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悪役泥棒三人組が、おもちゃの拳銃と大袋を持って、お宝の隠されている機械の塔に登っていった。
機械の塔のてっぺんにはこの世の叡智、全知全能の神を真似して作られた巨大なロボットが住んでいる。泥棒三人組はこの神様をおどして、大金をせしめようという話だった。
三人組がやっとの思いで塔のてっぺんにたどり着くと、確かに頭の大きなロボットが住んでいた。
のっぽの泥棒が、頭でっかちのロボットにおもちゃ鉄砲を向けて言った。
「手を上げろ。そこをうごくな!」
「ひええ! ゆるしてください泥棒さん。私はあなたたちに暴力はふるいません。いのちを助けてくれるなら、なんだってあげましょう」
これを聞いた三人組は大喜びしました。
チビの泥棒が言いました。
「それじゃあ、おまえさんがため込んだ叡智とやらをよこしてもらおうか」
「あげましょうとも! なんだってさしあげます。ですが英知というものを、私はあなたたちに差しあげたいのですが、それを私の中から取り出すことができません」
「なんだって!?」
中背の泥棒が言いました。
「持っているのに出せないってんなら、出せるようになるまでおまえを痛めつけてやる」
「私の持っている叡智は物ではないのです。あなたたちの袋に入れることができません」
それを聞いて三人の泥棒たちは考え込んでしまいました。
「こんなことになるなら、叡智なんてわざわざ盗みに来る必要もなかったじゃないか」
中背の泥棒が言います。
「こんなに大きな袋を持ってきたのに、まだ足りないって言うのか!」
のっぽの泥棒が怒ります。
「持って帰れないなら、いっそ壊してしまおう。コイツを俺たちが壊してしまえば、世界で一番賢いのは俺たちだけになる」
チビの泥棒が言いました。