赤村咲

@hatarakiari
2017年9月14日に登録

恋愛
異世界ファンタジー

8月30日
『醜い神様』書籍４巻、本日発売しました！
本日、「聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました」の最終４巻が発売されました。【カクヨム書籍化作品ページ】 https://kakuyomu.jp/publication/entry/9784041152348 すべてを解決する完結巻です！書籍のあらすじにも書いていただきましたが、「無能なはずの神と代理のはずの聖女。審判の果てに辿り着く、最高の結末!!」です！！！！完結巻まで出せるのは、今のご時世なかなか簡単なことではありません。私も初めての商業作品で心を折られ、平気なつもりでけっこう落ち込んでいたようで、別人になりたくて名義を変えて書き始めたのが赤村さんでした。それから幸運にも多くの方に読んでいただき、書籍化の機会に恵まれ、こうして無事に完結させていただくことができました。上を見たらもっともっとすごい人たちがいて、自分なんてまだまだ……という気持ちにもなりますが、今はとにかく無事に最後まで出させていただけた幸福に感謝いたします。 WEBで見つけてくださった方、書店で初めて手に取ってくださった、コミカライズから興味を持ってくださった方、このお話に触れてくださったすべての方、みなさま本当にありがとうございました。どうかどうか、書籍でもエレノアと神様の迎える結末を見届けてください。そして読み終わったときに、少しでもこのお話を心に残していただけましたら幸いです。また、書籍発売に合わせて番外編を更新しております。予定していた番外編はこれにてラスト。最後までお付き合いいただけると幸いです！ちなみにコミカライズはまだまだ連載中！もちもち動く神様を、今後はぜひともコミックスでお楽しみください！！【コミカライズ】 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00204148010000_68/
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8月28日
醜い神様４巻のお知らせ
「聖女様に聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました」書籍４巻出ます！！ ――――――――――――――――――――――――――――――――― 【書籍情報】タイトル：聖女様に聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました４レーベル：角川ビーンズ文庫イラスト：春野薫久様発売日　：2024年8月30日（金） ――――――――――――――――――――――――――――――――― これにて書籍は完結となります。最後まで書いての円満完結です！うれし～！やった～～～！！無事に完結巻まで出せるのも、ここまで応援してくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございます！ WEB版の文章をめちゃくちゃめちゃくちゃ読みやすく改稿したので、どうか最終４巻もよろしくお願いします～！！また、４巻もアニメイトさんと電子書籍に特典がついています。・アニメイト限定「かくして今日も平和な一日」本編から数日後、エレノア視点のお話です。お姉様がちょっと出てきます。・電子書籍限定「おやすみ、また明日」本編直後、神様視点のお話です。お姉様の旦那さんがちょっと出てきます。よろしければ、特典もチェックしていただけると嬉しいです。さらに、書籍発売に合わせて、8月30日（金）から番外編を更新しようと思います。コミックス合わせの番外編を書いたばかりなのに、まだ番外編が出るのか……と思いますが、これで一応予定していた番外編もラストです。最後まで、ぜひともお付き合いいただけますと幸いです！いろいろと語りたいことはありますが、それは発売日後として、今回も一番下に書影を張らせていただきます。４巻通してずっと素晴らしかった春野様のイラストも見納め。完結巻らしい二人の姿を、ぜひ書籍で手に取ってみてください！！ちなみに醜い神様はコミックス２巻も発売中！コミカライズはこの先も続くので、まだまだエレノアたちにお付き合いくださいませ～～～！！
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8月16日
醜い神様コミックス２巻　本日発売！
「聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました」のコミックス２巻、本日発売です。リディアーヌとのあれこれや穢れに最初に襲われるシーンなど、とても素敵に漫画にしていただきました。アクションシーンも緊迫感があって素晴らしいので、お手に取っていただけると嬉しいです！紙書籍は、アニメイトさんとメロンブックスさんでそれぞれ特典イラストがついてきます。アニメイトさんはエレノアと神様、メロンブックスさんはリディアーヌとアドラシオンです！リディアーヌとアドラシオンのセット、見れると思っていなかったので嬉しい……。特典情報等はツイッターで確認できますので、ぜひぜひチェックしてください。【FLOS COMIC公式ツイッター】 https://twitter.com/FlosComic/status/1824319887407452204 また、コミックス発売に合わせて今回も番外編も更新してます。今回はまだ神様がぷるぷるの時期の話。とにかくわちゃわちゃした感じのお話になります。気楽に読んでいただけると嬉しいです～～～！！最後に、コミカライズ連載ページへリンクを張ります。次回更新は8/26だそうなので、こちらもよろしくお願いします！【ComicWalker】 https://comic-walker.com/detail/KC_001738_S/episodes/KC_0017380001100011_E?episodeType=latest
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2023年12月14日
醜い神様コミックス１巻　本日発売！
本日、「聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました」のコミックス１巻が発売されました。漫画家の泉二羽先生がとっっっても楽しい漫画にしてくださっているので、ぜひお手に取ってみてください～！！紙書籍は、メロンブックス／アニメイト／TSUTAYAでそれぞれ特典イラストがついてきます。書籍と特典の情報がまとまったツイートのリンクを張りますので、こちらもチェックしてみてください。【FLOS COMIC公式ツイッター】 https://twitter.com/FlosComic/status/1733050087457341486 また、コミックス発売に合わせて番外編も更新してます。久々に本編後、わちゃ～っとした新居についてのお話です。楽しんでいただけますように！最後に、いつも通りコミカライズ連載ページへリンクを張ります。コミックスの続きをこちらで追いかけていただけると幸いです！【ComicWalker】 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00204148010000_68/
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2023年11月19日
醜い神様　お知らせいろいろ
番外編更新！お久しぶりですー！　宣伝に来ました！（直球）醜い神様関連でお知らせがいくつかあるので、よろしければ番外編ついでに見てくださると嬉しいです。 ――――――――――――――――――――――――――― ①ビーンズ文庫様２２周年記念フェアビーンズ文庫は今年で２２周年！ということで、醜い神様もフェアに参加させていただいております。今年もサイン本を書きました……！　心を込めて書いたので、フェアのポイントを集めて応募していただけると嬉しいです。詳細は以下のサイトでご確認ください。【角川ビーンズ文庫21周年フェア特設サイト】 https://promo.kadokawa.co.jp/beans/22nd/ ――――――――――――――――――――――――――― ②醜い神様のアクリルパネルが！　出る！こちらもビーンズ文庫様の２２周年記念フェアの一環なのですが、なんと醜い神様のグッズを作っていただけることになりました！アクリルパネルと、トレーディングのグッズに混ぜていただいたのが２種あります。受注生産で予約必須とのことですので、もし欲しい！という方がいらっしゃいましたら、ぜひ予約してみてくださいー！【角川ビーンズ文庫21周年フェア特設サイト　のグッズ案内ページ】 https://promo.kadokawa.co.jp/beans/22nd/goods.html ちなみに予約の期限は11/22までらしいです……。番外編の更新に合わせて宣伝しようと思ったらこんな時間になっていました……（陳謝）。 ――――――――――――――――――――――――――― ③次にくるライトノベル大賞2023 キミラノというサイトで行われている『次にくるライトノベル大賞』に、拙作がノミネートされております。読者投票で大賞を決めるイベントでして、よろしければ投票いただけると嬉しいです～！【次にくるライトノベル大賞】 https://tsugirano.jp/ ――――――――――――――――――――――――――― 番外編の続きは、できれば三日以内に更新したいです……！コミカライズの方もよろしくお願いします～！ちょうど神様がぷるぷるになって、エレノアにめちゃめちゃ揉まれているところです。よく跳ねて揺れて動く可愛い神様をぜひ！ ●ComicWalke https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00204148010000_68/
