文庫本になるのに1年半も待ったあさのあつこさんの『花下に舞う』を完読。
ところでこのあさのあつこさんの『弥勒シリーズ』。私は小間物屋の主人・遠野屋清之介と定町廻り同心・小暮信次郎の二人の男を楽しむために読んでいるので、このシリーズが捕り物帳という体裁の犯罪ミステリーであることを失念していた。(笑)
ちょっと偉そうに言うと、欧米のミステリーを乱読してきた私には、『弥勒シリーズ』の強引な筋運びによって描かれる連続殺人と犯人探しが鼻について、そこのところは2人の魅力的な男たちの描写の添え物と割り切っていたところがある。
それが<カクヨム>での私の少ないフォローさん(少ないのに、現在小説を書いておられる人となるともっと少ない)のお一人が横溝正史賞に応募するミステリーを書き上げられたところ。そしてもうお1人のミステリー小説の連載がもうすぐ始まるとのこと。それで私、<カクヨム>で再び小説を書き始める前は、自分もミステリー作家になることを夢見ていたことを思い出した。
そうだ、もう1つ偉そうに言ってしまうと、私は過去において某ミステリー賞の最終候補に残って、結果を電話の前で待っていたことがある。その時の賞金は100万円でその使い道はもう決めてあったのに、残念ながら落選だった…。
そのころの私の頭の中は、こんなものも書きたいあんなものも書きたいとミステリーネタでいっぱいだったのに、いまはまったくの空っぽ。実生活でも「あんなやつ、完全犯罪で消してやる!」と思うこともない。(笑)
ミステリー小説を書いていた時に、同人雑誌仲間のお婆さんから「人を殺す小説を書くなんて…」と言われたことがあった。その時はそのお婆さんの言葉の真意がわからなかったのだけど、今自分がそのお婆さんの年齢になり、時にあと何年生きられるのかと思ったりすると、人を殺す方法を頭の中で考えることすら命への冒涜のように思えくるようになった。
その年齢にならないとわからないということが、世の中にはおもしろいほどにいっぱいある。
では、またまた、小学6年生の孫のイラスト。↓