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キョコロヒー

という変わったタイトルの番組をご存じであろうか?月曜日の深夜帯、テレビ朝日系列でやっている番組なのだけど、初めて見たのは単なる偶然で、おそらくはその前の時間帯にやっている「激レアさんを連れてきた」の流れで思わず見続けしまったのが最初だと思う。「激レアさん」も面白い番組なのだけど、この番組はどうしても「連れてこられた」ゲスト次第なのでいくらMC(弘中アナとオードリーの若林氏)がいくら頑張ってもネタが尽きかけているのではないか、と思うことが増えていた。
 そのまま電源を切って寝るのが日常なのだけど、つい見続けたらヒコロヒーという女性ピン芸人と「なんとか坂」の齊藤京子という歌手?が二人でやっている番組に行き着いてしまったのである。行き着いてしまった、というのは僕に取って一種の罠に掛かってしまった状態を示すのだけど・・・。もう始まってから二年半になるらしいけど、僕が見始めたのは恐らく1年ほど前のことだろうか。
 一言で言うと、場末のスナックのような番組である。そのスナックには、なんとなく「ちょいとかわいいお人形さんのような」女の子と、ちょっと人生に苦労しちゃった系統の『もうそろそろチィママになったら?』とここ数ヶ月、店のオーナーから言われ続けている「ベテラン」が居て、ちょいと気が向いたときに寄ってみると、いつの間にか客の存在を忘れたように二人で掛け合いを始めている、っていうような雰囲気の番組である。
 いや、もうなんというのかとにかく緩い。緩いのだけど、なぜか「ベテラン」は時折、鋭い発言をして、酔った(ように、ぼーっとしている)僕をはっとさせ、笑わせる。その相方が、こちらも「坂」にしてはもう、だらだらと緩い傾斜の女の子で(ちなみに僕は普段3文字アルファベットとか坂とかに属する女の子に一切興味ないのだけど)、なんだかもう訳が分らないのだけど、その掛け合いが実に面白いのである。2年半も続いているというのはそれなりにファンがいて視聴率もそこそこ取っているということなのだろう。
 往々にしてこういう番組をゴールデンに持って行って、その面白さを損なうというケースが多いのだけど、この二人(の組み合わせ)はゴールデンに似合うのだろうか?ヒコロヒーというピン芸人さんは最近別のバラエティでも時折見かけるようになったし、齊藤京子さんもバラエティや歌番組で見られるだけでなく、ドラマの主人公をやるらしい。それぞれ、別の番組でも片鱗はみせるのだけど、このキョコロヒーという番組の絶妙さにはどうしても達しないのである。この組み合わせは、何というか「フライドポテトに塩」みたいな絶対的な「組み合わせの妙」で不可分の組み合わせなのであり、かつ「フライドポテトに塩」がメインディッシュにならないように、ゴールデンタイムには似合わないに違いない。
 こういう番組はもう絶対に場末のままで残して欲しいのである。

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