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有機ヘリコプター

 黒いヘリコプター 
 アーサー・ゴールドワグによれば、MIBの次。
 1970年代~2000年ころまで、世界征服をしたりしてゐるウィンザー家の陰謀とか、イルミナティのなんとかを研究してゐる人が、ふと見ると、所属とかを表す標識が一切ない真っ黒なヘリコプターが、こっちを見てスタンバイしてゐる、と言はれる。多分「世界の仕組みを知ってる俺SUGEEEE!」といふ肥大化した自我をフォロウするため、禁断の知識と認定してくれる貴いもの。

 一応何もしないらしいのだが、NWOとか何とかいふ、(New World Order[novs ordo secrolumノウス・オルド・セクロールム 「時代の新秩序」の意だけどこのウェルギリウスの曰くから 有澤怜先生は「陰謀論の人はSecrolumが辞書に書いて無いので挫折する」といふが、ラテン語辞典の存在そのものを知らん人がゐる])シークレットなガヴァメントが麻薬とか持ってく際に使ふとか突撃隊が使ってるとか。後、生き物説がある。さらにキャトルミューティレーションもやってるらしい

 MIBの人(個人的にはNSAの職員説が好き)がああなったので、ブラックヘリコプターを。二十世紀後半のどん詰まりから、アメリカでは議論の中、相手の説が陰謀論だといふ際に
「それァキミ ブラックヘリコプターだよ」
 といふレトリック修辞が出てゐる。

 そんなわけで、肉をとるための牛の屠畜は汎世界的に一応珍しい。欧州人から見たユダヤ人の牛屠畜儀礼はよく知らんが、日本でも探せば、南方熊楠に依れば紀州の富田村庄川の瀑布の辺で、旱の際、渦巻く淵の向かふにある処へ、牛の首を持っていく(牛の首取る人は書いて無いけど、もってく人は皮革職人で表される人。『南方熊楠全集 第八巻』p181では、それやった人の「あすこは行くと渦巻くから、報酬は米一俵の約束だけどこれが二十俵でも願い下げしたいね」と言ふのを載せる)といふ儀礼があったらしい。筒井功先生は皮革職人=シャーマン説を唱へる証拠として、これの他まうちょっと大量に牛屠畜による祈雨儀礼を載せてた。西日本の牛鬼が出てくるところで昔牛の屠畜儀礼があったらしい。

 レッサーパンダ~ジャイアントパンダ~フィアットパンダ(山賊「やさぐれパンダ」)といふ系統発生。カメさんは、肋骨を外骨格にするといふ、エポックってレヴェルぢゃねえぞな真似を晒すので、その辺から龍の、なんか骨を抜くらしい生態を。ハダカゾウクラゲが検討できれば。

 悪い獣(ハッヤー(獣)ラー(悪い))が、でも神様の使徒として、『エゼキエル書』で、もふもふしてゐる。…個人的にはメビウス系がいいなぁ。ディラックの海のやうなプレーナー(平ら)な物へ、呑み込まれる主人公はいい筈。『列王記』の預言者エリシャが召喚した「餓えた雌のヒグマ」はこれに当たるんだかどうだか(「禿頭、登ってこい」と囃すクソガキャ42人ほどを喰ひ散らかす)不明。

 オーフ 「飛ぶもの」といふヘブライ語の筈。いいけど『レビ記』「全て翼があって群生するもので、四つの脚で歩く者」といふ記述の原典の数詞は「4」としか読めんさうである。あと食っていい系で、バッタが列挙されてるけどそれのうち「アルベ、サルアム、ハルゴル、ハガブ」のどれか(岩波の邦訳スタッフによれば、年齢別なのか種別なのか不明ださうである) レニングラードコーデックス 数年前は見れたけど最近ググってもヘブライ文字とローマ字が対応してるやつが出てこないぃ。

 アッビール(ウシ) 何故か神様の呼称。あぁ、「ツェバオート」で雌の羚羊。あとアイロートハッサデー(野の雌鹿)とエル・シャッダイは「だいたいあってるよね」説がある。なんか『雅歌』で「雌の羚羊か野の女鹿のごとく跳ねる君のおっぱい」と言ふのとか「雌の羚羊と野の女鹿を指してそれにかけ 私はあなたに言いましょう。愛してるよと」とかがある。

 南方熊楠全集で、BUN_YP(バンイップ 豪州の怪物 「ブンイップ」と表記)とか出てきてびっくりした。鳥の怪物として紹介してゐるが、アザラシ系のバンイップの人を発見したとか言ふのを「こういうのもある」として紹介し「ヴィクトリア州のアボリジニは、アザラシとか食ってたので」とか肯定的なご意見を述べる。ロス・マー(海の馬。アザラシかなんか 南方熊楠関係を読むと二回くらゐ読まされる)とかの馬~海獣関係を。

 さう言へば、支那の文献に登場する獏は、夢を喰はん代り「パンダと混同」されてゐるのであった。南方熊楠説(確か)で、ン千年前の支那にバクがをって、いろいろあって絶滅したので若干考証に基づく、とかがあった。

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