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毎日ゴミのようなチリ埃粕、綿毛に糸くず鉄材木材石ころ草切れ紙切れ、この世の中にある小さくてどうでもいいものを宝箱に詰め込んでいたら、そいつは羽ばたいて空を飛び始めた。
人に言わせればそいつはただのガラクタの寄せ集めなのかもしれない。
不恰好な骨組み、流木を継ぎ接ぎして作られた骨格、ボロ切れの表皮、廃材の牙、空を飛ぶときはらに溜め込んだ石ころたちをゴロゴロと鳴らす。
雷鳴のような声とともに虚空の空を舞う。
今にもはち切れそうなゴミの宝箱。
それは、翼を羽ばたくたびに砂金の軌跡を空に残して前に進む。
空の星々を飲み込んでもまだ足りず、雲を綿菓子のように飲み込んでもその腹は満ち足りない。
肥大化した収集癖。大きくなりすぎた自我の竜。
どこへ向かうでもなく、空をさまよう。
その速さはどの悪魔よりも遅く、力強くもある。
強力な牙が歯向かうものを噛み砕き、いつの間にかゴミに混ざっていたガラス玉の赤い目がこちらを睨む。
こんなものを作り出しておいて、またそれを破裂させろだなんて。
破裂させて、いったい何が出てくると?