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水の染み出す地下迷宮への入り口

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地霊さまといっしょ


鬼門の古井戸に山盛りにした塩が先日の大雨で全部なくなった。
その代わりにこれから自分がいる間くらいは多少は気にかけていこうかなと思う。
車に乗る前には安全のお願い。
朝起きたら挨拶。井戸の底の貞子だってきっと分かってくれるさ。

霊障は完全に消えました。
今のところ被害ゼロ。

日記を書き続けていて、少しずつ体調が良くなってきた気がする。本当は書きたくないんだけれど、いつものポエム日記をまた再開してみようかな。


他の人には内緒だけれど、実は私は今住んでいる家の片隅にも地下迷宮への入り口を持っている。
この地下迷宮はもうずっと前から、実際20年以上前から使っている現役の地下迷宮なんだけど、ポータブルでも何でもなくて自分がどこへ行こうともかならず「そこ」にある物だった。
探しても迷宮への入り口は見つからないけど、探していない時に限って入口への道を見つけてしまう。
久しぶりに今日見つけた迷宮への入り口は、結晶化した岩石が塊のようになって壁面から露出している、道全体が鏡のようにキラキラしている世界だった。

ずっと前に自分はテトリスの世界を旅した事があるのだけれど、ここではそれはテトリスではなくて、硬い結晶構造化した石だった。
底から渾々と水も染み出しているから結晶は常に濁流に磨かれ続けていて、砕けた結晶が小さな結晶の砂のようになって底に堆積していた。
足を繰り出すと、積もり溜まった結晶の砂泥が足を飲み込んでしまうのでほとんど前には進めなかった。
水も冷たいし、結晶迷路は地下水で削られているとはいえ奥へ続く道はあまりにも小さすぎる。
水たちは平気でその狭い隙間をくぐり抜けてさらに奥の世界へと流れていっていったが、私は早々に諦めた。
洞窟を探検するのは、ちょっと準備不足だったもので。

しばらく洞窟はそこにあり続けるとは思うけれど、きっとまた洞窟への道も変わるのだろうし洞窟自体も形を変えてしまうのだろう。
もったいないけど。しかたない、、、かな?

そんなこと言ってるからいつまで経っても作品を書かないんだろうけど。

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