答えのないその問いに、絵筆ひとつで挑み、そして

「宇宙の果てはどうなっているのか」
答えのないその問いに魅了され、絵筆をもって挑み続ける人間の姿に、ぐいぐいと引き込まれる物語です。夢に向かって考えなしに進むわけではなく、まずはちゃんと就職したり、売れる絵を描いたりと、専業画家として生きる苦労が現実的に描かれているのも面白いです。結末もほろ苦いようで、どこか幸福な感覚もあり、不思議な心地。絵とは描いた人のためではなく、見る人のための扉なのかもしれないな、などと考えました。