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風土記について 2

 続日本紀の和銅六年の五月甲子の項に 「畿内七道諸國郡郷名著好字其郡内所生銀銅彩色草木禽獸魚䖝等物具録色目及土地沃塉山川原野名号所由又古老相傳舊聞異事載于史籍言上」とあるのが風土記編纂の詔とされているが、実際の詔はどんなものであったろうか。それを想像するのも興がある。
 土地の紹介、産品(金属・植生・生物)、土地の状態、地名の由来、故事についてレポートしてください、という内容だが、受け取り手によってレポート形式は異なる。
 その中でまずレポートとしてできの良いのは出雲かと思われる。このレポートは大約するとこの様に始まる
「出雲の国は、先は東に向き、南西の方向に延びて終わっています。東と南は山に、西と北は海に面しています。東西の距離は137里119歩(73キロ)南北の距離は183里193歩(101キロ)・・・」
 先ず形、数字を明確にして、そののち国の名の由来、里や神社の数などを記載するという極めて実務的なレポートで、できる奴が書いたな、感がある。数字も極めて細かい。その上きちんと著者、年月日まで記載されており、役人とはこうあるべき、と思わせる。

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