知ってほしいのはそれだけ?
想う世界と、想われる世界。
描くべきことは、尽きることなく、
この世界から溢れ出しては泡となり、大気に溶けていく。
この微細な「命」の音に、耳を澄ませることが出来るなら、
もっと自由に、物語は続いてくだろう、
大きな期待と共に。