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2023年8月11日
なろうさんでの名義とツイッター
こんにちは。数年来動いていなかったなろうさんを動かして、ついにカクヨムさんでの名義と合わせました。なろうさんにはこちらにはないお話もあるので、もし興味がありましたら覗いてみていただけると嬉しいです。 ●小説家になろう https://mypage.syosetu.com/223037/ （なろうでは『はいあか』で書いています）また、ツイッターのリンクも繋げました。なんか宣伝とかいろいろがんばろう！　と思っているので、こちらもよければチラ見してみてください。 ●ツイッター https://twitter.com/haiakari ちなみに全然別件なのですが、今日はコミカライズ２話の更新日です。怯えるかわいい神様がたくさんいる第２話も、ぜひよろしくお願いします～～～！！ ●ComicWalke https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00204148010000_68/ ●ニコニコ静画 https://seiga.nicovideo.jp/comic/64120?track=verticalwatch_epinfo1
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2023年8月1日
聖女様３巻　本日発売です！
本日、「聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました」の3巻が発売されました。あ、あと１巻出せれば完結させられる……！ということで、ぜひお手に取っていただきたいです！よろしくお願いします～～～～！あと、特典についてすっかり失念していたので、遅まきながら特典情報のお知らせです。今回も電子書籍とアニメイトでの購入で特典が付いてきます。・電子書籍限定「ぎくしゃく神様」人型になった神様とエレノアのぎくしゃくした日常を書いています。本編は事件続きだったのであまり書けなかったシーン。こちらは神様視点です。・アニメイト限定「ぎくしゃくエレノア」人型になった神様とエレノアのぎくしゃくした日常を書いています。こちらはエレノア視点です。エレノアが神様の見た目についてどう思っているかのお話です。よろしければ、特典も楽しんでいただけますと幸いです！
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2023年7月28日
書籍３巻のお知らせ＋コミカライズやったー！
おひ……おひ……お久しぶりです……（約8か月ぶり）。長らく浮上していませんでしたが、書籍３巻のお知らせのために戻ってきました。書籍３巻、発売されます！　やったー！書籍情報は以下の通りです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 【書籍情報】タイトル：聖女様に聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました３レーベル：角川ビーンズ文庫イラスト：春野薫久様発売日　：2023年8月1日（火） ――――――――――――――――――――――――――――――――― ３巻はWEB版の５章と６章にあたる部分になります。２巻とは逆に、こちらはWEB版から半分ほどの長さになっています。 WEB版はWEB版で個人的に大好きなのですが、５章の特にレナルドが主人公を食ってしまっているところをゴリっと書き換え、エレノアがちゃんと主人公になるようリメイクしています。あと６章ラスト手前の神様とのシーンを少々変えていて、そこが個人的にお気に入りなので、ぜひ読んでたしかめていただきたいです～！３巻の書影も下に貼ってあります。見てね！そしてもう一つ、本日コミカライズの連載が開始しました！　やったー！実は１巻の帯から「コミカライズ企画進行中！」の文字があり、同じ文字が３巻にまであるという事態に闇堕ちしかけていたのですが、無事に光の者として告知できて嬉しいです（安堵……）。作画は「泉二羽」先生です。コロコロ変わる表情がすごくかわいいコミカライズのエレノアを、ぜひ楽しんでください！【ComicWalker】 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00204148010000_68/ あとは番外編を更新したり新作を公開したりもしているので、そちらも覗いていただけると嬉しいです。
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2022年11月25日
【完結！】聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました
か、か、か、完結した～～～～～～！！！５５万文字！　今までの人生で最長のお話でした！！連載期間はおよそ２年半ほど。ここまで長い付き合いのお話もまた初めてでした。これだけ長いお話を書き切ることができたのは、なにもかも読んでくださる皆様がいてくれたからです。アルファポリス掲載時から応援してくださった皆様、カクヨムで見つけてくださった皆様、もしかして書籍から来てくださった皆様、本当に本当にありがとうございます！！正直、途中で何度かめげそうになったこともあったのですが、踏ん張れたのはコメントやレビュー、ハートなどがあったからです。PV１つでも、この作品に触れていただけたことが嬉しい……ありがとうございます……。完結までは、あとがきにはあれを書いてこれを書いて……と思っていたのですが、書きあがるとなにも浮かばなくなりますね……。やりきった！ということだと思います。たぶん残していた疑惑も消化した……はず……。以前の近況ノートで書いていた番外編は、明日あたりに更新しようと思います。この番外編、『やばいこのままだと１０月中に完結する……なにか書籍発売日に更新できる話を用意しなきゃ……！』と思って書いたものなのですが、ほぼ毎日更新していたのにもう１１月下旬になってる……不思議…………エピローグ１０話くらいとか言っていたのに倍以上になってる……不思議だなあ…………。今後は、さすがにちょっとエネルギーを使い切ってしまったので、しばらくは本を読んだりして充電して過ごそうと思います。来年あたりにまた新作を書いて投稿ができればなあと考えております。もしも新作を投稿したら、また覗いてみていただけると嬉しいです！そして最後にやっぱり宣伝します！『聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました』1~2巻、角川ビーンズ文庫様より発売中です！書き下ろしいっぱい番外編もあるイラストの素敵な書籍版を、どうぞよろしくお願いします！
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2022年11月3日
聖女様～エピローグ５話マリソフィ②（その後）
エピローグ５話マリソフィ②（その後）没ではないのですが入れるタイミングがなかったので。エレノアが蹴り出したあとの二人。 ―――――――――――――――――――――――― 「――――おや、聖女殿。私になにか用かな」　おずおずと近づいてきた少女に、蔓薔薇の神フォッセが名の通り薔薇のように華やかな顏をほころばせる。緊張に強張る少女は、その笑みにさらに体を固くしながら、真っ赤な顔で挨拶の言葉を絞り出していた。　そんな姿を横目に、トゥールは少女とともにやってきたもう一人。選んだ覚えのない聖女に目を向ける。　勝手に聖女を名乗り、勝手に部屋に上がり込んで掃除をし、今はその図々しさの欠片もないほど緊張した偽聖女。小狡いようで存外律儀、意地が悪いようでその実正義漢、保身に走りながらも思いがけず無茶をする。どうにも放っておけない聖女未満の彼女を前に、トゥールは待ちわびたように口端を持ち上げた。「やーっと話をする気になったか、お前」　トゥールが言えば、彼女は緊張しながらも、顔を上げて気丈な目を向けてくる。　さて、『未満』はいつか取れるだろうか。気の強い少女の視線を受け止め、人好きの神は期待を込めて目を細めた。 ―――――――――――――――――――――――― 二人の話はここがはじまり。
