最終局面を迎えている白麗シリーズの③をパソコンで執筆していた時、ヒロイン白麗の過去に関係する言葉<ぎょくばんのかけら>と打ち込んだら、当然ながら<玉板の欠片>と変換されたのだけど…。<玉板>はそのままに、<欠片>は柔らかさをねらって<かけら>と平仮名書きにするつもりだった。だけど、<欠片>という字に胸がきゅっとなって、エンターキーを押す指が止まった。
近況ノートに、イギリスのミステリー作家ルース・レンデルのことを書いた時も、パトリシア・コーンウェルの『検視官』シリーズのことを書いた時も、「読んだよ!」というコメントをいただいた。田舎町の実生活ではルース・レンデルもパトリシア・コーンウェルもその名前を知っているという人にすらいまだ出会ったことがないので、さすがにネットの世界は広いなと思ったことだ。
でも、『夢の欠片(ゆめのかけら)』<モーラ・ジョス>は読んだ人いるかなあ?
この本を読んだ時、私は50代前半で、物語りの主人公は64歳の老婆だった。その時、いつか惨めな人生とおさらばする前に、自分で自分の人生を始末する私の『夢の欠片』を書きたいと思ったのだけど。あらまあ、私はもうすぐ71歳で、年々受ける健康診断の数値は悪くなる一方で…。
…ということで、こんな物語りを書きたいなと、若い時に思った小説。
『荒野の絞首人』 ルース・レンデル
『半身』 サラ・ウォーターズ
『OUT』 桐野夏生
『緋色の記憶』 トマス・H・クック
『夢の欠片(ゆめのかけら)』 モーラ・ジョス
50代はまだまだ時間があると思い、この5作品へのオマージュ長編小説を書いてあの世に行けると思っていたのに、71歳になろうとしているのに、まだ1作も書いていない。(涙)
前回に続いて、小学6年生の孫がタブレットで描いたイラスト。完全なオリジナルなのかどうかは、本人もよくわかっていない…。