自分の作品を読み直すのが嫌いで、嫌いで…。
純文学小説の同人誌に籍を置いていた時、雑誌を発行するのに、自分の作品を最低2校するのが決まりだった。しかし、世話人さんから送られてきた初稿のゲラ刷りの入った封筒を開けるのが怖くて、怖くて。ずっと手元に置いたままで、「まだ、こちらに送り返されてません」と、お叱りの電話をもらったということも何度かあった。
そして自分が世話人という立場になった時、印刷所から戻って来たゲラ刷りを仕分けて手間暇をかけて同人仲間に送っても、明らかに読み直していないとわかる状態で送り返してくる人もいれば、3校4校を希望する人もいるということを知った。
書きっぱなしの癖のある人の作品のほうが勢いがあって輝いている場合が、往々にしてある。こだわって何度も何度も手直しした人の作品は、<珠玉の1作>ではあったけれど、こじんまりと纏まった感がしたものだ。
完成した作品を読み直して手を入れるって、出来る出来ないとか、いいとか悪いとかいう前に、これは書き手の個性なのかも知れない。読むほうも、誤字脱字を見つけてしまうと読む気を失う人もいれば、そんなもの気にならない、ストーリーが面白ければという人もいることだろう。
すべては若かりし頃の昔々の話になってしまったことであるけれど、それでも、(了)を打って活字となった作品しか相手にされない場所に身を置いて、そして何度もの校正を強制されるという経験はしていてよかったかなと思う。
…ということで、読み直しも終わったので、再び、①の書き直しにとりかかります。せめて、慶央に戻ってきた英卓くんが白麗ちゃんに出会うシーンまで、書き進めたい。頑張ろう!