• に登録
  • SF
  • エッセイ・ノンフィクション

愛しい私の、墓所の世界

7/4


機械仕掛けで動くこの世界。
理不尽に動き回る針の山。例えばそれは、目の前にある針を避けようと足を上げると、自分が動かした足の動きに合わせてわざと自分から動き出す針山みたいな。

飛び越えられる程度の崖があって飛び越えようとしたら、自分が跳んだ瞬間に崖が向こう側からこっちにやってきて、自分が降りた場所が崖になっていた、みたいな。


美味しそうなリンゴは全部石より硬くて、それらがぜんぶ弾丸より早く、自分めがけて飛んできたり。

月が巨大化して落ちてきたり。


自分の何百倍もある大きさのスキンヘッドの巨人が橋の向こうからアッパーカットしてきたり。

何も無い空から突然ギロチンが落ちてきたり。
ギロチンを避けたと思ったら床が突然立ち上がって自走圧迫機械に変身したり。
逃げ切ったと思ったら突然地面が割れて落とし穴に落とされたり。
どう見てもテトリスみたいなブロックが空から降ってきて一個しか空いてない隙間に詰め込まれて、そこにちょうどよくはまるようにブロックを落とされたり。

理不尽以外の何でもないこの世界が。

ぜんぶ、機械仕掛けで。

最初から全部決められていて。

自分はそこにいる、ただそれだけで、この世界を踊るように動かされているなんて。


理不尽すぎない!?




そう思いながら今日も世界を生き残るのでした。

ふざけんな!!!!!!

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する