締切当日になんとか仕上げた。
ネタ自体は前からあったが、なんだかんだぎりぎりに。
しばらくまともに文字打ってなかったから指がもつれるなどした。
・「地獄のアトリエ」
コンテストの応募要項見て、ブレストして、割とすぐに出たネタ。
オチらしいオチが見つからなかったのが残念だが、「ゲーム」というものをかなり意識した。個人的には「おちもの系パズル」。テトリスみたいなイメージで、コンテストの趣旨とは若干ズレるが……。
次々と落ちて来る素材を、部屋を埋め尽くされる前に錬成して消化したり、整理整頓していかなければならない。アイテムの錬成には時間がかかるので、そのあいだに次の素材投下に備えてスペースをつくり……といった感じ。どうしても素材を持て余すので、いかにうまく隙間なく積んでいくか……。
ヤンデレ化した女勇者に解毒薬を飲ませる……治療薬をつくるという目的こそあるが、選択肢はほかにも多数。
・治療薬をつくって勇者に呑ませる。そのためのアイテムづくり。
・寝室を解放し地下室に逃避する。
・地下室から小人薬を回収してゴーレムで脱出。
・真面目に依頼をこなしてペトラの信用を取り戻す。
・攻撃系アイテムをつくって脱出。
などなど、クリア条件はいろいろある。が、どれかを選んで行動しなければ詰む。
そのあいだに、各種依頼であったり、モンスターとの戦闘であったり、整理整頓していくと工房が解放されて新しい設備で錬成できるアイテムが増える、という要素もある。脱出時に高価な素材を持ち出せれば、それがスコアになったり。
かなりゲーム的な目標設定が出来たんじゃないかと、個人的にお気に入りな内容。天井がなくなっているのは、プレイヤーが上から俯瞰してるイメージ。昔のRPGの画面ってだいたいそんな構図。天井って、ガチャのことではないよ。
ネタの発想的には、物置として使っていた二段ベッドの上段を片付けることになり、整理整頓に苦労した最近の経験から。ゲームみたいに簡単にアイテムを「売る」とか「捨てる」出来ない現実。フリマアプリとかで出品するにしたって、梱包とか発送とか面倒あるし、ゴミも分別したり、燃えるゴミの日、燃えないゴミの日ってあるし。数日待つ必要もある。捨てられないものをどう片付けるか……空間って資源だなと思いながら掘削していた……。
ちなみに主人公の借金は、高級ドールを買うため。ドールと遊んでメンタル回復という体力要素は書きながら出来上がった。
普段は商人ギルドに卸す回復薬などをつくって生計を立てているが、頼めばなんでもやってくれる最強勇者がいるためほとんど働いていない。
ちなみに、タイトルの元ネタであるアトリエシリーズはプレイしたことはない……。ハードを持ってないのだ。既にサ終したアプリなら、少々。
・「世界の終わりに、君を」
似たタイトルの長編があるのだが、あんまりお見せできる内容じゃない。
ともあれ……こちらは「原案」に割り切って、アトリエほどゲーム性は考えていない。強いていえば、「世界を壊す」「ヒロインをスクショに収める」といったところだが、本文はちょっと微妙になってしまった。サ終要素が強かった。サ終……そういう最近の余命宣告を受けての、やるせない気持ちから生まれたお話。
ゲーム性を考えるなら……一度ふつうにゲームをしてもらって、クリアしてもらって、その世界を自分で壊す立場になってもらう――報酬とかシステムより、プレイ体験に重きを置く感じですかね。建物を壊すたびに、そこであったイベントとか紐づいた記憶を回想してもらって、切なくなってもらう。
スクショだって結局は自分が満足できる絵が撮れるかどうかだし。
逃げる美少女を追い回すストーカーゲーにも出来るかもしれない。
まあ、そんな感じの二作。なんとか間に合ってよかった。