AIがくれた「普通」の魔法。心ほどける6つのティータイム
https://kakuyomu.jp/works/822139840582088485
エッセイ読んでくださりありがとうございます。
クスっと笑ってもらえるようなエッセイにしましたので、もしよければ…
さて、近況ノートエッセイに入る前に…
(前回までのあらすじ)
夜、家の中から滝が流れるような音がし、様子を見るために電気をつけたところ漏電し、停電。
床は水浸し…。どうする、俺!
詳細→https://kakuyomu.jp/users/amamika/news/822139840662050968
21時半。電気はつかない。
アマゾンで購入したおしゃれランプをつけ、クリスマスツリーの電飾をつける。
お湯をわかし、コーヒーをいれる。
いい匂いだ。
わずかな灯りと水が滴り落ちる音に耳を傾けながら、私は優雅にコーヒータイムをおくっていた。
ああ、最高だ。
落ち着く。
流石に電気が「ボン」っと破裂する音ともに消えた時は驚いた。
だが。
命に危険がないとわかったのなら、この状況を楽しむしかないだろう。
どうやら、雨漏りは二か所あるようだ。
脱衣所の電気から一か所。
玄関の電気から一か所。
洗面器とモップを置いて処置はすませたので、
あとは管理会社の人が修理にくるのを待つだけである。
22時半。旦那氏が帰宅。
「え、やば。ランプおしゃれじゃん」
帰宅後一言目がそのセリフで、こいつも動揺しない人間だなと思う。
23時、管理会社のおっちゃんが登場。
しかし、おっちゃん。
停電しているとゆーたのに、豆電球みたいな電気をつけたヘルメット一つ被って登場。
え、その装備で大丈夫?
(もう、おもしろいw)
私が水漏れ二か所の場所を差し示し、
「雨漏りだと思うんです!!」
と胸を張って私が言った瞬間の、旦那とおっちゃんの顔は二度と忘れないだろう。
「「違うとおもいます」」
ハモった。
私が住むアパートは二階建てで、
二階に住む人は、一階にある玄関扉を開けて、階段を上って二階の家に行くというタイプのアパートだ。
だから、私が住む一階と二階の間取りは全く異なっている。
「上の階からの水漏れですね」
おっちゃんは言った。
悲報。
雨ではなかった。
雨ではなかった。
事前に上の階へ連絡を入れてくれていた、デキる男・おっちゃんは二階へ向かう。
そして、30分後に戻ってきたおっちゃんは、
豆電球ヘルメットを装着し、スマホにおさめた写真を見せてくれた。
「シンクの水が漏れていました」
は? 歯? シンク?
おっちゃん曰く……
シンクの水が流れるパイプの栓がゆるんでいた。
故、水が漏れて流れた。アーメン。
なんということだ!!
上の階の人はシンクで体でも洗っていたのか????
皿洗いの水で、2時間も水漏れするのか!?
水量ってスゲー。
「とにかく、電気を復旧させたいと思いますので、作業にはいります」
脚立をもったおっちゃんが、早速作業に入ってくれる。
大変ありがたい。こんな深夜なのに。
おっちゃんにランプを貸し、とくにすることもないので我々夫婦はスマホの明かりで暇をつぶす。
すると……。
「チッ」
音が聞こえた。
「チッ」
間違いない。
おっちゃんが、舌打ちしてるぅーーーーーーーーーーー!!!!
フゥーーーーーーーーーー!!!!
おっちゃん、どうしたの?
やっぱり深夜に呼び出されてイヤだよね。ごめんねー!!
と、思ってのぞいてみたら……。
豆電球ヘルメット装備のおっちゃんは、証拠写真をおさめようとして暗闇の中苦戦していただけだった。
「チッ」
再び舌打ち。面白すぎるぞ、おっちゃん。
おっちゃんに貸したランプを掲げてあげる。
手元のスマホが明るくなった。
「あ、すみません。顔認証できなくて」
おっちゃーーーーーーーーん!!!!!!
この暗さで顔認証に挑戦し続けていたんかーーーーーい!!!!
もう、面白すぎる。
おっちゃん、おれ、協力するよ。
ランプを掲げる私。スマホの明かりで照らす旦那。作業するおっちゃん。
そうして無事、日付が変わる前に電気が復旧したのであります。
ありがとう。おっちゃん。
夜遅くに来てくれて本当にありがとう。
水漏れのおかげで、床もぴかぴか綺麗になった。
「ありがとーーー、おっちゃーん」
手を振るおっちゃんに、我々夫婦は深く頭を下げた。
電気がもどった部屋で「よかった、よかった」という我々夫婦の元に、外から
「チッ」
という舌打ちが聞こえてきた。
おっちゃん、再びww
そっとカーテンのすき間から外を見ると
車の前でおっちゃんが顔認証しようとスマホを掲げているのが見えた。
装備をなんとかしろ。