神道集(東洋文庫が 金はるけど貴重)所収の諏訪明神縁起 早苗さんとかは無視して、国の名前が結構いい感じで面白いので、結構良いのだが、うーんと思ってゐたら、山北篤編 『幻想地名事典』でそこの地名が全部ピックアップされてゐた。うむっ。
黒田日出男『龍の棲む日本』では、中世辺りまで、気が付くと秋津島は、独鈷杵のやうな形でデザインされると言ふありがたいバイアスがあったらしい旨を調査する。
中華の関係でいいと思ふのだが、北の果てに雁道あるいは雁門と呼ばれる、いいんだ、「ラップランド(『ニルスのふしぎな旅』の目的地/中継地)へ!」とか言ふとおっさん視されるんだ、雁の帰る土地があるとされ、南の果てには、羅刹が住むとされた。南方は羅刹国のはず。なんかさういふ設定で地図が描かれるのよ。
インドネシアとかジャワとかで上演される「ワヤン・クリ」では、ラクササと呼ばれる羅刹が登場する。その中にブトと呼ばれる、多分グールのやうなものが入り、あー、悪者をやっつけた後出てきたブト・テロンといふ茄子鼻の人が、いいもののおまけとの間で
「やほおでググったら出てきたんですけどね というかこの人誰だっけ」
「ヤフーだろ ていうか手前の上司くらい覚えとけ」
的な漫才を展開し、その後、投げられる、と言ふナニがある。さらに、なんぞ世界観が彼岸に絶対者の存在する相対的な設定なので、ラクササの中で、万民が行くべき道に行きついた聖人と言ふのもゐる。