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2022年11月1日
聖女様２巻　本日書籍発売！
本日、「聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました」の2巻が発売されました。大幅な加筆・改稿に番外編といろいろ書きました、ので！　ストレートに！ぜひともご購入して！　読んでみてください～～！！話の大筋は変わりませんが、かなりガラッと変わっているかと思います！今日が発売日ということで、なんだか１巻の時以上にそわそわと落ち着きませんでした。どうか２巻も楽しんでいただけますように！
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2022年10月29日
聖女様エピローグ更新開始＆書籍特典のお知らせ
本日からエピローグの更新をはじめます。まだへろへろ更新ですが、二日に一度は更新できるようにがんばります。たぶん全部で１０話くらい。最後までどうぞよろしくお願いします！そして１０月中の完結は難しいようです（敗北）ネタバレなんですが発売日に作品をフォローしていると送信されるカクヨムからのメールに、「このメールを受け取るころにはこのお話は完結していることでしょう……」みたいなこと書いてしまったのですが、無理とわかってしまった現在とても恥ずかしいです。受け取ったら笑って流していただけますと幸いです……。また、書籍の特典情報のお知らせです。アニメイトさんか電子書籍で購入した場合、書き下ろしの番外編が付いてきます。今回はどちらもエレノアとリディアーヌの友人関係について書いたお話になります。・電子書籍限定「リディアーヌの友達」リディアーヌ視点で、リディアーヌにとってエレノアがどんな存在なのかを書いています。やや軽くて明るいお話です。・アニメイト限定「エレノアの友達」エレノア視点で、エレノアにとってリディアーヌがどんな存在なのかを書いています。やや重たいお話かもしれません。どちらも本編を補完する番外編となっておりますので、興味がありましたら特典付を選んでみてください！
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2022年10月22日
７章完結＆書籍２巻のお知らせ＆他いろいろ
お、おわ……７章が終わった…………！やっとここまできました……これにて７章完結です……！ああああどうか楽しんでいただけていますように！書いている最中は言いたいことがいっぱいあったのですが、書き終わった今はもう「やりきった……！」という気持ちしかありません。あとはひたすら、一人でも多くの方に楽しんでいただけることを祈ります。これで残りは、ちょっと長め（～１０話くらい）のエピローグのみとなります。ただ、まだエピローグはまっしろなので、更新再開は来週あたりになるかと思います。なんとか１０月中には書き上げたいので、がんばります。あと少しですので、ぜひとも最後までお付き合いいただけますと幸いです！そしてタイトルにある通り、書籍２巻が発売されます！やったー！　うれしー！これもすべて、本作を購入してくださった皆様のおかげです！　ありがとうございます！！ ――――――――――――――――――――――――――――――――― 【書籍情報】タイトル：聖女様に聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました２レーベル：角川ビーンズ文庫イラスト：春野薫久様発売日　：2022年11月1日（火） ――――――――――――――――――――――――――――――――― ２巻はWEB版の４章にあたる部分になります。４章は書籍にするには短いのですが、どうしてもどうしても４章ラストの展開を書籍のラストに持っていきたくて、倍ぐらいに加筆して一冊の本にしています。この加筆が、ほんっっっとうに大変でした……。ちゃんと意味のある楽しい展開にしたく、だけど先の展開は変えたくなくて、自然に話がつながるように頭をひねりにひねりました。締め切り若干アウトになっても編集さんに頼み込んで時間をもらって、納得いくまで修正を加えたので、本としては良いものができたと思っています。なので、いつもは「お手に取っていただけると嬉しいです」という感じでお願いするのですが、今回は直球で行きます。買ってください！　読んでください！せっかく頑張ったので、どう変わったのかを見てやってください！！！ちなみに１巻も発売中ですので、そちらもよろしくお願いします！（どさくさ宣伝）また、タイトルにもう一つある「その他いろいろ」のお知らせです。 ①ビーンズ文庫様２１周年記念フェアビーンズ文庫は今年で２１周年！ということで、１０月～１２月に刊行される作品を対象にフェアが行われています。１０月～１２月に刊行された作品を購入するとポイントがたまり、豪華プレゼントの抽選に応募できるそうです。拙作もポイントの対象なので、ぜひポイントの糧にしてください！詳細は以下のサイトでご確認ください。【角川ビーンズ文庫21周年フェア特設サイト】 https://promo.kadokawa.co.jp/beans/21st/ なんか……プレゼントの中に拙作のサイン本もあるのですが……。誰も応募してこなかったらとても悲しい気持ちになるので、もしポイントが余っていたら応募してみてください。はじめてのサインですので、心を込めて丁寧に書かせていただきます！また、書店に行くだけでたまるマイルというもので、ヒーローの秘密付き画像というものが交換できます。神様によるちょっとしたエレノアの奇行の暴露があるので、こちらもよければ見てやってください。なお、この２１周年記念フェアに参加するには、KADOKAWAアプリに登録する必要があります。ちょっとお手間がかかりますが、よろしくお願いします～！ ②「おれラノ」による朗読ニコニコで放送している『伊東健人の「俺がMCすることになった番組、ラノベにMVつけるとか言ってるんだが！？」』通称「おれラノ」の8月23日放送にて、拙作のワンシーン（×２）が朗読されました。（大遅刻宣伝）無料パートでワンシーン、有料パートでワンシーンの朗読だそうで、アーカイブで今でも視聴できるので、無料パートのみでもぜひ聞いてみてください～！【伊東健人の「おれラノ」第10回放送　無料パート】 https://www.nicovideo.jp/watch/so40940930 ③発売日にカクヨムから送信されるメーリスに番外編を載せました作品をフォローしていると、発売日付近にカクヨムからメーリスが届くそうです。メーリス用に書き下ろした番外編がありますので、興味がある方は発売日までに拙作をフォローしてみてください！また、メーリス用の番外編と対になる番外編を、本編完結後に掲載予定です。番外編のタイトルは以下となります。メーリス：「コーヒーゼリーとエレノア」※神様視点 web掲載：「コーヒーゼリーと神様」　　※エレノア視点内容はタイトルからお察しの通りです。よろしければ両方読んでいただけると嬉しいです。 ④最後に表紙！最後に、春野様に描いていただいた表紙を張っておきます。表紙もとても素敵ですが、特に挿絵のほうは「ここは絶対にほしい！」と思ったところに素晴らしいイラストを描いていただけました。なので、ぜひ！　読んで確かめてみてください～～～～！！！
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2022年10月14日
７章更新再開（陳謝）
嘘つき………… 不定期更新だって言ったのに、嘘つき！！！！！自己嫌悪！！！！ごめんなさい！！！！！長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ありません……。いろいろと落ち着いたので、また更新を再開していこうと思います。お知らせしたいことがいっぱいあるのですが、すべては７章が完結してからで！まだ本調子ではないのでへろへろ更新になるかと思いますが、またお付き合いいただけますと幸いです。
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2022年5月31日
聖女様～７章（後）　更新再開（ひとまず）
よし！ちゃんと5月中に更新できたな！（5月半ばと書いたことから目を逸らし）いつもいつも予定を過ぎてしまって申し訳ないです。さらに言うと、実はまだリアルの予定が詰まっていて、しばらく更新頻度が安定しなさそうです。ひとまず、次にエレノア視点に戻る25話までは休まず更新していきます。そこから先はまた不定期になってしまいますが、ご容赦いただけますと幸いです……！ここからしばらくの今回の更新はいろいろと言いたいことがあるのですが、すべては7章が完結するときに！あまり長くお待たせしないようにがんばります。どうか続きも楽しんでいただけますように！！！！
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2022年4月6日
