『白麗シリーズ』の①を1年近くかけて書き直したせいでしょうか、再び、②の安陽篇に戻ってみると、すらすらと書けることに自分でも驚いています。この現象が書き直しのせいであるのなら、1年という時間もおしくはないと思えています。
ところで、①の慶央篇は、30年をかけて髪の白い少女を探し続けた荘興と白麗の、出会いと別れまでの物語りです。2人が別れる理由として、荘興の次男の英卓を登場させ、そして白麗と英卓を都・安陽へと誘う沈老人というキャラを作り上げました。
この沈老人は謎の多い人物で、どうやら60年昔に起きたある事件の復讐のために、英卓と白麗を利用しようと考えているらしいです。
しかしながら、この60年前に起きたある事件ですが、②を書き始めてもぜんぜん思いつかず…。英卓と白麗に協力するキャラたちは『第五皇子の初恋』で登場して、『杖刑王妃と斬首宰相』で悪役たちの顔見世に入ったというのに、まだまだ思いつかず…。
しかたがない、こうなってしまったら、「ごめんなさい、エタりました」と、潔く宣言するしかないとまでひそかに覚悟したのですが。
なんとなんと、亜月というキャラを怖く見せようといろいろ書いていたら、ぽこっと60年前の事件が書けてしまいました。ほんと、これはアイデアが、ぽこっと、どこからか湧いて出たとしか言えないような偶然です。その上に、この事件を思いついたことで、私のもっとも苦手とする宮中を舞台とした男たちの権力闘争の発端まで書けてしまったではありませんか!
これはもう、小説の神様が私の頭上に降りてきてくださったとしか思えません。 …というか、そう思うことにしよう!(笑)
ということで、最後の悪役・斬首宰相の袁開元のダメダメぶりを書けば、『杖刑王妃と斬首宰相』のエピソードも終わりとなります。