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目を覚ますと、私は馬の鞍に揺られどこかへと進んでいるところだった。
前後には籠に担がれた喪服の男女と、同じく黒い服に身を包んだ徒歩の列が続いている。
前方には長く続く葬儀の列があって、後ろを振り返るとそちらにも永遠に思われる長い列があった。
道の脇は葦と背の低い草の生えた荒地で、道自体は街道のようだったが、よくある大都市と大都市を結ぶような活気の感じられる道というわけではなく、どことなく道そのものが陰気じみていた。
思い返してみれば歩いている者はいなかった。葬列の参加者は歩いたり私のように馬に乗っていたり籠に揺られていたりと色々いたが、道端には人がいなかった。
私のいる長い葬列は一方向へずっと続いていたが、帰りの道を歩む者はいない。
私は隣を歩く男に、この葬列はどこまで続いているのかと聞いた。
男は、道が終わるところまで葬列は続いていると言った。
道はどこまで続いているのかと聞いたら、新しくできた墓場までだと答えた。
古い墓場がいっぱいになったので、新しい墓場ができたそうだ。
誰が死んだのかと聞いたら、男は、自分たちが死ぬんだと答えた。
葬列はずっと続いている。
灰色の空が永遠に思えるほど、遠くの彼方まで見える。
私は考えるのをやめ、もういちど馬の上で寝ることにした。
願わくば、夢の中くらいではいい夢を見たいと思った。
この葬列はいったい誰の葬列なのだろう。
本当に誰かの葬列なのだろうか。