「実用の学」という意味で「実学」
なんてものを有難がる日本社会が、嫌いです。
「衣食住」以外の全てを切り落として
その剥き出しになった「生」の状態を「美しい」と
感じてしまう、日本人が嫌いです。
生きにくさを感じて、耐えきれず
思わず口にした「つらい」という言葉に、
「じゃあ、何をして欲しいの?」なんて、
迷惑顔で言わないで下さい。
分かっています。
この感情に直接ふれているのは自分だけ。
でもそのことを言葉にしたのは、
こんな自分を、ただ知ってほしかった。
私の「感情そのもの」でなく、この「私」を、あなたに感じてほしかったのです。
「つらい、悲しい」と言ったとき、
黙ってうなずき、そんな私を肯定して欲しかっただけなのです。
心や魂を守ることを、
毎日の生活の合間に、どうにもならない感情に
胸を苦しませる瞬間があることを、
どうか蔑ろにしない、日本であってください。