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狸ディヴァージェンシー

たぬきさん適応放散さん


 ペガサス野獣類 鱗甲目(穿山甲)と奇蹄目(獏とか馬)と食肉目(ネコとか)と翼手目(蝙蝠) 白亜紀初期にユーラシア大陸と北米大陸を合せた超大陸のどこぞでもふもふしてた種類が、恐龍の、あのティラノサウルスとかがアジアで発生しアメリカでビッグになってるんだけどその下で発生し、地味ぃなファウナと生態的地位を確保してゐたが、かのカタストロフでうりゃっと出る「北方獣類」のうちの一群。「ペガサス野獣目」括りかなんかで北米大陸で出てた可能性がなんかあるっぽいっつうか、蝙蝠、わんこ系が北米起源と言ふことになってゐる。支那とか日本で発見された、ジュラマイア(ジュラ紀後期)とかササヤマミロス(白亜紀初期)、エオマイア(白亜紀初期)は、あー。

 狸 原始的なイヌ科生物。雑食性で森林地帯の水辺に生息し攀木性もある。カニ!!等大体なんでも食ふがミミズが好き。北海道以北の高緯度たぬは冬眠するが低緯度たぬは一月に婚活を始め、子供を作る。イヌ科なので交尾の際に突っ込んだ亀頭がぷくってなり、しっかりはまる交尾結合はする。陰茎部はいいんだよ陰茎部は。
東欧ではファ―確保用に飼育されるが、荒俣宏によれば『本草綱目』には「畜ふによろしい」とある他、萱野茂によれば、アイヌは熊飼ひのおまけで飼ッてた臭いので「養たぬ文化」は東アジアでもないことはない。
溜糞をする習性がある。なほ石衣(餡子を固めて砂糖コーティングしたやつ 旨いぞ)のへぼいやつを指して「狸の糞」と言った。
蝦夷たぬ(N p Albus)と
本土たぬ(N p viverrinus)の他、
朝鮮たぬ(N p koreensis)
大陸/びんえつたぬ(N p procynoides)
ウスリー川辺たぬ(N p ussriensis)
等の亜種が認められる。
雲南たぬ(N p orestes) アムール川辺たぬ(N p amurensis)ヤンツ―渓谷たぬ(N p sinensis)支那南東部たぬ(N p stegmanni)モスクワ辺たぬ(N p kalininensis)は、はい。
1950年代からドイツ、ポーランド辺へ、進出し北欧では「Martendog」とか言はれる。欧州たぬは、ネズミを捕食し、アライグマ(外来種)と競合するほかオオカミに食はれてをるが、なんか、あの、草履を指す泥棒の隠語で「たぬき」があるといふ。あー。ニホンオオカミは人間の草履狙ふんだよな。

「狸」 支那で「たぬき」は「狢」の方で狸は「やまねこ」。日本でも一桁世紀には野良猫を狸字で指した他『日本霊異記』(九世紀)で、「狸(ねこ)」といふ記述があったり『法華経音訓』に狸の訓で「ネコマ」があったり。荒俣宏説ではアレの「鳴き声」と「足跡」がネコっぽいのでかうなった。
たぬきは中世からイヌ科になったらしい。日葡辞書に狸が「わんこ系」であるとする旨の記述があった筈。
支那では狸奴で「ねこ」を指した。白川静のネタで支那の字の本に狸の項目で「貙に似たり」貙の項目で「狸に似たり」が。
狸字でムササビ、テンと訓する記述がある他、『観智院本名義抄』に「イタチ」がある。

十字狢(じふじむじな)といふのが和風のたぬ表現であるが、支那ではファウナ他がよく被るアナグマはメスでたぬが雄とされた。支那の動物誌的ににキツネが千年経ると狸になるとされる。個体発生が系統発生をすると退化してしまふのは謎。

たぬき語源説 「田の君」「田の怪(たのけ)」「多之化(たのけ)」「魂抜き」「イツハリネブリオキ(偽り眠り起き)」「イダシヌク」「田の狗(支那の「田のイヌ」説がどうたら)」

フクロミツスイの生殖器の発生が参照できる言訳 あれば。

 セイバートゥースたぬき マカエラかダーク(Dirk)かカットラスかシミターかなんか。

飛翔性 イヌ科の狐とか柴犬とかジャッカルが行ふ「獲物を上から」は蝙蝠が飛行生物になった起源説でプレ蝙蝠が行ってゐた可能性が挙げられる。原始的蝙蝠が皮膜を捕獲用に使ってゐた可能性とかもあった筈である。滑空系飛びたぬの可能性、あった気がする。

