山口　実徳

　1945年９月２日。 　ポツダム宣言を受諾して負けを認めた日本に、連合国軍が上陸した。連合軍は、日本を占領する政策や指示、命令を矢継ぎ早に繰り出していく。 　その動脈たる鉄道を…

　思いの向くまま気の向くまま、のらりくらりふらふらとエッセイなんぞを書いてみようと。 　Twitterで、創作物に火が点いてやいのやいのするたびに 「創作論は創作物で書け！」 …

戦場をテーマにした短編集です。

　三十六歳で転職し、ようやく仕事に慣れてきた頃、僕は突然ひとりになった。 　出来なかった料理をして、空虚を埋める日々を過ごしていた。 　そんな折、転職活動の一環として公募に出した…

　悪いことのあとには、いいことが起きる。 　その反対に、いいことのあとには悪いことが待っている。 　そうやって失敗を恐れ、挑戦を避け、いいことからも逃げている大学生・柚木玲司（…

　人を惑わす呪いに蝕まれた世界樹、その原因とは賢王の覇権争いではないか、と睨んだ勇者は西へ旅に出る。 　襲いかかる星の川、峰を守護する鶴の試験、数々の苦難を乗り越えた末、勇者の…

　日本中の武家を北条時頼が束ねていた時代、鎌倉の西には地獄があった。 　天災から逃れ、疫病に悩まされ、死骸が遺棄され、蔑まされた非人が集う地獄谷。 　幕府の頭脳で本の虫、金沢（…

　貨物列車で深夜の峠を越えていた若き機関士の相楽祐介は、突然白い光に包まれて、浮遊感に襲われた。 　異常時だ！ 　脱線する！ 　異常時の取り扱いを実施して、あとは成るようにし…

　昭和18年、春。 　瀬戸内海の小さな島で生まれ育った美春は、はじめてひとりで汽車に乗り、はじめて広島に降り立って、はじめて目にする大都会に圧倒された。 「新しく出来る家政女…

　暮らしていた森を最強の黒魔女グレタに焼かれ、生活の場所も糧も、妻や幼い娘さえも奪われた木こりのアックスは、勇者ブレイドに誘われて魔王ベルゼウス討伐の旅に出ていた。 　アックス…

　未曾有の大震災から復興し、世界を襲った恐慌を乗り越えて迎えた、華やかなりし昭和黄金期。 　そんな時代、日本中に洋食を広め、羨望の的となったレストランがあったことは、ご存知だろう…

　中央線中野〜立川駅間の約25kmに及ぶ直線区間、日本鉄道(現・宇都宮線)の栗橋〜宇都宮駅間の合理的線形、碓氷峠越え(信越本線・横川〜軽井沢駅間)の手段選定、豪華列車の運行など……

帰省シーズン、夜行列車で眠れぬ夜を過ごしていた私は、真夜中の長時間停車でプラットホームに降り立った。 すると突然、見知らぬ男に声を掛けられ……

KAC2022「私だけのヒーロー」参加作 数多の魔物を倒す、長い長い冒険の末に辿り着いた魔王城。ついに最終目標の魔王と対峙するときが来た。 今までとは比べものにならないほど強…

　ネット小説を投稿していた私は、地元ラジオ局から原稿執筆の依頼を受ける。 　喜び勇んで向かったものの、思っていたのとまるで違う。 　窮地に立たされている株主が喜ぶニュースの原…

　時は明治９年、場所は横浜。 　上野の山に名前を葬った元彰義隊士の若侍。流れ着いた横浜で、賊軍の汚名から身を隠し、遊郭の用心棒を務めていたが、廃刀令でクビになる。 　その夜に…

【改稿版】はこちら↓ https://kakuyomu.jp/works/16816700429108467966 　時は明治９年、場所は横浜。 　名前も命も上野の山に葬った…

「あわてんぼうのサンタクロース」に着想を得た短編小説です。 摩天楼に埋もれる孤児院はマフィアの地上げに抗っていた。しかしライバルが現れたにもかかわらず手荒な真似は禁じられており、…

怒らないで下さい。 文芸の裾野が広がることは大歓迎ではありますが、昨今のライトノベルに対するアンチテーゼとしてタイトルと冒頭だけを考えました。が、物語は止まらず完結にまで至ってし…

彼らは何故、残酷な仕打ちを受けなければいけないのか。 彼らは何故、声も上げずに押し黙っているのか。