誰よりも愛しい人。その愛を断念せざるを得ない声を、何度もなんども確かめて、そのたびに望みを絶やして。そんな哀しい、幼い心に……その奇跡が聞こえた。どうか彼に寄り添いながら、スピーカーに耳を傾けてみてください。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(200文字)
突如現れたワームホール。吸い込まれて消息を絶ってしまった母。今もどこかできっと生きている。その可能性を信じ、今日も受信機のスピーカーに耳を傾ける。音声の断片を繋ぎ合わせていく。鼓膜が母の声を求めてやまない。そして新たな声を傍受する展開――宇宙の夜明けは近いのか。可能性の未来が切なさを超えていく。そんな思いに胸が騒ぐSF掌編です。