聖女様～７章（後）次回更新は5月になります
うわ～～～～～ん！終わらなかった！ 4月はちょっと予定があるので、区切りのよい今回の更新で一度更新をお休みさせていただきます。章半ばで止まってしまい申し訳ないです……。休まず完結まで走りたかった……しおしお……。次は5月半ばあたりから更新予定です。よろしければ、来月にまたお付き合いいただけますと幸いです。
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2022年3月8日
７章（後）更新開始＋ちょっとネタバレ＋７章（後）１話没
７章（後）更新開始しました。土日の書き溜めは……できませんでした……（敗北）これからもギリギリの更新となりますが、どうぞお付き合いいただけますと幸いです……！そして以下、今後の展開についてのちょっとネタバレです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今日の更新で、大きな苦境は終わりです。次の更新からは若干の山谷はありますが、浮上していく予定です。もし読み控えている方がいらっしゃったら、次あたりから読んでみてくださると幸いです！ただ、まだ山谷はあるので、完全浮上を待ちたいという方は、あと３話後くらいまで待った方が良いかもしれません。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 最後に没供養です。７章（後）１話 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「さあ――――裁判を始めましょう、ノアちゃん？」　法廷に、凛としたアマルダの声が響き渡る。　周囲では兵たちが、私を警戒するように剣に手をかけていた。　なにか怪しい動きをすれば、すぐにでも剣を抜くということなのだろう。　四方から向けられる冷たい視線に、私はよろめくように足を引いた。　一歩下がる私に、ヨランはついてこない。　私の支えから離れ、痛むはずの足で呆然と立ち尽くしている。　なにか言いたげに口を開いているけれど、出てくるのは喘ぐような呼吸だけだ。　表情を歪ませ、苦しげにアマルダを見つめるヨランを――だけど今は、気にしてはいられない。　さらに一歩足を引いた途端、兵たちが一斉に剣を抜く。　――嘘でしょう……。　抜き身の剣に息を呑む。　これ以上動けば、即座に切り捨てるということなのだろう。　私を見据える目は容赦がなく、冗談ではないと肌で理解できてしまう。　――逃げられない……！　周囲の兵は、ざっと見積もっても十人以上。　全員が剣を握り、私の動きを窺っている。　入ってきた大扉は背後。すでに固く閉ざされたその扉は、そう遠くにあるわけではない。　走ればすぐにたどり着ける距離だけど――そんなことをすれば、周囲の兵たちが黙っているはずがなかった。　ちらりと後ろに目をやれば、扉と私の間に立つ数人の兵が見える。　剣を振るえば届く距離。私が扉へたどり着くよりも、彼らの剣が落ちてくる方が早い。　――他に……逃げ場は……。　必死に法廷を見回すけれど、救いになりそうなものは見つからない。　他の扉は遠く、その手前には兵たちが立ちふさがっている。　私を囲う兵たちに隙はなく、逃げ込めそうな場所もなかった。　――どうしよう……どうすれば……。　焦燥感に、私は震える唇を噛む。　裁判を受けるわけにはいかなかった。どうせ受けたところで、まっとうに反論させてくれるはずがない。私の言葉は聞いてもらえず、アマルダたちの望む結論が出るだけだ。　そうなれば、あとはどうなるかわからない。　不当な裁判だ――といくら私が言ったところで、これは神前、それも最高神グランヴェリテ様の前での裁判だ。　神の名のもとに行われる裁判は、国だって無下にすることはできない。　相手がグランヴェリテ様とあれば、覆せる人間はいないだろう。　――グランヴェリテ様……！　焦る頭で、私は縋るようにグランヴェリテ様の威容を見上げる。　たしかにグランヴェリテ様は、ほとんど人とかかわりを持たない神だ。　言葉を与えることはなく、国を守りはすれども力を貸すこともなく、アマルダが現われるまでは、聖女を選んだことすらない。　でも、この状況だ。　グランヴェリテ様がいるからこその裁判なのだ。　彼が一言でも否定してくれれば、こんなことにはならなかったはずなのに。　――グランヴェリテ様は、どうしてなにも言ってくださらないの……！？　グランヴェリテ様は振り向きもしない。　アマルダを見つめたまま、ぎこちなく微笑むだけだ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― グランヴェリテへのエレノアの疑惑を書くかどうかで迷いました。まあでも話に影響が薄いのでカットで……。
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2022年3月5日
【追記】聖女様～７章（後）更新予定について
これにて７章（中）が終わりです。７章（後）は土日に書きためをして、月曜日から更新開始予定です。 →（3/7追記）早々に間に合いませんでしたー！ごめんなさい！火曜目標でがんばります……！次の７章（後）とエピローグでほんとにほんとに本編が終わりです。長らく苦しい思いをさせてしまいましたが、もうひと踏ん張りだけ苦しんでいただければ、あとは浮上するだけのはずです！ラストまであともう少し。どうぞ最後までお付き合いいただけますと幸いです！！また、カクヨムさんのトップバナーに書籍の広告が出ています。今のうちだけなので、こちらもぜひぜひ見てみてください！
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2022年3月1日
聖女様　本日書籍発売されました！
本日、「聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました」の書籍が発売されました。改稿もがんばりましたが、なにより春野様のイラストがとても素敵ですので、ぜひぜひお手に取ってみていただけると嬉しいです！発売日ということで、今日は一日緊張でそわそわそわそわ落ち着きませんでした。どうか一人でも多くの方に楽しんでいただけますように……！
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2022年2月25日
書籍特典のお知らせ
書籍の特典情報が出たのでお知らせです。アニメイトさんか電子書籍で購入した場合、ちょっとした番外編が付いてきます！・アニメイト限定「聖女就任一か月を祝して」聖女就任一か月をお祝いするお話です。・電子書籍限定「犬と神様」神様と犬がいちゃいちゃするお話です。ご興味がありましたら、ぜひぜひよろしくお願いします～。
2022年2月20日
カクヨムサポーターについて
カクヨムサポーターについて、現在、サポートしてくださってもお返しできるものがないため受付停止しております。さっそくサポートしてくださったbossmakiさん、本当にありがとうございます。とても嬉しいです！お返しがなにもなくて申し訳ありません。せめてめいっぱいの感謝の気持ちを送ります！
2022年2月20日
７章（中）更新開始＆書籍化の報告
お、おひ……おひさし………………。うううううごめんなさーーーーーい！！！！またしても無言で失踪しておりました！実に三か月ぶりの更新です……！久しぶりの更新で苦境のままなのも申し訳ないので、ひとまず変化の芽が出るところまで一気に更新してあります。というかせめてここまで書かなきゃ更新できない……って思っていたらこんなに間が開いてしまいました。ここから完結までは、今度こそ止まらず更新し続けたいです……！（三か月ぶりn度目の決意）そしてタイトルにある通り、書籍化のご報告です。このたび、『聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました』が書籍化することになりました。角川ビーンズ文庫様より、３月１日に発売いたします！これもひとえに、これまで連載を追ってくださっていた皆様のおかげです。アルファポリスからついて来てくださった皆様、カクヨムで見つけてくださった皆様、本当にありがとうございます。こんな不安定な更新でも見捨てずにいてくださった皆様がいたからこそ、ここまで書き続けることができました。読み続けてくださる皆様には感謝してもしきれません……！ WEB版はもう完結が見えておりますので、ぜひとも最後までお付き合いくださると幸いです。そしてWEB版を楽しんでいただけましたなら、書籍版もなにとぞよろしくお願いします！ ――――――――――――――――――――――――――――――――― 【書籍情報】タイトル：聖女様に聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられましたレーベル：角川ビーンズ文庫イラスト：春野薫久様発売日　：2022年3月1日（火） ――――――――――――――――――――――――――――――――― 書影もすでに出ております！実物もとってもきれいなので、書店などでお見かけの際は手に取ってみてください！書籍化の範囲は、WEB版の１章～３章までです。特典情報などは、またのちほど告知いたします。また、作品をフォローしていると、書籍化の際にカクヨムからメールが送られてくるそうです。このメールにちょっとした番外編を載せているので、興味がある方で拙作をフォローしていない方は、発売日までにフォローしてくださると幸いです。いやあ……書籍化作業しながら更新する人って超人だったんですね……。作業に追われてツングースカのシナリオもまだ読めていません。コヤンとの決着はいったいどうなったんだ……。
