パの字「うぃーす! 追放期間が明けて戻って来たぜ。あれ、サの字、元気ないな。寝てんのか? そんな訳はないか」
サの字「いやあ、すっかり忘れられたというか。新年を迎えたら、続編を書くって聞いてたのに、サボっているらしい」
パ「あの座付き作家か。適当な感じだし、深く考えないほうが良いんじゃね」
サ「成人式の頃までには第十二話を描き始めるとか言ってたのに手付かずっぽい」
パ「一月十五日だろう。まだ先じゃん」
サ「違うよ。もう成人の日は終わってるんだよ」
パ「そうなん? 異世界の暦とか分かるはずもないけど、サの字の口から成人とか、なんかチャレンジャーだな」
サ「あ…年齢ネタだった。まあ、二十歳も四十も百も、大して変わらないんだけどね」
パ「いや、二十歳と百歳じゃ、えらい違いだろ。ヨレヨレだよ」
サ「えー、それじゃ、お題に行きまーす」
パ「結局、はぐらかすのかよ。まあ、いいけど。今回もあれだろう。寫眞の紹介」
サ「そうそう、例の男の子が図書館に遊びに来たんで、掲載する寫眞が渋滞してるんだって」
パ「で、二枚合成って訳か。ちゃっちゃと紹介しよう」
サ「それじゃ、まずは下位置の寫眞をご覧下さい」
↓
↓
パ「おお、左は神殿にありそうな代物だな。ほら、男子禁制の神殿」
サ「それはうちらの第十話のネタで、まだ公開してないよ」
パ「いかん、忘れてた。で、この彫刻っぽいのがメダリオンってやつだな」
サ「そうそう。元は外壁なんだけど、硝子張りの中にあって、間近で見れるんだよ。手も届くのかな」
パ「結構、デカいな。あれだ、煉瓦の大きさから、見当がつくはず」
サ「異世界の煉瓦だし、大きさはどうかな?」
パ「まあ、同じくらいだろ。ほら、僕も煉瓦造りに励んだから、良く知ってるし」
サ「だから、それも『眠れない黒魔道士のための夜想曲〜第十話:禁制の神殿に女人の華が狂い咲く』のネタだよ」
パ「ツッコミなのに説明臭いな。もしや、どさくさで宣伝する魂胆では?」
サ「えへへ、バレたか。因みに、続編形式で第二話になるかも知れないんだってさ」
パ「そうなん? まあ、それは置いといて、右側は普通のドアだな」
サ「こっちは『書肆グランドバザール』の第四章六話、通し番号34に出てくる扉だよ」
パ「バザールでござ〜る。って、微妙に間違えてないか。わざとだろ」
サ「えへへ。これ、接近してないから文字が読めないんだけど、ドアの真ん中ら辺、鉄製のプレートに注目。『おす登あく』って書いてあるんだよ」
パ「普通に押せば開くだろ。違うん?」
サ「それが昔の異世界では、引き戸が多くて迷う人が多かったんだって。登の字で『と』って読むんだ」
パ「昔の異世界か。うん、分からん。それにさ、文字の解説って、僕ら一番不向きじゃね」
サ「…………」
パ「ヤバいな。まーた出入り禁止になるかも。まあ、いいか。それじゃ、皆さん、また会う日まで、ご機嫌よう! 桜が咲く頃だぜ」
(寫眞撮影:福助)