昔から好き勝手に書いているので、文章の視点とか人称とか気に留めたことはなかった。書くことを、現代詩から入ったこともある。現代詩は視点で読者も自分も混乱させると、いい味が出たりする。
数年ほど前に、「それではどうやらいけないようだ」と知って勉強しようとしたが、「正確な視点や人称にこだわるよりも、味のある自分の文章を確立させたほうが、早道じゃないの?」という考えから抜けられなくて、途中で挫折した。
ところでそういう私でも一人称と三人称の違いは理解できる。そして二人称というのは、作中の登場人物2人が掛け合い漫才のように喋るものと、ずっと思っていた。そうしたら、ある方のエッセイでその考えは間違っていることを知った。「ならば、実験的二人称文章を自分で書いてやる!」と思うところが、どうやら家族にも理解されない私の変な癖らしい。(笑)
……ということで、第三章の始まりを二人称で書いてみた。(章立てを少し変更したけれど、内容には変わりありません) 突然の二人称、ファンタジー小説の後半の始まりとして、おもしろい試みだと自分では思っている。
この『銀狼山脈……」は、初めは初々しい10代少年少女の初恋物語りを書くつもりだったのが、(だからそれで無謀にも、『賢いヒロイン』賞に挑戦したのだけど)、そのうちにおっさんたちの国盗り物語になり、いまは神様がおおいに絡んでくる完璧ファンタジー路線狙い。こうも二転三転して、完結できるのだろうかと不安ではあります……。
★ー39は中学1年生孫のイラスト通し番号です。