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この世の詩

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朽ちてボロボロになったワラ人形が、いる。

道の真ん中に立っている。

カボチャでできた頭をのせている。

カボチャだったものでできたアタマを、のせている。

笑顔のまま張り付いて死んでいる。

引きつった笑顔のままで、目が死んでいる。

陽気な目のまま朽ちている。

陽気だった頃のまま、吹けないパイプを口にくわえて立っている。

ボロボロになったリュックを手に持って。

穴のあいたリュックは地面のうえ。

もう空を見上げる筋肉はない。

ガリガリの朽木。スカスカの胸の内。

藁人形は笑えない。

もう、立っているだけでせいいっぱい。

夢を見ることがなくなった。

道はいつのまにか、終わってる。

誰も通らない馬車の道。

通る誰かを、通せんぼ。

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