昨年の9月24日に『カクヨム』に登録してより、初めて、作品の1つが完結した。
『覗き見』は以前に書いていた小説だが、私は自分の書いたものを読み返すのが大嫌いなうえに、ライトノベルのファンタジーが中心の『カクヨム』では、内容があまりに地味で、場違いの感すらある。
しかし、ここ『カクヨム』で、純文学系のよい作品を書かれている人と出会ったり、私のように一時期筆を折っていて再び書き始めた人と出会ったり、また家庭や仕事と両立されながら書き続けられている人と出会ったりするうちに、『カクヨム』は読者の期待におもねる小説を書く場だけではないと思うようになった。
『覗き見』では、寂しい中年主婦の親切の裏に隠された本人すら自覚していない悪意ある好奇心と、人の死によって自分の主体性をとり戻す若い女性の社会的皮肉を、私は書いてみたかった。地味な作品ではあるけれど、自分の目論見は成功していると思う。それでいいじゃないか。
小説を書くのに、自分の目論見が成功していると思えること以上の、いったい何を期待するのだ?
『覗き見』が完結したので、次は、途中でほっぽり出している『約束の月』の完結を目指します。書き始める前に、今まで書いているのを読み直さなくちゃ……。ほんとうに私は、この作業が大嫌いで、困ったことです。
最後になってしまいましたが、『覗き見』を読み続けてくださった方、★や❤をつけてくださった方に、心から感謝いたします。
ありがとうございました。