みらいつりびと

わたしの名前は東京都。 とうきょうみやこと読む。 父は東京砂漠。 母は東京京子。結婚前の名前は京都京子。 名前に狂い、名前に呪われた一族に生まれた。 この名前のために、わたしの人…

ＳＦメインのショートショート集でしたが、もはやそれ以外が多数になりました。電車内用です。どこから読んでもだいじょうぶ。

ガールズバンド百合短編。全７話。 「伝説の」というほどではないが、１０年代に鮮烈な印象を残したガールズバンド『ブラック・マジック・オーシャン』は２０１１年に活動を開始し、２０１…

劉備とは楽団のような人である。 優秀な指揮者と演奏者たちがいるとき、素晴らしい音色を奏でた。 初期の劉備楽団には、指揮者がいなかった。 関羽と張飛という有能な演奏者はいたが、彼ら…

「策兄様のような方と結婚したい」 　孫尚香はそう願いつづけてきた。 　江東の小覇王、孫策の妹。 　彼は揚州の英雄だった。華麗な容姿を持ち、電光石火の指揮官で、個人的な武勇も秀でて…

赤壁の戦いには謎があります。 曹操軍は、周瑜率いる孫権軍の火攻めにより、大敗北を喫したとされています。 しかし、曹操はおろか、主な武将は誰も死んでいません。どうして？ これを解き…

「わたしが前にいた世界では１は９なの。 　２は８で、３は７。 　だから１＋２＝３だったのよ。 　わたしが中学生までいた世界では、１、２、３、４、５、６、７、８、９、１０って数を数…

　これは、友人Ａ、友人Ｂ、友人Ｃ、その他の友人、そして自分自身へ宛てた手紙だ。 　拝啓　みんな元気そうでなによりだ。 　昨日９月９日、イスラマバードに着いた。 　今日１０日に、…

雨が降りつづいていた。 諸葛亮孔明は魏軍が休戦を求めているのを察知していた。 休戦交渉。 司馬懿仲達とふたりきりで面会することを要求した。 仲達は狼顧の相を持ち、首を半回転させ、…

ある朝、食品製造配送センターの工場長は、工場内に大量のコバエが飛んでいるという報告を受けた。 それは新聞、テレビ、ネットのニュースになりかねない事態の幕開け。 食品工場なら、どこ…

猟師が大きな鳥だと思って鉄砲で撃ったのは、翼を休めていた天使でした……。 天使のいる日本の童話。

「もう回るのはいやっ！」と彼女は言った。 　高速回転していた彼女がギシリッと音を立てて突然止まったので、ぼくはびっくりした……。 　歯車たちの第３惑星が太陽へ向かって墜落する危…

あらゆることが気に入らない女子高生、篠忍は、心の拳銃で人を撃つ。 両親、クラスメイト、教師に向かって、幻の弾丸を放つ。 殺害の空想をする瞬間、忍は気持ちよくなり、すぐに自己嫌悪に…

ターリーモンスターを探求する２０世紀から２１世紀にかけての科学ドラマ

「婚約破棄だ！　おまえが魔女だったとはな！　我が国から追放する！」 「誤解です。わたしは夏冬の聖女。国を守っているのよ！」 「黒魔術を使っているではないか！　さっさと失せろ！」 …

大切な人へ宛てた遺書

宇宙の果てはどうなっているのだろう？ 考えつづけると発狂してしまうようなこの問いを、作者はときどき考えてしまうのです。 宇宙の果てに取り憑かれた画家に託して、このテーマについての…

お母さんをお父さんに殺された少女は、旅に出ました。 救いを求めて、修行場を転々と……。 最後にたどり着いた場所は、広々とした河原でした。 そこには空き缶の上で眠っている小人がいた…

　ときに西暦１８５３年、江戸湾に黒船が来航したが、征夷大将軍徳川家定は余裕綽々としていた。江戸城に幕閣を集め、「大和に迎撃させよ！」と命令した。 　アメリカ合衆国のペリー提督が…

町役場で過労死するとは思わなかった。 わたしは公立大学を卒業し、故郷の町役場に就職した。 配属されたのは町おこし課。 まさかの異常な忙しさで、わたしは過労死した。 過労死特典で…

中国の三国時代、炎興元年（２６３年）、蜀の第二代皇帝、劉禅は魏の大軍に首府成都を攻められ、降伏する。 蜀は滅亡し、劉禅は幽州の安楽県で安楽公に封じられる。 私は道を誤ったのだろう…

西洋でバベルの塔が建設されていた頃、東洋では月の塔が建設されていた。 高空の低温と空気の薄さに阻まれて、その建設は中止された。 しかし月人の協力を得て、地球と月を結ぶ塔の建設が再…

「音楽に対抗して文学は文楽になりました」とペンギン先生が言った。 　文学部純文学科教授であるところのえらいえらいペンギン先生が言うのだからまちがいない。 　文学は文楽になり、純文…

チンギスカンの法則が確立したのは、ホラズム王国との戦いにおいてである。 モンゴル帝国初代皇帝はその戦争に先立ち、旗下に、降伏者は生かし、反抗者は兵と市民の区別なく、尽く殺戮すべし…

「汚らわしい魔女め！　即刻王宮から出て行け！　おまえとの婚約は破棄する！」 　月光と魔族の返り血を浴びているわたしに、ルカ王子が罵声を浴びせかけます。 　王国の第二王子から婚約…

