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開拓者の町

7/11


今日は、この草原に自分たちの街を作ろうと決めた開拓者ごっこをやろう。


喉を潤す水は近くにある。
農場を作るための種牛と雌牛はいる。今は数は少ないけれど、弛まず努力さえすれば数も増やしていけるだろう。
隣町までの道は長く険しいが、そして道中はまったく整備されていないが、そう悲観することはない。
強いて言うなら、今日を一日働いて、寝る前に飲めるうまい酒があるとなお良い。


他人とハンデがあったってどう言うことはない。
仮に他の国はもっと栄えていようと、もっと肥沃で、科学も技術も段違いで進んでいようと別に悲観することはない。
この世界は無限なんだ。
きびしい太陽も、風も水も、この環境は誰に対しても平等だ。
そこでできることはたくさんある。
この場に居続けて悲観に暮れて毎日を過ごしていても、またそうでなくても、明日にはまた太陽が昇り、嫌でもこの世界には昼の世界が来る。


ずっと夜中である世界はないんだ。
仮に自分がめくらでも。
暖かい、日の光を感じることはできる。
きっとできる。
とにかく進もう。進むしかないんだ。
人生は、止まることができない時間の中のほんの一区切りの、その間の中に起こった出来事の一つなんだ。

希望なんか、あったってなくたって日は昇る。
オチなんてないけど

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