異能力者である少女たちが国家の狩り対象となり、理不尽な運命に対しておのおの立ち向かっていく物語です。
面白いです。
まず特徴的なのが文体。
描写があっさり目で、なんだか海外童話の翻訳を読んでいるような気分になります。
感じ方はそれぞれでしょうが、私はその文体のため、映像を思い浮かべるにリアルな映像な時もありますが、「影絵」「切り絵」が浮かぶことが多く、全体的にとても幻想的な雰囲気を覚えました。
ちょっとネタバレにもなってしまいますが、最後まで通してのレギュラーかと思うような人物が簡単に殺されてしまったりもします。
感情移入していた人物なので悲しいことではあるのですが、それにちょっとゾクゾクともしてしまうところ、赤塚不二夫漫画の残虐描写シーンに似たところがあるかも知れません。
かなり個性的なダークファンタジーである本作ですが、第一部が終了しましたのでこれを機にみなさまへの一読をおすすめするものであります。