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まだ若い亜月が<妖婆>と怖れられるまで…


 第5章の、峰貴文と亜月の出会いを書きながら、まだ若い亜月が後宮で<妖婆>と怖れられる存在になるまでをどう描いたものかと考えた。泥棒を捕まえてから、縛る縄をなうという諺通りの危うさだ。(笑)

 それで、亜月の過去についての描き方を3通り考えた。

① そもそもの始まりである、亜月の両親の出会いまで遡って書く。とてつもなく長い話となりそうだ。亜月の過去だけで、10万字を越えてしまいそう。でも、いいんじゃないか。自分の楽しみとして書いている小説だもの。
 しかし、断念。10万字書き終える頃には、主人公である白麗と英卓のこと、作者も読者も忘れてしまうだろう。

② 生い立ちは端折って、亜月が袁家で働き始めたところから書く。そして、「それはあり得ないだろう!」というような驚きの展開のお話を、現在と過去を行きつ戻りつして、いくつも散りばめる。ああ、面白そうではないか。小説を書くものとしては、ぜひに挑戦してみたい!
 しかし、これも断念。自分の描写の腕を過信してはならない。それに、紙媒体で一気に読めるのであればともかくとして、あっちに飛びこっちに飛びする複数のエピソードが絡んだお話を細切れで更新するのは、作者も混乱し読者も混乱させる。

③ ②で考えたあっと驚く展開はすべて捨てて、亜月が袁家で奉公し始めた時からの出来事を、時系列に並べて書く。でも、淡々と書き流してしまっては、亜月が変身していく不気味さが出ないので、なんとかそれらしい雰囲気のする言葉をてんこ盛りする。

…ということで、③で書き進めているのだけど、どうなることでしょう…?。

 

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