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2021年10月30日
聖女様～７章開始
次は１０月上旬あたりから更新再開を予定しています（キリッ）キリッごめんなさい…………。 7章はちょい長めなので、前中後編に分けました。無理なく更新がんばります。見捨てずお付き合いいただけると幸いです。
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2021年9月7日
聖女様～６章あとがきと７章更新予定について
これにて６章完結です。私は「非情な人外が平凡な女の子によって人外の常識を打ち砕かれる展開」が大好きです（自己紹介）。６章、ガッツリ重くて申し訳なかったです。頭の中ではもっとカジュアルに投獄→絶望させられるはずだったのですが、力不足でした……。それでも更新を追いかけて読み続けてくださったみなさま、本当にありがとうございます。おかげさまでどうにか書き続けることができました……！とにもかくにも、これで残りは７章とエピローグだけです。今回もちょっと頭を休ませて、書きためを作ってをしたいので、次は１０月上旬あたりから更新再開を予定しています。もうあとちょっとですが、この先もお付き合いいただけると幸いです。たぶん年内には完結するはず！
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2021年8月31日
聖女様～６章３０話没
６章３０話神様視点（没）推敲してないので粗々です。 ―――――――――――――――――――――――― 　涙が頬を伝い落ちるほどに、凍てつく神の気配が遠のいていく。　張り詰めた空気は薄れ、静かで、穏やかな夜が戻ってくる。　顔を上げれば、真正面で顔をしかめるエレノアがいる。　怒ったように眉根を寄せ、唇を噛み、彼の中の『神様』を睨みつけている。　その栗色の目が、泣き濡れる彼を映して瞬き――。　それから。「――――こ」　それから、彼女はくしゃりと、その表情を歪めた。　それこそ、泣き顔のように。「怖かったぁあ…………！！」　緊張が抜けたのだろう。彼女は溶けるかのように、ベッドの上にずるずると座り込む。　だけど細い手は、彼の濡れた頬に触れたまま。　たしかめるように摘まんでは、ぐにぐにと動かしてみせる。「本当に本当に神様？　いつもの神様ですよね？」「え、ええ。はい」　頬を弄ばれながらも遠慮がちに頷けば、エレノアが心底安心したように「良かったあ……」と声を漏らす。　力が抜けきり、顔も上げられない様子でうつむくその姿に、彼は小さく息を呑んだ。　頬に触れる手が、思い出したように震えている。　うつむいた拍子に垂れ落ちた髪の影で、きつく唇を噛んでいる。　漏れ出す声を抑えるように、呼吸を止めて堪える彼女の頬を、こらえきれない涙が伝う。　――…………ああ。　本当に、彼女は普通の少女なのだ。　本来ならば神に歯向かえるはずもない。圧倒的な力の差に怯える、ごく当たり前の、小さな人間。　それでも彼女は、『神様』のために恐怖を呑んでくれたのだ。　震える少女の指先を、どう受け止めればいいのだろう。　神に触れるにはあまりにも無遠慮で、だけど不遜とは思えない。冷たい夜の下で、彼女の指の熱がやけに鮮明に感じられる。「…………エレノアさん」　知らず、彼は少女の名前を呼んでいた。　続く言葉は、彼自身にもわからない。　謝罪とも懺悔とも、きっと違う。胸を突く感情に追われるように、彼は口を開き――。「エレノアさん、私は――」「――――というかですね！」　なにか言うよりも先に、エレノア自身に遮られた。　力んだ指先が、勢い余ったように彼の頬を横に伸ばす。　少し痛い。「極端なんですよ、神様は！　私のことを心配してくださったのはわかりますけど！！」「…………はい？」「なにがあったか知りませんけど、そこまでしなくていいと言いますか！　そりゃ私だって助かりたいですけど！　そもそも、助けようって言ってくださる相手に言うのもなんですけど……！！」　力加減がわからないように、ぎちっと彼の顔を押さえ込んだまま、エレノアが顔を上げる。　弱気な涙の跡はもう見えない。震える恐怖を怒りに変え、きつく睨んでくるエレノアに、彼はかける言葉を失ってしまった。　たじろぐ彼を、恨むような栗色の目が見据える。「もっと、普通でいいんですよ！　そんなに思い詰めなくたって、普通に励ましたり、慰めたりしてくだされば、それだけで！！」　八つ当たりめいた言葉を、不快には感じない。　叱るような声はどこか懐かしい。　知らず、彼は見上げるようにエレノアを見つめていた。　あの小さな部屋で、かつて地を這っていた頃のように。「それだけで、私は嬉しいんですから……！！」　暗闇を照らす光を見るように、彼はエレノアを見つめて目を細めた。　神を畏れ、不安に怯え、一人で泣いていた少女は――ありふれた人間の少女は、弱くて、どこまでも強い。　まぶしいくらいに。「……すみません。かえって、ご心配をおかけしてしまいましたね」「本当に！」　遠慮のないエレノアの返事に、彼は苦笑してしまう。　ふにゃりと緩んだ彼の笑みを見て、だけどエレノアはますます眉をひそめた。「本当に――どうされたんですか。いきなり雰囲気も怖くて、国を壊すなんて言い出して。そのうえ、『人の心を得てしまった』――なんて」　そこで一度言葉を切り、エレノアは息を吐いた。　眉間のしわは変わらず。いぶかしさを含んだ視線に、彼はぎくりとする。　体を強張らせる彼をじっとりと見やり、彼女が告げるのは――。「…………最初からずっと、神様って人間らしかったじゃないですか」　思いがけない言葉だ。　真正面から顔を突き合わせ、彼は少しの間瞬きを繰り返す。「私が……？」　そう――だっただろうか。　思い返しても、彼に心当たりはない。　地を這う姿は人間離れしていたし、人間の形を得てからは、いっそ人間への嫌悪感が増していたはずだ。　――いや。　そこまで考えてから、彼は内心で否定する。　それから、自分を見据える胡乱な目に、ふっとため息のような笑みを漏らした。「エレノアさんがいたからですよ」　きっと、彼女の目に映る彼は、彼自身が思うよりもずっと人間らしかったのだろう。　それは少し気恥ずかしくて、情けなく――同時に、妙に胸を騒がせる。　それこそ、人間のように。「……神様？」「普通。……普通に、慰められたいとおっしゃいましたね？」　雰囲気の変化を、敏感に察したのだろう。　思わず、という様子で離れようとするエレノアの手を片手で掴み、彼は目を細める。　胸を突く感情を表す言葉は知らない。　ただ衝動に追われるように、彼は膝をついたまま、少しだけ背を伸ばした。　うつむくエレノアとは、ほんのわずかな距離しかない。　そのまま彼は、体を引く間も顔を逸らす間も与えず、もう一方の手をエレノアの頬に当て――。　ほんの一瞬、影を重ねる。　つらさも不安も奪い取るように額に唇を当ててから、彼は小さく吐息を漏らした。「エレノアさん」　離れても、まだ近すぎる距離。　目の前にあるのは、目を見開いたまま凍り付く少女の顔だ。　その顔が見る間に赤くなるのを、彼はどこかくすぐったい気持ちで見つめていた。「きっと守って差し上げます。――あなたも、あなたの大切なものも、すべて」　夜が明けるまではもう少し。　声を殺した泣き声も今はなく、静寂を取り戻した夜の闇。　遠く、かすかに足音が聞こえることに彼は気が付いていた。 ―――――――――――――――――――――――― 最後の最後までどっち視点にするか悩んで、結局主人公視点を採用。どっちが良かったんだろうなあ……。
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2021年8月15日
聖女様～６章１７話没
