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ヘリオガバルス

アントナン・アルトー

この人を改めて発見できたことがうれしい。
読んでいるうちに著者の興奮や価値観、
"こだわり"の表現の多彩さに、

落ち着いて
座ってもいられないような歓喜と酩酊感
をもたらしてくれる文章には、なかなか出会えない。

穏当な人付き合いを超えて
その人の胸の内を「知る」ことは、とても難しい。

文章には、
普段近づきたくても近付けない、
混沌として深く、どうにもならない心の
有り様を、
身体の外に、留め置く力があるのだと思う。

それがロジック、言葉、文脈、修辞、あらゆる"仕掛け"
のなせる業なのか、

書き手と、その書かれた作品との間には
通常、「相補関係」があるようだけれど、

まるで書かれたものが、書き手そのものの"顕れ"
であるかのように感じてしまうのは、

罪深いほどにその文章が、
語りかける力を持っているからなのだろうか。

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