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アルティメット後出しじゃんけん

何か書きたいけど何も書けないので例のごとく自作語りをします。しかも今回は既に講評を書いてもらっている直近二作について。後出しもいいところです。卑劣な術だ。

僕には未来を予見するほどの見識もセンスもないのでとりあえず今っぽいものを書きました。なんとなく今っぽい感じになっているんじゃないかと思います。
正反対なようで似ているところもたくさんあるこの二作ですが、一番の共通点は主人公だと思っています。どっちも今を生きる女子高生なので当然似ている部分はあるんですが、それ以上に作品における立ち位置として広義の「信用できない語り手」になっている。これは「狂っている」と言い換えてもいい。

一般的な意味合いのそれとしては詩織がわかりやすいですね。読者に対して意図的に情報を伏せている部分がある。そうすることで終盤の展開に意外性が生まれる。
じゃあゆるふわちゃんはどうなのかというと、彼女はその感性のズレによって無意識に読者を欺いている。

彼女の見る世界は常人の五割増しくらいでふわふわしています。そして彼女自身も同じようにふわふわしています。衝動的かつ直感的な、悪く言えば物事を深く考えないタイプです。だから彼女は美優と喧嘩した原因を思い出せない。後先考えずに空を飛び、その場のノリで平然と嘘を吐く。自分が日ごろからどれだけ無神経な行いをしているか自覚することができない。
友情と浮力の消失によって、彼女は初めて周りに目を向けることができるようになる。結局そうすることでしか人間は変われないのです。

そういう意味では彼女たちは同じ立場にいながら真逆の方向へと進んでいます。自分のズレをさらけ出して適応へと向かっていくゆるふわちゃんと、ズレをひた隠しにして世界との断絶を強めていく詩織。しかしそのどちらも現代を生きる人間が抱えているものなんじゃないかと思います。そしておそらくは後者の方が圧倒的に多いのではないか、とも感じています。

イフリートのような現代の悪魔が実在するのかどうか僕にはわかりません。しかしもし実在するのだとしたら、信じる神を持たない僕たちはどうすればいいのか。そんな迷える人々が求めているのは偽物の天使かもしれない。そんなことを考えながら書きました。

随分まとまりがなくなってしまったけど書きたいことが書けたので僕は満足です。相変わらず卑怯な奴だ。

以上、後出しじゃんけんでした。

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