『アポトーシスで永遠を』
https://kakuyomu.jp/works/16817330668304039073 昨日分の投稿報告です。
今週も金曜日にカクヨムコン応募短編を投稿しました。
今回は他サイト掲載済み作品の転載ではなく、新しく書いた作品ですが、物語の発想そのものは昔々に考えたネタの使い回しです。
元々は「何かSF短編を書いてみたいなあ」と思ったのが始まりで、その時点では、カクヨムコンの直前に投稿した『夫婦の間に隠し事は存在しない』みたいな短編を「書きたい」と考えていました。世界観や設定がポイントとなるような掌編です。
でもそんな「世界観や設定」のアイデアはすぐには思いつかず、ならばSFはSFでも全く違うタイプを書いてみよう。「サイエンス」要素重視で科学知識満載の作品を、と方針変更。私が使える「科学知識」となれば必然的にウイルス関連になりますが、この方向性でもすぐには新しいネタを思いつかず、ならば「昔のネタで残っていたやつを使い回そう」と考えました。
ここでいう「昔のネタ」とは、現在のペンネーム『烏川 ハル』で執筆活動を始めるよりも遥か昔。二次創作小説を書いていた頃に使っていたネタです。
ちょうどギリギリまだ私が現役の研究者だった頃。最後に参加したウイルス学会で、アポトーシス関連の発表演題を聞いている最中でした。「アポトーシス関連で何か書いてみよう」と思い立ったのか、あるいは「アポトーシス関連でこんな物語を」と具体的に思いついたのか、どちらだったかまでは覚えていませんが、とにかく「アポトーシス関連の発表演題を聞いている最中に考え始めた」という物語が一つあったのです。
当時は二次創作用に考えたストーリーでしたが、元々は生物系の研究にもアポトーシスにもウイルスにも全く無関係な漫画の二次創作でしたから、その「二次創作」的な部分つまり原作独自の設定や世界観や登場キャラなどを排除して、オリジナル小説として話が成り立つようにも出来るはず……。
そう考えて昔のネタを使い回して書き上げたのが、今回の物語です。まあ「物語」といっても起承転結の「起」の部分で終わってしまうような内容なので、最後まで読んだ方々には「それだけ?」「ここで終わり?」と思われてしまうかも。自分では「短編ならば敢えて『ここで終わり』もアリだろう」とは思うのですが……。
そもそも物語としては「起」の部分なので、話の動きよりも説明っぽい記述が多く、読んでいてあまり「小説」という感じがしないかもしれません。
そんな内容ですが、書くのはそれなりに大変でした。元々のファイルを見ると、ウイルス学に関わる辺りでは当時としては最新(おそらく一年以内)の論文を参考にしている部分もあり、ただしその「当時」というのは既に十数年も昔の話。もはや「最新」でなくなった話をどう記述しようか、あるいは物語の舞台設定を現在でなく少し過去にしてしまおうか。色々考えましたが、どうせ現代ドラマでなくSFなので(その分、現実に則していない要素も許されると判断して)その辺りは曖昧なままにしておきました。
また、最初に書き上げたバージョンは約1万2千文字だったので、そこから削るのも少し苦労しました。ただでさえ内容的に、十分に上手く説明しないと正しく伝わらないだろう、という話も多く含まれていますからね。
そんなわけで、かなり異色な作品です。最後まで読んで楽しんでくださる読者は少ないかもしれませんが、それでも一人でも多くの方々に楽しんでいただければ幸いです。