６章１７話（没） ―――――――――――――――――――――――― 　記憶も姿も失われて久しい。　彼の人間への関心はとっくに失われていた。　人間への期待もない。　醜さへの嫌悪もない。　暗い部屋でうごめく彼に、石を投げ、罵声を浴びせる人間たちへの怒りすらもない。　ただ、哀れみのみがあった。　清らかな人間は存在しなかった。　どれほど清廉とうたわれる人間も穢れを隠し持ち、彼を見て悲鳴を上げた。　あるいは、まだ人の形を保っていたころは、親切にしてくれた人間もいたのかもしれない。　だけど彼の姿が失われたときには、そんな人間も消えていた。　長い間彼とともにあったのは、彼を捨てた人間たちが生み出す無数の呪詛だけだ。　人が人を疎む声。　他人を羨み、憎む声。　自分ばかりを愛し、他のすべてを呪う声。　その身勝手な声にさえ、かつての彼は哀れみを抱いていた。　――いや。　哀れみしか、抱いていないはずだったのだ。　――気持ち悪い。　そう思うようになったのは、いつからだろう。　人間の穢れを疎み、身の内の穢れを恨み、拭い去りたいと思うようになったのは、なぜだろう。　――気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。　心の底から、止まない嫌悪の声がする。　穢れなど捨ててしまえと、彼自身が急かしている。　重すぎる穢れは、神の在り方さえ変えてしまう。　すでに限界を超えた今、悪神に堕ちる前に穢れを手離すのが正しい選択なのだろう。　――わかっている。　今の彼は間違っている。　エレノアと日々を過ごすほどに、気持ち悪さは増していく。　彼女の存在は、嫌悪と呼ぶほかにない。　彼女へ抱いた感情は、神（かれ）の過ちそのものだった。 ―――――――――――――――――――――――― １７話の冒頭に入れるつもりだったけど、ふわっふわの曖昧な文章になってしまったので没。神様の内心、矛盾抱えまくってるから書くのすごく難しい……。
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2021年7月31日
聖女様～６章開始
ギリギリ……。滑り込みでどうにか7月中に6章を開始しました。 7月はFGOやってFGO6章の感想と考察を漁っていたら終わってましたね……面白かった……トネリコ……。おかげさまで書きためが全然ないので、この先もギリギリで更新していくかことになりますが、お付き合いいただけましたなら幸いです。ちなみにこの章、かなりキツイ展開が多いと思います（小声）。 5章よりも浮上が少ないと思うので、苦手な方は章の終わりまで待ってからの一気読みをおすすめします。
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2021年7月2日
聖女様～５章（後）あとがきと６章更新予定について
ネロ祭がはじまってしまった……（スマホゲームの話） fgoのネロ祭がはじまってしまいました。景品が景品なので、時間の許す限り走りたいんです……。そして7月半ばにはfgoの6章後半も来るのです……。そもそも6章前半をまだクリアしていない……。そういうわけで、聖女様～の次章は7月下旬を目安に考えています。 fgoのクリア状況と書きため次第ですが、最低でも7月中には戻って来れるようにしたいと思います。聖女様の方は、残り６章・７章・エピローグとなる予定です。ここから神様視点が増えるかなあと思います。とにかく完結目指して、今はネロ祭を走ります！５章（後）のあとがき書きます！む、難しかった～～～～～！！！どうしてここで手が止まったのか、よーくわかる難しさでした。エレノアを悩ませすぎたな～とか、レナルドメインに据えすぎたな～とか反省点はいろいろあるのですが、とにかく書き切れてよかったです。あと残り２章＋エピローグ。この先もお付き合いいただけますと幸いです。
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2021年6月10日
聖女様～　登場人物一覧（しっかりネタバレ）
聖女様～の登場人物一覧です。５章途中で入れるのもなんだかな……と思いつつ、５章からの登場人物もいるので５章頭に入れるのもしっくり来ず……。というわけで、ひとまず近況ノートに置いておきます。５章が無事に終わったら、５章ラストに移動しようと思っています。５章手前くらいまでのネタバレがあるのでご注意ください。以下、登場人物一覧。 ―――――――――――――――――――――――――― 【人間】〇エレノア・クラディール主人公。十七歳（一か月足らずで十八歳）。クラディール伯爵家の次女。聖女を目指していたが、魔力不足で挫折。幼馴染のアマルダから『無能神』と呼ばれる醜い神様との結婚を押し付けられる。陽気で強気で無鉄砲。考えるよりも口と手が先に出る。要領は悪い。友達はけっこう多い方。〇リディアーヌ・ブランシェットアドラシオンの聖女。王家の血を汲む公爵家のお姫様。優れた魔力を持つ。特技はお菓子作り。それ以外もやらせればわりとなんでもできる。高飛車で高慢。不器用で誤解されやすい性格をしている。子供好き。友達はいなかった。〇アマルダ・リージュ最高神の聖女。男爵家の娘。エレノアの幼馴染。魔力量が非常に多い。穢れを知らない清い心の持ち主。深い付き合いをしない相手からは非常に評判がよく、深く付き合うほど評価が両極端になる。悪気はない。〇ロザリー・フォレルフレの聖女。高位貴族の娘。神殿の他の聖女をいじめていた。ルフレからは避けられている。〇マリ・フォーレしまった名前がかぶってました。一か所しか出てないので隙を見て変えておきます……。つむじ風の神トゥールの聖女。神様には会えないけど毎日掃除をしている。ロザリーの遠縁で取り巻き。貴族の血を引くけど爵位なし。背が高く痩せている。口調はややきつい。口も悪い。ソフィとは「いとこ」か「はとこ」くらいの血縁。〇ソフィ・グレース蔓薔薇の神フォッセの聖女。マリと同じく、ロザリーの遠縁で取り巻き。貴族の血を引くけど爵位なし。背が低くちょっとぽっちゃり気味。口調はどちらかというとおっとり。でも口は悪い。マリとは「いとこ」か「はとこ」くらいの血縁。〇マティアス・ベルクールソワレの聖女。二十代。優しく優雅な王子様タイプ。下位の聖女にも親切。神官たちと協力し、神殿の穢れにあたっている。ソワレの聖女であることが誇り。〇レナルド・ヴェルス神殿の高位神官。アマルダの取り巻き。背が高くかなり太っている。神殿内ではそれなりに影響力があり、面倒見が良いので特に下から慕われている。聖女嫌いで聖女からは嫌われている。口が悪い。〇エリック・セルヴァン伯爵家の息子。エレノアの元婚約者。いかにもな好青年。エレノアとはそれなりに上手くやっていた。純朴で、本人が思っている以上に素直な性格。特に女性関係では騙しやすそう。〇クラディール伯爵エレノアの父。小心者であまり有能でもなく、亡き妻に尻に敷かれていた。自己肯定感に飢えていて、全肯定してくれるアマルダを娘以上にかわいがっている。〇マリオン・ルヴェリアエレノアの姉。エレノアより要領が良く、エレノアより苛烈。アマルダとはずいぶんと揉めたらしい。公爵と結婚し、実家とは縁を切ったが、たまにエレノアに手紙を出している。〇ルヴェリア公爵姉旦那。本編で姿を見せることはないと思います。〇クラディール伯爵夫人エレノアの母。故人。エレノアが物心つくより先に亡くなっているので、エレノアに母との思い出はない。【神様】〇神様（クレイル）無能神と呼ばれ、冷遇される神。序列は最下位。人間たちの持つ悪感情（穢れ）を受けすぎたために姿を保てなくなり、記憶も失った。姿を保てなくなった神様はヘドロのような見た目で悪臭も放っていたが、エレノアが来てからなぜか急にぷるんとした。ヘドロ→ぷるん→自在に伸び縮みを経て、現在は人型。記憶はまだ取り戻していない。おっとりした性格で、誰に対しても敬語で接する。アドラシオンにだけ敬語が抜けることがある。穢れの影響で、思考が若干乱れ気味。〇アドラシオン序列二位。戦神で建国神。弱きを助け悪を挫く正義の神。いつも忙しくて、ちょくちょく神殿を留守にしている。でも神様を気にかけていて、よく様子を見に来る。〇ルフレ序列三位。光の神。ソワレの双子の兄。口が悪いタイプの生意気なお子様神。〇ソワレ序列三位。闇の神。ルフレの双子の妹。背伸びをするタイプの生意気なお子様神。〇グランヴェリテ序列一位。最高神。口数少なく無表情。人間たちの呼びかけにもほとんど応えない、他神とは一線を画した存在。こんな顔してたっけ……？〇トゥールつむじ風の神。序列は下位。穢れを受け止めすぎて姿を見せられなくなったけど、今も神殿にとどまっている。〇フォッセ蔓薔薇の神。序列は下位。穢れを受け止めすぎて姿を見せられなくなったけど、今も神殿にとどまっている。 ―――――――――――――――――――――――――― こんな感じでしょうか。不足があればご指摘いただければと思います！
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2021年6月7日
５章２８話のあとがき（がっつりネタバレ）
まだ５章終わってませんが、我慢できないのでちょっとだけあとがき書きます！がっつりネタバレ。いろいろ反省文です。どうにかここまで書けました。これで主要人物はだいたい登場したはず。レナルドについて、書きながらずっと「掘り下げのタイミング怪しすぎない？」「言動あからさますぎない？」と思っていました。マティアスの方も怪しいタイミングで名前出したな～～～とヒヤッヒヤでした。たぶん読んでくださる方の中にも気づいている方けっこういたと思いますが、幸いコメントで寄せられることはなく、優しい読者の方々に大感謝です……！５章、エレノアも悩ませっぱなしでヘイトもがっつりためてしまって、書いている私自身申し訳ないと思っていました。ここからはだんだん浮上していくと思うので、この先もお付き合いいただけますと幸いです！なお、神様の登場はもう少し先になります（小声）５章全体の反省文は５章が終わったときにまた書きますー！
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2021年5月10日
