小鳥遊　冬樹

異常な痣とともに少年ロクドは生まれた。 左の指先から手首までを、深い深い暗闇の沼に浸したような、異常な痣。それは、彼の人生を決定づける、忌まわしい呪いの印だった。 呪いに蝕まれ…

とある神が、一つの魂に交渉した。 ――キミには魔王になってもらいたいんだ。 ありきたりな悪でもなく、ただの善でもなく、純粋な悪として――世界の歯車としての魔王に。

　この世は平等ではない。 　グラスになみなみと満ちたぶどう酒を呷る者がいれば、幾度も足踏みされた泥水をすする者もいる。暖かな毛皮に身を包む者もおれば、薄っぺらな襤褸を纏う者もいる…

異世界に転生した主人公八ヶ崎翠、しかし言葉が通じなかった！？ 翠は彼の先輩であるインド先輩に以前学んだ言語学や語学の知識を駆使して、言葉を学んでいく。 この世界は戦争中で主人公は…

「あなたとまた、会えるなんて。 　そして、僕はまた、あなたに会いたい」 高校時代に苛烈な苛めを受けた少年、来栖春（くるすしゅん）は、 苛めの首謀者のひとりであった少女、南美川幸…