文鳥亮

習作です。

ある寒い日、小学五年生の吉田渡が朝ごはんを食べようとすると、よそわれた炊き立てのご飯の上に老人が座っていた。毎日のようにご飯に座って現れる老人と、渡の距離は徐々に縮まっていく。

　令和５年４月。さくら祭りが行われている東京の隅田公園に来た８９歳の横澤康史郎は、義理の甥、高橋周央と妻の椿、周央の娘でマンガ家の橘梨里子と共に園内を巡りながら桜を楽しむ。かつて…

※近況ノートを利用した表紙画↓ https://kakuyomu.jp/users/HiranakaNagon/news/16817330668345496938 　とある「お…

・当時五才児の私は、新調した黄色の傘を使う日を待ちわびていた。 　天気予報によって、ようやく黄色の傘を使うと思っていたら、祖父によって使えなくなってしまった。 　不貞腐れた私に…

保養地で余生を過ごす引退した女王は、波乱の生涯を語り始める。 ※この作品は、「小説家になろう」にも掲載しています。

第13回空色杯応募作品／お題：「立夏」×「カナリーイエロー」 現代ドラマ短編。学校に行きたくない五月病の「ボク」の前に、サッカーブラジル代表のユニフォームを着てイミフな言葉を話す…

【エブリスタ「超・妄想コンテスト第219回『エイプリルフール』」超短編賞】 　事件の舞台は、被害者が所有する無人島。ちょうど春の嵐で、海は行き来できない日だったから、招待客の3人…

深まる秋の日、老人がゆっくりと自分を振り返る。 良い人生であったと。 そんな話です。

　中国は南北朝時代の中頃。 　南朝にひとりの老将がいた。 　その名は周盤龍。 　六十七歳という高齢でありながら、迫り来る北朝の大軍にただ一騎で突入して勝利を収め、天下にその名を…

吾輩は転々と住処を変える長命の白猫。今は菫という名のばあさまと仲よく暮らしている。彼女も十五年前から年を取らなくなったらしいが……。さて、彼女は長年の懸案事項を解決できるのか。人…

元はお題は「行方不明の宝物」に寄せて

一分掌編。認知症の母。 お題「夜の散歩で起きた出来事」777文字。

墓守をしている老人の話

80代の千草は夫に先立たれ、老人ホームで車椅子で生活している。 ある時たまたま雑誌の広告に青い小鳥を見つけて、昔飼っていたセキセイインコを思い出して高揚する。それから新聞や広告で…

　カクヨムコンテスト10（短編）に応募しています。 　あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいた。おじいさんは、ある日、たけのこを掘りに山に入る。すると、金色に光るたけの…

　本作は、競馬を題材にしたラブコメになります。「年寄りの小説」に応募している関係上、主人公は壮年男性ですが、それだけじゃ読者様もそっぽを向きそうなので、若い第二ヒロインも出てきま…

理想の自分に、生まれ変わりませんか？

３０００字ちょっとの短編ほっこりストーリーです。

《彼女》の夢をみました。 目覚めたとき泣きながら、これは何かに残そうと思い、プロットを書いてました。

「お題で執筆!! 短編創作フェス」第1回「試験」応募作品 ヴィクター・ロドリゲスはブラジルルーツのアメリカ人。海兵隊員として沖縄に赴任したが、わけあって辞職する。彼の一人娘は沖縄…

　俺は、本気で喜んでいたんだよ。俺の書いた小説の文章が『国語の問題』に使われるって。 　そして今日、問題用紙が届いた。もちろん、俺は興奮してそれを読んださ。 　前々から確かに、…

田舎暮らしを始めた小説家の嶋田が、その地に伝わる河童伝説を小説のネタにしようと思い、聞き込みを始める。 河童の正体、河童が尻子玉を抜くという習性、それらについて調べていくうちに、…

タクシー運転手はお客様を目的地まで送るのが仕事。長年タクシー運転手をしていると、お客様との雑談を通して様々な悩み事を聞く。家族や知人とは違い、その場限りだから気楽なのだろう。 そ…