破滅したくない～　完結
お久しぶりです……（小声）長らく失踪していましたが、戻ってまいりました。 3月に書籍を出して以降スランプになってしまい、まったく書けずにいたのですが、最近はちゃんと書いて読んでができるので、また更新していこうと思います。という感じでがんばって、連載中の小説の片方が完結しました。ビーズログの賞を目指して書いていたのですが、文字数が調整できず断念。。。応募は出来ませんでしたが、完結したので読んでみていただけると嬉しいです。次は聖女様を完結させられるようにがんばります。お待たせしてしまって申し訳ない……！最後に宣伝します！もう発売からしばらくたっていますが、書籍2巻が出ました。 2巻で完結しているので、興味があればぜひ書籍を読んでいただけると嬉しいです！タイトル：妹ばかり可愛がられた伯爵令嬢、妹の身代わりにされ残虐非道な冷血公爵の嫁になる作者名　：赤村咲電子書籍でも配信されているのでぜひー！
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2020年12月31日
年末＋聖女様～没供養③
今年最後の更新です。本当は今年中に５章（前）を終わらせたかった……！あと２～３話で（前）が終わり、長い長い５章（後）になるはずです。全７章＋エピローグで完結予定。来年は完結できるよう頑張ります！良いお年を！５章（前）１７話（没） ―――――――――――――――――――――――― 「さっきからあなた、無礼にもほどがあってよ！？　急に割り込んできたと思ったら、どういうつもり！！」「どうもこうも、本当のことじゃない！　自分が器用だとでも思ってるの！？」「そっちじゃなくってよ！！」　ダン！　と私に足を踏み出し、リディアーヌは苛立ったように顔をしかめた。　言ったらなんだけど、その様子はやっぱり善人顔とは言い難い。　鋭すぎる赤い瞳に見据えられ、私は思わず身を竦ませる。「文句を言うために来たの！？　だったら大人しく引っ込んでいなさい！　これは、わたくしとアマルダ・リージュの話よ！」「……そうよ、ノアちゃん」　私に向けたリディアーヌの言葉に、静かな声が同意する。　見たくもないけど、つい声に振り返ってしまえば、両手を胸に当てて首を振るアマルダの姿があった。「ノアちゃんの明るいところは大好きだけど、今は聖女として、神殿にとって大事な話をしているの。ふざけている場合じゃないの。それに――」　そう言って、アマルダは言いにくそうに一度口ごもる。　それから、すぐに意を決したように、上目遣いで私を見上げた。「それに――ノアちゃんだって関係ない話じゃないのよ。リディちゃんのしたことで、ノアちゃんの……ノアちゃんの婚約者さんだって、いなくなっちゃったんだから！」　――アマルダがそれを言う！！？？　身を切るように辛そうに肩を震わせるアマルダに、私はすぐに言葉が出なかった。　たしかに、元婚約者のエリックが行方不明になったのは事実。　私だってショックだったし、関係ない話だなんて思わない。　だけど――よりによって、それをアマルダの口から聞かされるとは思わなかった。　――他人事みたいに！　誰のせいで婚約が破談になったと思っているのよ！！「ノアちゃん！　婚約者さんのためにも、今はそこをどいて！　リディちゃんには罪を償ってもらう必要があるのよ！　そうじゃないと、あの方だって報われないわ！！」「……ふ」　反射的に、口から声が漏れる。　音だけ聞けば、笑うような声だけれど――当然、笑ってなんていない。「ふざけてるのはそっちでしょう！　なにが『婚約者さんのため』よ！　冤罪のためにエリックの名前を出してんじゃないわよ！！」　私はアマルダに向き直ると、耐え切れずに声を上げた。　びくりとアマルダが肩を震わせるが、知ったことではない。　そのまま一歩前に踏み出し、私はアマルダを真正面から見据える。「リディが原因だっていう証拠はあるの！？　誰か、あの子が穢れを生み出したり、操っているところを見たの！？　憶測でものを言わないでちょうだい！！」「ノアちゃん……」　アマルダはショックを受けたように、よろりと後ろによろめいた。　背後に控えていた神官たちが慌ててアマルダを支え、一斉に私を睨みつける。「グランヴェリテ様の聖女に、なんて口の利き方だ！」「いったいどこの聖女だ？　礼儀がなっていない！」「お前は……無能神の聖女ではないか！　神殿のお荷物が、黙っていろ！」「アマルダ様の慈悲で聖女にしてもらえたくせに、恩知らずにもほどがある！」　神官たちの口々の言葉に、私の表情がひきつっていく。　無能神の聖女も、神殿のお荷物も、全部あっちが勝手に押し付けたものだ。　恩知らずと言われたって、そもそも私には恩を受けた記憶さえもない。　だというのに、アマルダは恩人顔で神官たちに振り返り、首を横に振ってみせるのだ。「……みんな、やめて。ノアちゃんは私の親友なのよ。ただ、今はいろいろあったから混乱しているだけ。そうでしょう、ノアちゃん？」「アマルダ、あなたねえ……！」「ねえ、ノアちゃん。婚約者さんの件で落ち着かないのはわかるけど、冷静に聞いて」　アマルダは私の言葉を遮ると、まるでなだめるような――子供にでも言い聞かせるような口調で言った。「私も信じたくはなかったわ。でも、この神殿で動機があるのはリディちゃんしかいないのよ。神殿に穢れが出て――犠牲になる人が出て、喜べる人は他にいないの」　言いながら、アマルダは苦しげに目を伏せる。　頬に残る涙の跡は痛ましく、小さな体は弱々しい。「ノアちゃんにとっては急の話で驚いたでしょうけど、神官様たちとも何度も話し合ったのよ。何度話しても、だけど結論は同じ。この国の根幹を揺るがす、邪悪な穢れを生み出すことができるのは、リディちゃんの他に考えられなかったわ」　それなら――そう口にするアマルダの声は頼りなく震えている。　まるっきり怯えた少女のようだった。　それでも。「それなら――リディちゃんが、国さえも傾ける悪事に手を染めているのなら、ノアちゃんにどれだけ誹（そし）られても、最高神の聖女として、私は引くことはできないわ」　前を向く姿は強い。　意志の宿る瞳はまっすぐに前を向き、揺るがぬ決意を見せている。　周囲から聞こえるのは、感嘆の吐息の音だ。　凛、と音がしそうなその姿に、きっと誰もが目を奪われることだろう――――が。「……つまり、証拠はないってこと？」　こっちはアマルダのそんな態度は慣れっこである。　感激する神官たちも無視して、私はさらに一歩、アマルダに足を踏み出した。「動機があるからってだけで、憶測で決めつけたの」「ノアちゃん、ちゃんと話し合った結果なのよ。どうしてわかってくれないの……？」　どうしてもなにも、納得できるはずがない。「話し合いだけで、リディが原因だってどうしてわかるのよ。理由になっていないわ！」「落ち着いて、ノアちゃん。理由になっていないのはノアちゃんの方よ。私はきちんと、どうしてリディちゃんが疑われるかを言ったのに、ノアちゃんは否定するばっかりでしょう」　アマルダは小首を傾げ、困ったように苦笑する。　聞き分けのない――と言わんばかりの態度に、とても落ち着いてはいられない。　そのうえ、アマルダはさらに人の神経を逆なでしてくるのだ。「憶測で決めつけているのはノアちゃんだわ。リディちゃんが原因じゃないって、どうして言い切れるの？　ノアちゃんこそ、証拠はあるの？」「ない……けど……！」　けど、と言葉を詰まらせる私に、アマルダはますます困った顔で息を吐く。　半ば呆れたようなその吐息に、私は頭に血が上っていくのがわかった。「ノアちゃんは、証拠もなく神殿が決めたことを疑ったのよ。思い込みで犯人をかばうなんて、これじゃあ、婚約者さんも浮かばれないわ……」　同情するように視線を落とし、アマルダは目尻の涙をぬぐう。　その勝手な涙に、もう限界だった。「……いいわ」　思わず漏れ出た低い声に、アマルダが「え」と小さく呟く。　きょとんとした彼女の顔に向け、私は容赦なく指を突きつけた。「いいわ！　だったら見つけてやるわよ！　証拠！」　売り言葉に買い言葉。　このときの私は、完全に頭に血が上っていた。　アマルダと神官、リディアーヌ――だけではない。　周囲のあまたの視線が見守る中で、私は声を大にして宣言した。「それで、リディが犯人じゃないって証明してみせるわ！！」 ―――――――――――――――――――――――― 供養ここまで。アマルダが誘導したっぽい感じになってしまったので、５章（後）で出す予定だった神官に先に出てもらいました。アマルダは意図的に相手の言動を誘導できるほど頭が良くはないのです。
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2020年12月30日
聖女様～没供養②
