🐺「あれ、なんか最近、画面の雰囲気が違うような。気のせいか…いや、少々の仕様変更があったとも小耳に挟んだような」
👩🚀「章兄、またパソコンで遊んでる」
章「お、誰かと思ったら白夜か。遊びとは少し違うかな。書き込んだりもしてるし。ほら、盲打ちも上手いし、速いでしょ」
白「いきなりアウトっぽい発言で困るな。怖くてルビ振れないよ。それは良いとして、同じインタアネツトばっかり見てるね。今月に入ってからずっとだよ」
章「一日の正午過ぎ頃から、お祭りで沸騰中。この橙色が新作なんだけど想像以上の数。嬉しい悲鳴というか、もうホント、師走と書いて師走だよ」
白「んん? それも兎も角、今日はお題があるので呼ばれたんだけど」
章「そうだった。消えた作家さんの話だ」
👾👾👾👾👾👾👾👾
👩🚀「消えた作家さん?」
🐺「健筆にして速筆で毎日更新している作家さん。それが或る日、ぱたりと止まってしまう。このインタアネツトの仕様で、最新話まで読んでいると、通知が来るんだけれど、それが一向に来なくなる」
白「通知?」
章「そう。ここの釣鐘っぽいマアクのところ」
白「便利機能だね」
章「待っても待っても通知が来ない。どうしたんだろう、体調崩したり、よもや入院か、などと懸念する訳さ」
白「うんうん、それは気になるよね」
章「でも十日とか二週間に及ぶと、遉(さすが)に心配になって、ここ、釣鐘の隣の『フォロヲしている小説』から辿って調べるんだ。すると驚愕の事実が判明…」
白「分かった。アカウント抹消だ」
章「違う違う。作家さんは健在でやっぱり毎日更新していて、未読分がずらりとあるんだよ。変わらずに元気溌剌で、消えてたのはこっちだった……未読の間も応援して貰ってたりして、もう、ゾッとして冷や汗が出る始末」
白「なんと。消えたのは作家さんじゃなくて、読み手のほうだったって酷いオチだ。それって章兄が、通知を見落としていただけだよね?」
章「まあ基本、見落としだね。でも、先ごろ、妙な現象を確認したんだよ」
白「へえ、どんな?」
章「毎朝、定時の予約投稿している作家さんが居るんだ。作品も佳境に入っていて良いところ。それが、最新話の通知が見当たらない。推敲を終え、完成させて公開していると聞いたので、これは変だぞ、と」
白「前日、読まなかったとか。単なる見落としじゃないの?」
章「それは絶対ない。早朝の投稿なんで、毎日、必ず最初に読む。で、不審に思って、フォロヲ小説から辿ったらね、最新話があったんだ。詰まり、通知から漏れてたってことだ」
白「見間違えじゃいのかな」
章「いや、無かった。それと翌日も同じ現象を確認したんだ。確実に通知から漏れていた」
白「言い切るねえ」
章「ただ三日目には普通に通知が来て、それ以降の漏れは未確認。時々、あるのかなあ?」
白「どうだろうね。漏れてるのを確認するのは案外、難しいかも」
章「あれだ。靴下が片っぽ行方不明になる謎と同じだね」
白「ああ、靴下って結構、片方がなくなるよね。分かる、分かる。あの現象、謎だよね」
章「実はミステリイじゃなくって、ひと組の靴下、二足ともなくなったら、消えたことを自覚できないんだ。存在しないものを認識するのは実に難しい」
白「難しく言って、見落としで『未読ずらり』の失態を誤魔化そうとしているような…」
章「そうなんだけど、実例として通知漏れがあったことは確か。最近の仕様変更で治ったかも知れないけどね」
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👩🚀「機械の中の人も忙しいそうだから、一度や二度のミスは仕方ないよ。あれ? 今日はもうひとつ廣告だか、宣伝があるんじゃなかったけ?」
🐺「カクコン関連でしょ。新作の宣伝はしません」
白「なんで? 折角の機会なのに勿体ない」
章「福坊も含めて僕らモブ扱いだし、怒ってます。しかも、道を尋ねる端役とか有り得ないよ。楽団リーダーだけ名前入りで二回出るし、僻んじゃう。宣伝はしません。その代わり、新作公開に当たっての所信表明をします」
白「おお、なんか来たね!」
章「えー、新作公開に際しまして、内閣として所信表明をするもので有ります。これ、平沼騏一郎総理の真似ね」
白「ツッコミの面倒なモノマネだな。で、所信って?」
章「えー、欧州の情勢は複雑怪奇なり」
白「それは総辞職の時の発言でしょう。これもツッコミが説明臭くて困るし」
章「済みませんでした。じゃあ、さらっと。えー、新作公開に際しては、バラマキ政策の拡充拡大を宣言します」
白「はい??」
章「ほら、🏭💥🦖誤字ラ警報の話で、誤字脱字を指摘してくれた方にポイントを付けて、累計⑤個で粗品進呈っているアレ、白夜も知ってるよね」
白「うん。意外と交流が盛んになって面白いとか聞いたよ。それで?」
章「さっきの通知見落としと重なるんだけど、コメント返しを忘れるケースが稀によくあるんだよ。最長で四箇月も放置。それで『↑ここ、レス忘れてますよ』って教えてくれた方にも①ポイント贈呈する制度を設計し、実行します。これ、公約です」
白「事例は多くなさそうだけど、まあ、バラマキだね。で、本当に内容の宣伝はしないんだ」
章「しない。國家百年の大計を語るよりも、バラマキこそ即効性があって内閣の支持率も上がるんだよ。大蔵省の人もそう言ってるし」
白「うーん、なんだか章兄が悪徳政治家に見えて来たよ。大丈夫かなあ。因みに新作掲載は十二月の十日頃とか。ヤング猫田さんっぽい人が主人公って、これも何か微妙だなあ」
章「え? そうなの?」
白「あ、いけない。嘘に決まってるじゃないですか、もう章兄ったら信じちゃって……………うふふ」