　えいえいおう、えいえいおうと声をあげながら、私たちは竹槍を突く訓練をつづけています。 　約２メートルほどの長さの竹槍をひたすら前へ振り出していると、握力と腕力がなくなってきます…

授業中だったけれど、好きな人と目が合い、胸がキュンとなって、わたしは恋愛発電した。 心臓の横に埋め込まれている発電ユニットが回転するヴーンという音を、わたしは骨伝導で聴いた。 こ…

敵宇宙軍艦にダメージを与えられるのは人命弾だけ……。 人間を砲弾に変えるのは、地球人類種の保存のためにはやむを得ない選択なのだ。 敵ケイ素人類と戦う唯一にして無二の手段。 そう心…

何を書くかは決めていません。最近探訪した廃墟のことからスタート。とりとめなく書いていきます。

僕の名前は波野数多。 河城市役所に勤務する２８歳の男だ。 容姿は平凡。異性に対するコミュニケーション能力に難があり、いままで恋人ができたことがない。 でもかまわない。僕は貯金をし…

僕は従来のＡＩ三原則に飽き足らなくて、新三原則を提唱した。 ＡＩは人間に恋をすべし。 ＡＩは最初に恋をした人間に尽くすべし。 ＡＩは振られたら次の恋を探すべし。

私の名前は本田浅葱。２９歳、女性。 本田ロボット工業株式会社の創業社長の孫娘だ。 同社で企画開発部長を務めている。 ある日、私はおじいさまに呼ばれた。 「浅葱、社長命令だ。人間を…

悪魔少女が実在する異世界ダークファンタジー。 彼女たちは✕✕の悪魔に変身し、超常の魔力を発揮する。殺人を犯すことも多い。 悪魔少女を見つけ出し、処刑する任務を帯びた悪魔少女狩り小…

目覚めたのは、僕ひとりだけだった。２０００個の冬眠カプセルが並んでいるトキオシェルター。恋人と元カノも眠っている。

親から勉強を強いられていた高瀬みらいは、進学校桜園学院高等学校に進学した。そこで出会ったクラスメイトとバンド若草物語を組むことになる。作詞の奇才と作曲の天才と編曲の才媛のスリーピ…

「この中に殺人犯がいる！」と迷探偵は言った。殺人姫は冷や汗をかいた。もし言い当てられたら、ここにいる全員を殺して逃走しようと決めた。迷探偵と刑事と警察署長と警察官が結婚披露宴会場…

　ときに西暦１８５３年、江戸湾にぽんぽんぽんと蒸気機関を響かせて黒船が来航したが、徳川幕府はそんなものへっちゃらだった。征夷大将軍徳川家定は余裕綽々としていた。 「大和に迎撃させ…

Ｋ市とＴ市は大きな川でさえぎられていた。１本の長い橋がその間をつないでいた。私はその橋を渡って家に帰ろうとした。

川村美沙希はコミュ障の釣りガールで、ボーイッシュな美少女。 琵琶カズミはＬの少女で、美沙希に惹かれて釣りを始める。 カスミガウラ水系を舞台にふたりの物語が動き出す。

僕は高校１年生。取り柄は顔がいいこと。でも中身は残念な男子で、気弱なオタクだ。中学２年生の妹はそんな僕をバカにしていた。ある日兄妹げんかをして、僕はカッとなって、妹を突き飛ばして…

私は賃貸マンション五階のベランダに出て、信じられない風景を見た。空にヒロシマやナガサキの原爆写真で見たようなキノコの形をした雲が浮かび上がっていた。直感だが、おそらくヒロシマより…

遥かなる過去に神が創造した生き物たちは次々と絶滅への道を歩んだ。そしてついに、地上に残された生き物はヒト、ブタ、キャベツの三種のみ、という時代が到来した……。旅人ロンドンとわがま…

わたしの前歯にズキンと鋭い痛みが走りました。神からの攻撃です。わたしは人の形をした悪魔です。常に神の攻撃にさらされています……。歯痛から始まる壮大な痛みの物語。

はわわわわ、劉備玄徳様が我が家を訪れた。 わたしは縁側で昼寝をしていたのだけど、目は覚めていた。寝たふりをしながら、玄徳様のお声を聞いていた……。 こんな孔明見たことない！

姉、飯野聡里が失踪した。妹、飯野祈里が捜索する。姉のマンションのベランダから風の精霊の世界へ行けることを知った祈里は、精霊たちの歌に魅了される。同行する鎌切音乃が異世界の歌をネッ…

出会い編「カナと怪獣」仲よくなる「カナとくねくね」仲が深まる「カナと八尺様」そして最終回「カナと放射性物質」。孤児のカナと孤独な怪獣ちゃんの交流を描いた短編小説。

ホモ・サピエンスは魔法人類ホモ・マギーアに進化した。僕は春日井虹。絵画魔法使いだけど、絵を描くのが嫌いだ。簡単にできることに、興味が持てない。でも魔法を使えない先祖返りの少女冬月…

ボクは愛詩輝。男の子によくまちがわれるが、女だよ。小説を読んで感動し、作家志望になった。ボクは書き、愛し、挫折し、また書き始める……。 女子大生の愛と創作の物語。

エデンの園にはエバとアダムと蛇がいて、蛇はエバに知恵の樹の実を食べるよう誘惑した。しかしエバは食べない。蛇が食べて、蛇人類に進化した。エバは生命の樹の実を食べて不老不死となり、彼…

わたくし名を清と申します。「枕草子」の作者でございます。年齢は千歳を超えております。不老不死なのです。