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無闇なプライドの打ち破り方

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ある国の城門前に、一人の屈強な首無し男が立っていた。
私は彼をデュラハンだと思っていたが、彼は怪物ではなく、自分は傭兵だと名乗った。
ただ名前は名乗らなかった。名乗る口がないので当然だったが、彼は身振り手振りと、手に持ったモーニングスター、棘のついた巨大な鉄球付きの鎖分銅を振りまわし、私を都市に入れないのが自分の仕事だと言った。

悪いがここは通さないと、首無し男は両腕を広げて、道いっぱいに通せんぼの姿勢をとった。


町に入るには城壁を登るか正門を入るしかなかったが、今まで通ってきた関所ではどこでも止められることはなかった。
国境が入り組んでいるからか、係の人間はみんなばらばらの制服を着ていたのは覚えているが、それでもここに来るまでに静止されたことはない。

首無し男は、通ることは許さないが、戻ることはできると言った。
だが私には、この道を戻るという選択肢は残されていなかった。

この道を進み続けるためには町を大きく迂回するか、あるいは力づくでも通ってしまうかしかなかった。

首無し男は私の気持ちに気がついたのか肩だけで笑って、通りたいなら通ればいい、ただし俺は通さないぞと武器を構えた。

首無し男は、甲冑を着込み武器を構える巨漢だ。
動くたびに鎧の関節がぎしぎしと音を鳴らし、使い古された赤黒いマントが、城門から吹いてくる風にひらひらと舞う。

私は、彼は目が見えていないかもしれないと思い、黙って彼の脇を通り過ぎた。

すると首無しの彼は黙ったまま立ち尽くし、次いでガラガラと音を立てて崩れていった。


とうぜんこの町も、廃墟だった。
何者かに略奪され、燃やされ、すべてを奪われ。
すでに荒らされた後だった。

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