冬野瞠

pixivのさなコン2024に応募した作品です。 ある日の朝、青い星の住人の日記に謎の文字列が出現していた。数百文字ほどの文字列は、何十億冊もの日記帳それぞれに書き込まれていた…

ツイッターで呟いていた140字の小話を1ページにつき10個ずつまとめたもの。 この中の話を膨らませて書いて下さるという方がいらしたらご連絡下さい。 こっそり読みに行きます。 ※一…

第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト(さなコン)にて審査員賞に選んで頂いた作品です。 殺伐系ブロマンス小説かもしれない。 近未来の地球。社会の主要な決定はアンドロイド…

2000字程度の短いお話をまとめたものです。一つ一つジャンルはばらばらです。 一部単品で公開しているものと重複している作品があります。ご留意下さい。 作品ごとの大まかなジャンル…

<KAC2024「めがね」参加作> 環境汚染により最後の人類が死に絶えたその瞬間、遺された数多の眼鏡に意識が生じた。 道具にすぎなかった眼鏡たちは、思考を獲得しテンプルをぎこちな…

<KAC2024「色」参加作> わたしの好きないろは『あかいろ』です。お父さんが作ってくれるのみもののいろだからです。

<KAC2024「トリあえず」> 銀河を股にかける賞金稼ぎ・スペランツァは焦っていた。 相棒のノニちゃんを賞金首に捕らわれてしまったのだ。

<KAC2024「はなさないで」参加作> この国では――というか世界中で――珍しいペットを飼うのが流行っている。 一過性のブームというやつだ。

<KAC2024「ささくれ」参加作> アタシはいつだって、自身の完璧を追い求めてきた。 周りから啜り泣きが聞こえてくる時でさえ、些細なささくれが気になるほどに。 アタシたちの結末…

<KAC2024『箱』参加作> 彼女は箱の形を愛していた。 彼女にとって箱とは、整然とした秩序の象徴だった。彼女は毎夜、この世界が箱で満たされる様を想像しながら、安らかな眠りにつ…

<KAC2024『住宅の内見』参加作> 内見で訪れたアパートの一室を見て、これぞ私が求めていた物件だ、とピンときた。 まさに、お金のない苦学生が入居するのにうってつけだ。

<KAC2024「共通お題」参加作> 限界同人オタクの秦野は、同人誌の入稿寸前でPCのクラッシュに見舞われる。 誰でもいいから助けてと願った秦野の前に現れたのは、同人誌を愛する悪…

近未来。第四次世界大戦が終結して三十年が経った。 戦争の功労者で、元敵同士だった男ふたりが、とある式典への出席のために顔を合わせる。 男たちは互いに、相手に対して思うところがあっ…

若手編集者の沢野と、生活力のない小説家の三上は、元大学の同期で現ルームメイト。 三上は恩人に作品を届けるために小説を書いているが、沢野には彼に伝えていない秘密があった。

睡眠時精神没入過剰症という疾患がある。患者は睡眠時に自己の精神世界に過剰に没入してしまい、そこで深い怪我を負えば臓器を痛めたり、昏睡状態に陥って現実に戻れなくなったりするのだ。 …

第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部参加作です。 過去作+新作。

【KAC2023「いいわけ」参加作】 私が側仕えする主は、名の通った祟り神である。 「人の子よ。神にいいわけを述べる事を許す」 私はなるたけ厳めしい声を作り、腰を抜かしている贄の…

【KAC2023「アンラッキー7」参加作】 私はいま、喫茶店で友人のNから聞き取りをおこなっている。 Nの知人のOは、ある時を境に異様に七という数字に凝り始めたという。

【KAC2023「筋肉」参加作】 必要以上に筋肉をつけすぎるのはやめておいた方がいい、かもしれない。 ――俺にはもはや、そうやって誰かに忠告する手段もないのだけれど。

【KAC2023「深夜の散歩で起きた出来事」参加作】 最近俺はよく真夜中に家の周りを散歩している。俺の家の周りじゃする人は自分以外ほぼいない。不審者が出るとか、幽霊に声をかけられ…

【KAC2023「ぐちゃぐちゃ」参加作】 それに気がついたのは、就寝前にスマホの写真フォルダをなんとはなしに眺めている時だった。

【KAC2023「ぬいぐるみ」参加作】 「昔からぬいぐるみが好きでねえ。その中でもテディベアは格別で。でも私、知らないままに集めていたの。同じ種類のぬいぐるみを一定の数以上集める…

【KAC2023「本屋」参加作】 存在しないはずの本屋、それが幽霊の本屋だ。 いつかの月日の深夜二時過ぎ、どこかの街角にそいつは出現する。 本棚に並ぶのは、この世から喪われた本ば…

数学の才能ゆえに周囲から孤立しがちな高校生・茅ヶ崎龍介は、秘されたもうひとつの世界の存在を知る。 見知らぬ男が言い放った"君は命を狙われる"という言葉を皮切りに、龍介の周囲は変わ…

【KAC2022「日記」】 ハルカはいつでも日記を書く。ひと月後に隕石が衝突することが決まっていても。 書くことへの意味と祈りをこめて。

【KAC2022「真夜中」】 "私"が勤める水族館では、真夜中になると少女が現れる。彼女はきっと生きた人間ではない。 上司に相談した"私"は彼女の正体を突き止めようとする。