ミミズ食ってるので『アフターマン』のトルゥティールに収斂する、うさ耳で前歯が「喙」になって、耳を地べたへ付けてミミズ或いは地下棲生物の「へにょっ」てふ音を聞いて嘴ぶしってやるたぬきの案みたいなものとして、『信濃奇勝録』4巻に出てくる、被り狢や毛長狢とか言はれる何か。『日本怪異妖怪事典 中部』では「石羊」名義で収録。それによれば、永明寺山の南の中腹にある谷の多数の大きな岩石と洞窟の中に生息し、頭は小さく、鹿っぽい大きさと毛色で四肢を覆ふ程度に長く斑が認められる体毛を持ち、二十数頭で群れを成す。出るのはまれで、大雨や炎夏の後にミミズを探しに出てくる。

 攀木プレデター 腕渡りたぬきの前に尺取虫運動をするたぬきが。

淡水棲魚食 適応放散の極北。カワウソやハシビロコウやおそらくカモノハシ。たぬは「甲殻類用」の顔を一応してるっぽい。

水性 アフリカ獣類は、金玉が内蔵されるといふ水中仕様であったが、象やハイラックスの段階で無駄に多様性ってレヴェルぢゃねえぞな適応放散がされまくり、地球制覇は一応為したものの、水中へ進出したのはマナティやジュゴンやステラーカイギュウくらゐで、あとの海獣は北方獣類が制してゐる。
Mブレーは『驚異の未来生物』で海生生物の推進方法についてa「前半身で引っ張る」タイプとb「後ろ足とかで押す」タイプをまづ想定し、bの鳥類を作った。また川崎悟司は、Mブレーの区分でいふbタイプの代表へカエルを挙げ、想定される水中人類をこれとする。たぬアクアティクスの可能性として、前足か、四肢(は「狸の沢渡」といふ)を失ってうにうにする。蝙蝠と並ぶ、原始からどう進化したんだよ生物である蛇の原始種は、可能性のあるa地下をもぐもぐかb水中を泳いでるかの、両方が同じやうな時代の地層から出てをる。ナジャシュ(後ろ足がある蛇)がたぬに適用できれば。

イハダヌキ ハイラックス アフリカ獣類。アフリカからシナイ半島辺の岩場で三属四種(多分「普通」のグレイズって牧場に生えてる草本の葉っぱを食べる)が仲良くもふもふしてゐる。大昔、地中海に水棲イハダヌキがゐたらしい。化石はファイユーム辺で比較的「アホほど」取れる。無駄に奇蹄類に似た歯式を持ち、蹄になりかけの足は親指だけ鉤爪であとの四本は平爪といふ謎の生き物の上、肉球が吸盤状のものに発達し、コンクリート打ちっぱなしくらゐの壁なら普通に歩ける。胸椎と腰椎は異常に多い。
果食たぬ、ルーター(地べたの下のを食べる)たぬは可能性としてはあるがブラウジング(「摘食」でなくて「葉食」)たぬ、グレイジング(草食)たぬの可能性、うーむ。

単弓類 卵生で耳介がないらしい。もふもふしてたらしい。陸上へ進出した脊椎動物の内の一で、21世紀にやっとこ哺乳類へ進化を遂げた。『フィニアスとファーブ』に出てくるカモノハシの「ミルクの汗」はこの段階で出たと考へられる。植物食性の種類にわんこ系の歯がある「キノドン」と肉食系で顎が犬の「キノグナトゥス」がをる。アニメ『T.P.ぼん』見てない。ペルム紀に発生し、これ末期の、どえらい気合の入った超絶カタストロフを多分生き延び、ワニさん大展開時代も生き延び、ジュラ紀にコアラやクオッカを出しながら仲良くモフモフし、有胎盤哺乳類が発生した白亜紀とっかかりに辛うじてまだ生存が確認でき、多分白亜紀末期のアレで絶滅でいい筈。キノ何とかは収斂できるのだが、卵生たぬきの可能性。

 ヴェクター性をフルに発揮して、たぬへくっついてどっかへばらまかれるもの。狸の文字が「埋」と通用すると言ふのを何とか。竜胆は紀州辺で花の形状から「狸の小便桶(たぬきのしょうべんたご)」と呼ばれたと言ふのを何とか。タヌキノショクダイとかタヌキモとかは、はい。

好蟻性 ありは酸っぱい。のでこれ食べ動物は対あり用に特殊進化する。塚で生活する系のあり食動物は、アリクイやナマケグマなど、凶悪な鉤爪を持つ。シロアリはいいや。

装甲 収斂度が高い。甲は爪とか、皮、内骨格を外骨格に、等。

社会性 恒温生物である場合、サヴァンナで根っことか食ってる生き物。地下茎食ふたぬはまぁ。汎生物的にではなく、ウスリーラクーンは狼に食はれてをるので若干あれであるが、コアラやアリのやうに肉が不味くなる可能性。

砂漠棲 体温調整を「水の蒸散」以外でやらないといけないので哺乳類には無理。装甲と蹄の発生は必至。蹄が三つくらゐの蹄たぬで肉食でもいいらしい確か。「背中に帆」ができる可能性『アフターマン』の生き物から「ヴァルファンたぬ」絶対無理。どっかのゴム風船の方言、証城寺の「膨れる煎餅」を何とか。

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