パの字「よっしゃあ、何か久々に出番が回って来たぞ」
サの字「めっちゃ気合い入ってるけど、アナウンスとか出来るのかな」
パ「任せとけって。ほら、カンペがあるから大丈夫。カンペで完璧」
サ「はい、親父ギャク禁止です。ちゃっちゃと行くんでしょ」
パ「ええと『下の寫眞をまず見ろや』かな」
サ「口調が乱暴だよ。早くも独り、ここでノートそっ閉じだね」
パ「しゃーなしだな。ええと、下の寫眞は『帝国図書館三階の外壁です』だってよ」
サ「カンペ間違えてないかな。ほら、壁の手前に廊下が見えるよ」
パ「んな、細けえこたぁ……でも、変だな」
パ「なになに。ガラス張りで覆って、昔の外壁を保存。今の子ども図書館では廊下を新たに作って、部屋の内壁になってる、らしい。あれか、神殿の温室と同じ仕組みか」
サ「んん? 分かったような、全然、分からないような」
パ「大窓を改装して扉を付けたんだってさ。壁の白っぽいのは『白薬掛け煉瓦』と言い、当初の設計では西側、中庭側の外壁に当たる、とか」
サ「良く言えました、じゃない。良く読めましたかな」
パ「えーと『六話で九鬼須磨子が覗いていたのが、この三階の大窓です』って何のこっちゃ。でも、この壁はつるつるしていて、攀じ登ったり出来ないだろう。僕なら簡単だけどな。元怪盗娘だし」
サ「おっと、それは新作八話ぐらいのネタだったはず」
パ「そうなん? でも煉瓦って異世界にもあるんだな。ほら離宮の釜戸で副官が焼いてたじゃん」
サ「それはウチらの第十話のネタだよ。いきなり副官とか、誰も分からないって言うか、作者も微妙に忘れてるし」
パ「しゃーなしだな。うちらの新作漫才は来春公開予定です!」
サ「漫才じゃなくって、愛と冒険の旅物語だよ」
パ「愛だと……そこはスルーして、あれれ? この『お帰りなさいませ、ご主人様』ってカンペを読み忘れたぞ。まあ、いっか」
サ「いいでしょ」
サ&パの字「それじゃ皆さん、ごきげんよう!!」
(寫眞撮影:福助)