【KAC2022「猫の手を借りた結果」】 毎日疲れている"僕"は、愛猫のミウさんの肉球に魅了されている。 今日も肉球に癒されていたが、そこにはある者の思惑が介入していた。

【KAC2022「出会いと別れ」】 最終戦争後、兵器として生まれた"僕"は、ワンピースを着た"彼女"と出会う。 ふたりの出会いと別れのエピソード。

【KAC2022「推し活」参加作品】 運命の転換点と言うべき出来事を目の前にして、暗がりの中、女は立ち竦んだ。 推しの美しい男と女の物語。 ※この作品はフィクションであり、法律…

【KAC2022「二刀流」参加作品】 彼女は真剣な表情で対象に向かい合い、迷いなく手を振るっていた。 その様子は、どことなく刀を構える侍のように見えた。 天才の絵に魅了された学…

平成の天皇誕生日に生まれた私たちは、文通によって友人になった。 平成も終わりに近づいた頃、彼女は手紙を寄越した。 「令和ってなに？」と。 これは私たちに訪れた、すこしふしぎな物語…

<KAC2021参加作 お題:ゴール> 俺とユウキは、ずっと竜のパイロットになる夢を追っていた。 三年前、二人の道が別れてしまうまでは。 最終試験に合格した今、俺はどんな顔で親友…

<KAC2021参加作 お題:ソロ○○> これは僕の、図書室の魔女に関する思い出の話だ。 彼女に出会うまで、僕は一人だった。

<KAC2021参加作 お題:尊い> 驚異の部屋(独:Wunderkammer) 16世紀から17世紀にかけて、欧州の王侯貴族が邸宅内に設けた珍品陳列室。 彼の「驚異の部屋」の最…

<KAC2021参加作 お題:21回目> 20回の善行で天国へ、20回の悪行で地獄へ行く。天国では永遠の安らぎが、地獄では永遠の苦しみが、それぞれ約束されているという。 だから俺…

<KAC2021参加作 お題:私と読者と仲間たち> 初めて同人誌即売会にサークル参加した私。 隣のサークルのミステリアスなお兄さんには秘密があるようで……。 ※筆者の経験が反映…

<KAC2021参加作 お題:直観> 狂気と称された画家がいた。名は瀧方沢雲。 私はある望みを持って、彼の遺作「祝福」の前に立っている。

<KAC2021参加作 お題:走る> 小説が書けなくなった僕は、散歩中に見知らぬ森へ迷いこむ。 そこで出会ったのは僕が敬愛する"彼"だった。 カテエラだったらすみません…。

もしも世界の終わりが来るのなら、それはこんな夏の日の、こんな真っ赤な夕焼けのあとに来るのだろう。 俺にとって夏は劣等感の季節だった。 ※詩の引用:中原中也「少年時」より ※こ…

<カクヨム3周年記念選手権 10日目お題> 会社勤めの傍ら、ウェブ小説を書いていた僕の元に、全日本凡作保存会なる団体からメールが届く。 怪しみながらも話を聞いてみると、その団体に…

<カクヨム3周年記念選手権 7日目お題> 人間のしがらみから解き放たれるため、僕は自身の肉体を捨てることにした。 人工知能との融合で、僕は新しい目を、新しい生を得るのだ。 お題…

<カクヨム3周年記念選手権 6日目お題> 脳科学の研究者がある技術を実用化した。その技術を用いれば、犯罪捜査の精度が劇的に向上するという。 ※ちょっとホラーチックかもしれない

<カクヨム3周年記念選手権 5日目お題> 言い伝えを守らなければ、男女の双子は村に災いを呼ぶ。 終戦から数年後、T村を襲った惨劇を知る者はもう、ほとんどいない。 ※「生きてる人…

<カクヨム3周年記念選手権 4日目お題> これは遺書である。認識が崩壊する世界へ、私が爪痕を遺すための。 ヒトが口から情報を吐き、次々に消えていく。 私の言葉があなたに届きます…

<カクヨム3周年記念選手権 2日目お題> 架空の作曲家の挫折と復活を通して、小説を書くことに対する筆者の思いを描(えが)いてみました。 ※この作品は完全なるフィクションです。史…

竜が棲む大陸に暮らす少女・アイシャは、片腕を失った夜に、片目を失った竜・ジーヴと共に旅する契約を交わす。少女は生き別れた兄を探すため、竜は一族の生き残りを探すために。 噛み合わな…

体内に移植される極小知性(マイクロインテリ)に、人生の選択のすべてを委ねた社会。 柊野学(ひらぎのがく)は何の疑問も持たず、五年に一度アップデートされるインテリの導きに従って人生…

関東育ちの伊藤は、亡くなった福島の祖母の家に引っ越すことを決意する。 雪に閉ざされた会津で彼女を待ち受けているものは――。 ※描写は経験に基づいていますが、ストーリーはフィクシ…

和風時代もの。悲恋風味。 タイトルはコールフィールド(http://caulfield.xria.biz/?guid=on)さんからお借りしました。ありがとうございます。