５章（前）１６話（没） ―――――――――――――――――――――――― 「あなた、馬鹿じゃないの！？　この状況で『構わない』って、犯人扱いされても仕方ないわよ！」　人だかりをかき分けて、私はずんずんとリディアーヌに向けて歩み寄る。　周囲の視線が一斉にこちらを向くけれど、気にしてはいられない。　だいたい、もう声を上げてしまったからには、いくら気にしたって手遅れなのだ。「きちんと否定しなさいよ！　さっきから言葉が足りないのよ！　穢れを生み出してないんでしょう！？」「エレノア……！？」　割り込んでくる私に顔を向け、リディアーヌが驚いたように目を見開く。　だけどその表情は一瞬だ。　すぐに、元の取り澄ました表情に戻ってしまう。「なんの用かしら。いきなり話に割って入って馬鹿だのなんだの。失礼ではなくって？」　相変わらずのツンツンである。　突き放すような口ぶりに思わず足が止まるが、リディアーヌは気にしない。　例によって悪役めいた態度で、ふん、と鼻を鳴らすだけだ。「この話はあなたには関係なくってよ。……ああ、いえ、あなたはアマルダ・リージュと仲良しだったわね。それなら、わたくしを馬鹿にするのも納得だわ」「誰が仲良しよ！？」　リディアーヌの言葉に、私は大慌てで首を横に振った。　冗談じゃない！「そんなこと言った覚えはないわ！　むしろそっちこそ、アマルダと仲が良かったんじゃないの！？　親友なんでしょう！？」「なんのこと？　アマルダ・リージュと親友なのはあなたの方でしょう。彼女の口からも、実際に何度か聞いたわ。『ノアちゃんは幼馴染の親友なのよ』って」「はああ！？　じゃあ、リディとアマルダが親友って噂はなんなのよ！！」　アマルダとリディアーヌは、神殿では誰もが知る親友同士。　他の聖女がうらやみ、神官たちが讃える雲の上の二人――なんて噂はなんだというのか。　思わずそう、声を荒げてしまったとき――。「やめて！　二人とも、私のために争わないで！！」　割って入るのは、例によって『親友』のアマルダだった。　――なにが『私のために』よ！！　自分が元凶のくせに、なーに言ってるんだか！　けっ！ ―――――――――――――――――――――――― 供養ここまで。楽しく書いていたのですが、このすぐ後の展開と矛盾することに気付いたので没。書いてから気付くな（憤怒）
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2020年12月23日
聖女様～没供養
なんてことないシーンにとんでもなく苦戦したので供養……。５章（前）１３話（没） ―――――――――――――――――――――――― 　翌朝の私は呆けていた。「――ノア。エレノア」　なにをするにも上の空で、考えるのはずっと昨日のことばかりだ。　昨日の――あの『おまじない』のときに神様が言った言葉が、頭から離れない。　――特別。「エレノア、聞いてるの？」　私が特別。神様にとっての特別――って。　――どういう意味……？　い、いえ、普通ならどうもこうもないのだけど！　仮にも私は若い娘で、神様は――年齢はさておき、見た目は若い青年なのだ。　そんな二人が手を取り合い、『特別』なんて言ったなら、それはもちろんそういう意味に決まっている。　というかこれでなんでもなかったら、そっち方が詐欺である。　相手に末代まで祟られたって文句は言えない。　――でも、普通なら、よ。「エレノア？」　周囲の声も耳に入らず、私は緩みそうな顔にぎゅっと力を込める。　頭に浮かぶのは、普通ならざる神様の姿だ。　――神様は普通の人間じゃないわ。しかもぽやっぽやで、天然が服を着て歩いているようなものなのよ！　それどころか、最初は服すらも着ていなかった。　混じりっ気のないド天然である。　――神様なら、深い意味もなく言いかねないわ！　親愛の念とか、代理の聖女だから感謝しているとか、そういう意味で『特別』って言いそうじゃない！？　事実、昨日の『おまじない』のあとの神様は、腹が立つくらいに落ち着いていた。　こっちの動揺をよそにあっさりと手を離すと、あとはいつも通り。紅茶を淹れて、他愛無い話をして、それだけだ。　あまりにも何事もない様子に、まるで私が幻聴でも聞いたのかとさえ思えてくる。　――まさか、本当に幻聴だった……！？　夢でも見ていたの！？「あ、あり得るわ……！　最近いろいろあったから、疲れて夢を――って、痛っ！？」「エレノア！　あんたさっきから、なにをぼーっとしてるのよ！」　腕を引っ張られると同時に、耳元で聞こえた怒りの声に、私はぎょっと顔を上げる。　声の主は、ただでさえきつめの顔をさらにきつくしかめたマリだった。　すぐ隣にはソフィもいて、こちらは呆れた顔を向けている。「食堂の列が詰まっているわよ。早く進まないと迷惑だわ」　二人の言葉に、私はようやく、自分が今どこでなにをしているかを思い出す。　現在、私は朝食を配る食堂の列の半ばに、マリたちと並んでいるところだ。　列は、ちょうど少し進んだところ。いつまでも動かない私を見かねて、マリが腕を引っ張ってくれたらしい。　後ろを見れば、迷惑そうにこちらを見る他の聖女の姿がある。「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事をしていて」　私は慌てて後ろの聖女に頭を下げると、早足に列を詰めた。　それから胸に手を当てて、どうにか落ち着こうと息を吐く。　――い、いつまでも気にしていられないわ。これから神様に会いに行くのに！　冷静に、冷静に。　そう思って息を吸い――吐き出す寸前で、思い出さなくても良いことを思い出す。　――そういえば昨日、『穢れは明日で』って話をしなかった！？　神様に触るの！？　どこを！！？？　ぶはっ！　と口から出るのは、どう考えても冷静ではない呼吸だ。　思わずむせる私を見て、マリがますます渋い顔をする。「あんた、なに浮かれてるのよ。……まあ、どうせ神様のことでしょうけど」「う、浮かれてないわ！」　という私の言葉を無視して、マリはその渋い顔のまま目を逸らした。　代わりに見やるのは、私たちが並ぶ列の外。食堂全体をぐるりと見回し、彼女は息を吐く。「よく浮かれていられるわよね、この状況で」　マリの視線を追い、私も周囲を見回す。　目に映るのは、いつもの食堂の、食事を求める聖女たち――だけではない。　食堂の入り口に立つのは、物々しい神殿兵。　神官たちは慌ただしく食堂を出入りし、聖女を捕まえて聞き込みをしたり、おかしな様子はないかと神殿兵に話を聞いたりしている。　聖女たちはどこか怯えた様子で、小声で話し合うのはひそひそとした噂話だ。　話の内容は、聞かなくても知っている。　いくら呆けていたとしても、さすがに耳に入ってきていた。「昨日もまた、穢れが出たっていうのに。のんきでうらやましいわ」　呆れたマリの言葉に、私は口をつぐむ。　浮かれている場合ではないのはそのとおり。　なにせ現在、神殿は二日連続で出現した穢れを警戒し、厳戒態勢が敷かれているのだ。 ―――――――――――――――――――――――― 供養ここまで。この三倍くらい没があった。これは厳戒態勢までは敷かれてないのと、もう少しさっくり進めたかったので没。
2020年12月2日
聖女様～のアルファポリス版を削除しました
いつもお話を読んでくださりありがとうございます。「聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました」について、アルファポリスさんの投稿を削除し、今後はカクヨムさんのみで更新していくことにしました。アルファポリスさんからこちらまで追いかけてきてくださった皆様、本当にありがとうございます。すでにコメントやレビューもいただけていて、すごくうれしいです。内容はアルファポリス版と特に違いはないのですが、一点だけ、カクヨムさんではコメント返信を基本的にしておりません。私自身、コメント返信はとても楽しくて好きなのですが、カクヨムさんは話ごとにコメントが見られるようになっているため、平気で次話のネタバレを書いてしまう私には返信するのがとても難しいのです……。今まで返信を楽しみにしていらっしゃった方がいたら（いる？）申し訳ありませんが、ご了承いただけますと幸いです。どこかで上手い返信の方法を見つけたら、唐突にコメント返信し始めるかもしれません。その場合はコメント返信いらない派の皆様に申し訳ありませんが、ゆるして。
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2020年11月29日
書籍が発売されました
こんばんは。いつもお話を読んでくださりありがとうございます。前回の近況ノートで、他サイトで書いているお話が書籍化予定とお話しましたが、先日無事に発売されました！レジーナブックス様より、「妹ばかり可愛がられた伯爵令嬢、妹の身代わりにされ残虐非道な冷血公爵の嫁になる」というタイトルで発売されております。好みの人外要素を詰め込んだ話となっていますので、興味がありましたらぜひお手に取っていただけるとうれしいです！
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2020年10月17日
はじめまして
もうだいぶ長いことカクヨムを利用させていただいていますが、近況ノートでははじめまして。いつもお話を読んでくださりありがとうございます。今回は、他サイトで書いているお話の宣伝に来ました。カクヨムには投稿していないお話で恐縮ですが、アルファポリスさんで『村咲』名義で書いたお話が、現在書籍化のお話をいただき、10/24（土）に引き下げ予定となっています。もし興味があれば、引き下げ前にお読みいただけますと幸いです。他サイトにリンクを張るのもアレなので、報告だけで失礼します。書籍にも興味を持っていただけたら嬉しいです！