🐺某狼男「うーん、悩みどころだ」
👩🏭双子②「深川編輯長が唸っているであります」
👩⚕️双子①「あれ、章兄ィ、編輯長になったんだ……」
👩🏭「そこは小芝居の設定なんで、深く突っ込まないほうが良いであります」
👩⚕️「あ、時々やる小芝居ね。諒解! で、章兄ィ編輯長、何を悩んでいるのかな?」
🐺「例の座付き作家の連載なんだが、舵取りが微妙に難しいんだ」
👩⚕️「そう言えば、春に続きを再開するって宣言してたよね」
🐺「梅雨明けまでが春って言ったかなあ」
👩🏭「季語としての梅雨は夏であります」
👩⚕️「桜の花どころか鯉のぼりも放流されているし。あれかな、筆が進んでないのかな?」
🐺「それなら分かり易いけど、筆が進み過ぎとか妙な言い訳をしてるんだ」
👩🏭「自分が設定した〆切に間に合わず、詭弁を弄している感じであります」
🐠🐠🐠🐠
🐺「新しい話が膨れ上がったらしいんだ。短編のつもりが、十四万字超えたとか」
👩⚕️「それって、もう長編規模では?」
🐺「だよね。でも、長めだから具合が宜しくないとか……」
👩🏭「理屈が分からないであります」
🐺「要は、この新しい中編だかを第一話にしたかったらしいんだよ。最初の構想ではね」
👩⚕️「あれれ? それって黒い帽子の御伽噺の続きだよね。第一話って変じゃない? 確か、ホラー風味の『死霊魔道士は隠し砦で絲を紡ぐ』が第九話だったはず」
🐺「合ってるよ。白夜は何気に宣伝上手いね。で、その第九話でI期を終わらせ、次の第II期は、新作扱いにしたいらしんだ」
👩⚕️「まだ連載扱いで、完結のマアクはないけど……新作扱いにするって何でかな?」
👩🏭「読み専ブロッカーの第三話問題が尾を引いているであります。そのほかも文藝作品連載に伴う長期休載の影響とか色々」
🐺「まあ、色々だね。で、新編第一話として、書き始めた訳だ。人物紹介とか設定を説明したり、いかにも新作っぽい」
👩🏭「新作を装って新規の読者を騙す気満々であります。若干、詐欺の匂いが……」
🦎🦎🦎🦎🦎
👩⚕️「十万字超えても良いと思うけどな。第一話でしょ」
🐺「いや、長過ぎる。さくっと人物紹介して、プロローグ的に短くまとめなきゃダメなんだ。これ、編輯の基本で譲れない」
👩⚕️「ふむふむ、分かるような、分からないような」
🐺「編輯部としてはNGと判断。この新第一話は没で、二話に順送りだね」
👩⚕️「決定したんなら、章兄ィが悩む必要ないのでは?」
🐺「そこなんだ。先送りにした後、書き始めた“真第一話”なんだけど、短い顔見せ興行のつもりだったのに、四万字終わった時点で、まだメーンのゲストキャラが影も出て来ていない。うむ、また同じ轍を踏むような……」
👩⚕️「まあ、何とかなるでしょ」
👩🏭「姉やは楽観的であります。適当あるいは他人事と言い換えても可し」
🐺「結局、新作扱いで出すことは確定的で、タイトルも決まっている」
👩⚕️「おお、何て題名かな?」
🐺「ズバリ、『眠れない黒魔道士の夢幻曲〜トロイメライ〜』。これで編輯会議は通ったんだ」
👩🏭「因みに、座付きの|脳内編輯会議《のうないへんしゅうかいぎ》であります」
👩⚕️「あ、変な記号が。ここ近況ノヲト欄だから、振り仮名は使えないんだよ。久々なんで忘れてるし。しかも処理がカクヨムじゃなくて、違う小説投稿サイトの形式だし。それは兎も角、タイトルを微妙に変えたんだね」
🐺「うん、この『◯◯曲』だと、色んなヴァージョンが出来るから便利なんだよ」
👩⚕️「例えば?」
🐺「黒魔道士シリーズの最後を飾るのは、定番の『鎮魂曲〜レクイエム〜』だね。暫く先と言うか、概ね来世になるだろうけど」
👩🏭「密かに『眠れない黒魔道士の|浪花節《なにわぶし》』も構想しているであります」
👩⚕️「何ジャ、それ?」
👩🏭「銀髪っ子と金髪っ子が江戸時代の長屋に異世界転移する人情噺であります。あとデスメタル系とか、ジェイルラッパー系とか盛りだくさん」
👩⚕️「急に胡散臭くなって来たし。どこまで本当なんだか」
🐺「まあ、そんな感じで、このトーク、もとい編輯会議報告は、まだ続きそうだなあ。新連載開始までの場繋ぎだしね」
👩⚕️「そうだったんだ……」
👩🏭「やれやれ、で有り〼」