大町　慧

世界的な干ばつが続いていた。牧場の最後の牛が死に、裕也一家は失業を余儀なくされる。満足に水も飲めない。家族間の不和、息子の障がい、息の詰まるような日々。希望はとっくに消え去った。…

ある男が清く正しい生活へと戻っていくお話です。本家『1984年』はもっともっと複雑で深い作品ですので、あしからず。

三井夜鳥の筆名で執筆。 ありきたりな、つまらないほど日常的な物語。

「神に聞いた物語り」という体裁の散文詩的なものです。 いや、このタイトルを使ってみたかっただけなのですよ。すみません。 神謡のムードをさらっとお楽しみいただけたらな、と思います。

あの年の夏の夕方。海をのぞむキャンプ場。一回だけの夏合宿。 バーベキューを囲みながら、彼女はひとつの約束を願ってきた。 その約束は、数年たっても……ひょっとしたら数百年の時が過ぎ…

小学生たちの間でささやかれる「アパートのベランダに立つ女」の噂。 「私」は職場で耳にしたそれを、怪談イベントの場で披露してしまう。 知るべきでなかった真相を聞かされることになると…

体調不良で変な作品ができてしまった… ・【高校生限定】カクヨム甲子園2024 (ショート部門)…《中間選考突破》 ・(功琉偉 つばささん主催) 自主企画『中高生あつまれ！　…

大勢の人間が集まった孫娘のバースデイ・パーティで、前田組組長・輝明が後頭部を撃ち抜かれて殺された。殺したのがあまりに意外な人物だったものだから、取り巻きたちは困惑した。狙撃者はと…

　これは『八ツ裂き公事件』が起こる１３年前――まだ探偵ブームが起きていない頃の物語。 　史上最大規模の地震が関東を襲ったのをきっかけに、各地で次々と不可解な殺傷事件が起き始めた…

宇宙の曲率が変わり、やがて宇宙の滅亡が迫ってきていた。人類は〈アマノヤシロ・プロジェクト〉を用いて神を静めるミッションを始める。（全四話）

山あいの温泉町で暮らす半グレ三人組は、ある月夜にひょんなことから一丁の拳銃を手に入れる。 そして三人は自分たちにも理由が分からぬまま、拳銃をめぐって殺し合いを始める…

ふと気がつくと、闇のなか、あなたは、あなたたちは椅子に座っている。 導くものは正体不明のアナウンス、そして前方のスクリーン。 「『正義』についての心理テストの結果」を告げてゆく、…

元は【三題噺 #63】「朝」「視線」「影」への供物

煤煙被害が深刻化するなか、僕たち家族は檸檬を食べる。檸檬を食べると煤煙の毒が中和されるってテレビで言ってたんだ。友達の長田くんは意味がないというけれど、僕たちには大切な儀式なのだ…

とある男子高校生に起こった不思議な出来事を書いてみました。

謎の文書に隠された秘密、解き明かすとそれは。。。 クトゥルー復活の儀式が日本で始まる。 『クトゥルーの復活』シリーズ第１弾 全てはここから始まった。 過去のたくさんの方の作品…

ホリーは秘書としてロンドンで忙しい毎日を送っていました。 素朴な少女時代を思い出すことも無く、せかせかと、せかせかと生きていました。 地味な自分とは違う、美しい友人のことを忘れる…

その部屋にはのぞき穴があった。悪友にけしかけられたＵ村は、なかをのぞいてしまう。そこに広がっていたのは驚きの光景。惨劇が幕を開ける……。

【三題噺 #55】「誕生」「花粉」「防災」の為に書いた話。近未来の東京が舞台です。

白川公園は、名古屋市科学館と名古屋市美術館を内包する大きな公園である。都市部にありながら緑豊かで、野外アートを楽しむことができる散歩道もある。 老舗ライブハウスE.L.L.（エル…

その眼鏡のレンズは異次元とつながっている。けっしてのぞいてはならない。ほら、レンズの向こうからこちらをうかがうものが――。ラブクラフト・パスティーシュで描かれる、狂気のコズミック…

秘密のおまじない。 一つ目は『何を願うか』 二つ目は『何処に書いてあるか』 三つ目は『秘密の言葉』 秘密にできれば願いは叶うかも。 バレたら願いは絶対叶わない。 そんな良くあ…

テーマは『人間の業』と『嘘』です。 救いも希望もなく、胸糞悪い話です。 ひとりぼっち惑星というアプリで昔書いていた話を発掘したので、置いてみます。 5/14（追記） 表記…

