「宇宙の果てはどうなっているのか」答えのないその問いに魅了され、絵筆をもって挑み続ける人間の姿に、ぐいぐいと引き込まれる物語です。夢に向かって考えなしに進むわけではなく、まずはちゃんと就職したり、売れる絵を描いたりと、専業画家として生きる苦労が現実的に描かれているのも面白いです。結末もほろ苦いようで、どこか幸福な感覚もあり、不思議な心地。絵とは描いた人のためではなく、見る人のための扉なのかもしれないな、などと考えました。
「宇宙の果て」に魅せられた主人公、そしてその果てを追うことができる環境、熱意を認めてくれる人も続けることで現れてくる。少しずつ評価されていった中で、一つの現象が起きる。存在しているのかどうかさえ分からないものへ対する「引き込まれそうな魅力」と熱意が魅力的な作品です!!