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『十二国記(白銀の墟 玄の月』は、『ロード・オブ・ザ・リング』だった?

 小野不由美さんの『十二国記(白銀の墟 玄の月』(全4巻)。
 ついに、3巻を読み終えて、最後の4巻に入った。2月5日から読み始めたので、このぶんだと読み終えるのは3月末日となるのかな。
 前回の近況ノートにも書いたことなのだけど、前のお話をまったく憶えていなかったので、登場人物たちは、私の頭の中で全員予備知識なしのまっさら状態。それでお話の動かない1巻と2巻は、難行苦行の修行僧のような気分で読み進めていた。しかしあるところから、『十二国記(白銀の墟 玄の月』は、『ロード・オブ・ザ・リング』だと気づいて、読み進めるのが楽になった。


『ロード・オブ・ザ・リング』は邪悪の権化サウロンを倒すために、指輪を捨てに行くフロドたちと、サウロンの手下ウルク・ハイと戦うアラゴルンたちの2つのグループに分かれて、物語りは進行する。
『十二国記(白銀の墟 玄の月』も、行方不明の王・驍宗を探す李斎と、偽の王が住む宮中に単身乗り込んだ泰麒の2つのお話が同時進行する。この李斎と泰麒がそれぞれの目的を達成し再会した暁に味わえるであろうカタルシスを信じて、読者はひたすら読み進めばよい。


 せっかく宮中が出てくるので、美女も登場すればよいのにとか、もう少しファンタジー小説らしい面白さがあってもよいのにとかと、思わないでもない。しかし作者の小野不由美さんのテーマは、麒麟とは何か、王とは何か、為政とは何かに絞られているようだ。小野不由美さんの書く小野不由美さんの世界なので、それはそれでいいと、ここまで読んで思うようになった。




 宮廷が出てくるのであれば美女もとか、ファンタジー小説らしい面白さをと、人の書いた小説に文句を言ってもしようがない。それは自分の書く小説に再現すればよいこと。

…ということで、白麗シリーズの①の書き直しは、起承転結でいえば承の部分で、展開はちょっと中だるみ。②は、かどわかされていた白麗をやっと救い出したので、その後の後始末的なことを書き足せば、第1章が終わる。
 ここまで書くのに、①は8万字で4か月、②は7万字で8か月かかっている。


 正直言って、書き続けることがちょっとしんどくなってきている。
 気分転換にまったく違うテイストの短編小説を書いて、達成感を味わいたいという誘惑が、先日から頭の中でチラチラしている。困ったことだ…。


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