小さい頃から、トリを見逃す事が多かった。苦いエピソードを経て気が付いた事は…… KAC20246参加作品です。

【KAC20245】はなさないで （2024初稿）

【KAC20246】トリあえず （2024初稿）

世界の窮（はて）のてっぺんの枝に棲まう鳥。 その枝にはいろいろなものが飛んで来る。 KAC2024 第6回、お題「トリあえず」参加作品です。

第４回私立古賀裕人文学祭エントリー作。お題：「記憶にございません」 執筆時間58:14:21。 人から覚えられにくい顔をした男 vs「記憶にございません」人間。

「ふんぐるい・むぐるうなふ・クトゥルー・ルルイエ・うがふなぐる・ふたぐん」

人々の記憶から消えた家。 かつては黄金色に輝く小麦畑に囲まれていた。

霧深きアーカム。 連絡が取れなくなった友人を訪ねた「私」は、この世の全てを呪うような悍ましい経験をしてしまう。

はなさず留まっているその人。 その手をはなさず、はなさないでと懇願しつづけるその人。 KAC2024 第5回、お題「はなさないで」参加作品です。

　とある「星降る夜」というお題のコンテスト用に書いたクトゥルフ神話ものですが、カクヨムでもちょうど〝クトゥルフ〟の自主企画あったりしたので、こちらにも同時にＵＰ☆ 　というわけ…

そこは突如現れた“内海”と、“内海”の怪物たちに滅ぼされた世界。 ひとり取り残された武井まもるは、男から女に変えられていた。

KAC20243参加作品です。 遙かな未来。人類は地球の資源を使い尽くし、若い者たちと繁殖ができる者、働ける者などの「可能性がある人々」だけを宇宙船に入れて送り出した。

彼は大きな野心を抱く若いギャング。ある日、彼は組織のボスから大きな仕事を任される。裏切り者の抹殺。彼は銃を片手にターゲットのもとに向かうが……。 第一回大暴力小説大会参加作品。

『SARF×カクヨム 短編こわ～い話コンテスト』大賞を頂きました。ありがとうございます。「夏休み」から始まる、群馬県、伊香保温泉石段街での怪異。

終わらない就活、鬱陶しい元彼との再会、めんどいけど憎めん友達。アホくさいことが多い毎日、せやからうちは……。

私は自室に死を飼っている。中二の夏、家に帰るとベッドに死が眠っていた。

文学者・三島由紀夫は決起に失敗した。 一九七〇年十一月二十五日、何者かの裏切りによって本懐を遂げることなく戦後社会を生き延び続けた老作家・三島由紀夫は、とある青年との対話を繰り返…

その場所には、学校の裏手にひろがる雑木林をつかうことにしました。 なにもない土のうえに境界をひいて“インシュウムラ”を定めます。 “インシュウムラ”のまんなかに、四角いヤシロを定…

挫折と勇気、そして美味しい冒険。女優水島美咲が味わった、コーラと覚悟の特別な出会い。 炭酸の泡舞うなかで、女優の魂が燃える。コーラの一気飲みが紡ぐ、成功という名の物語。

彼女は唐突に打ち明けた。 その告白は僕を打ちのめすには十分すぎたのだ。 「私、あの子が好きなの」

今や財布も鍵も持たない時代になった。 一個のギアがあれば大抵の事は成り立つ時代になったのだ。 それでもどこかで事件は起きている。 世界が進化し、文明がどこまで発達しても人の暴力は…

第四回偽物川小説大賞参加作 羊飼いの青年と神様のお話です ＊＊＊ 2022/12/4 カクヨムWeb小説短編賞2022応募のため細かい表現を調整しました。内容に変化はあ…

弥生は片田舎に住むやんちゃな女の子であった。 しかし、年が子どもではなくなっていくとやんちゃという言葉が似合わなくなってくる。その癖やんちゃでいようとするのだ。 そこである時弥生…

"崩壊の砂時計"──突如としてそれが出現したことにより、世界は一変した。遥かなる天空より来たる、翼持つ者たち──"天使"の暗躍。地の底より這い出て来る異形──"魔族"の活発化。そ…

　友人の車を借りてドライブに出かけた。 　僕は知っているが、彼は知らない。車には死んだ彼の妻が魂として宿っているのだ。 　ドライブと人生は、いつの間にか日が傾いているあたりが似て…