ガミラス帝国政府・経済企画庁所管の独法機関『銀河方面経済研究所』（←帝国エリート官僚の天下り先）からの委託を受けて、隣の星雲から遠路はるばる日本にやってきた平凡な非正規雇用研究員…

二階堂は探偵だ。しかし、探偵では食べていけないことから、週５でアルバイトをしている。 探偵としての仕事の依頼は月に一回でも入れば良い方で、その依頼も大半は特殊なものだった。いや、…

学校で起きた怖い話。

就職活動にも熱が入らず、友人も趣味も無い私。 そんなある日。 神社でお参りをしたとき、神様と名乗る少年からノートをもらった。 それは１冊の薄いノートで、書いた願いが何らかの形で叶…

職場の同期、Yから聞いた話。

ある大学生の男はSNSで「生成AIで小説が書ける」という話を目にする。男はAIにエロ小説を書かせることを目論むが……。 ※本作はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係…

「若いちゃんちゃんこ」を着ると、60歳分若返ることができる。うだつが上がらない70歳の使い走りヤクザは、10歳の少年に若返り、二度目の人生で裏社会を牛耳ろうと目論むが――。

　まだ少年の時分のこと。 　両親と三人で建売住宅に住んでいた〝僕〟は、使われている様子のない屋根裏部屋が気になっていた。 　ある日、両親が出掛けたとき。〝僕〟は閉ざされた屋根裏部…

老人ホームに勤務する美晴は、一人のお婆ちゃんの事が気に掛かる。 それは少し他とは違うだけの、何処にでもいるお婆ちゃんだ。 忙し過ぎて怪奇現象なんか構ってる暇は無い。 それでも少…

これはある男が海外事業所を撤退するにあたり、担当として任命されたドキュメンタリーとなる。 文化も習慣も風習も違う異国の地に事業所を作るのはもちろん大変だが、そこを撤退することはそ…

学芸員の日比野は、友人から古い伝承の調査を依頼される。その日の夕刻、日比野は結果を携えて友人の家を尋ねた。足を踏み入れると、中は異様な闇に包まれている。友人の姿は見えない。ただ、…

どうやら親友の彼氏が室内に隠しカメラを仕込んでいたらしい。 犯罪の証拠になるから見て欲しい、と頼まれしぶしぶ見てみると……。

声を封じる、言葉を抑え込むための複数の挙動についての短編です。 ※この物語はフィクションです。筆者と家族は元気です。 ※作中の薬の描写は、経験を交えたフィクションです。医薬品の作…

　生まれ育った小さな町に私は帰省した。久しぶりに顔を合わせて小さな同窓会を催して友人達と酒を酌み交わし、懐かしい話も花が咲き終わり落ち着いてきた頃に達也から声をかけられたのだった…

人を殺さないといけません。あなたが殺されない為に。 人を殺してはいけません。あなたが殺されない為に。 フィリピン、レイテ島。 激戦区から帰還した男、その生涯。 犀川ようさんの…

雑話(ぞうわ)と読みます。 一般的な小説作術から少し外れた、クセ強めの創作論です。 我流につき、小説初心者にはお勧めしません。 作者のネタ過去話も、時々追加します。

犀川よう様主催「最可愛女子💗たちが感想書いちゃうぞ⭐️」企画の楽屋裏トーク集です。 座談会で語った内容をチラ見せしちゃいます。 どんな話が飛び出すかな。

突然の倒産により失業した主人公は、妻の父親が経営する町工場で働くことになる。 昭和感ただよう職場と微妙な関係に悪戦苦闘する中、トラブルが持ち上がるのだった。 犀川ようさん主催、…

私とハシコ。ふたりの何の変哲も無い、ゆるゆるとした、小さな幸せに満ちた青春のお話。 ※ 犀川ねえさんの自主企画「最可愛女子💗たちが感想書いちゃうぞ⭐️」に参加してみました。 …

　合唱部の春香は三年生のお別れ会で『サリマライズ』を歌うことになった。 　三人だけの二年生、パートソロは個人ソロでもある。 　皆と歌う合唱なら平気でも、一人で歌うことには大きな抵…

小説を読まれた量によって、政府からお金が支給されるようになった世界のお話。

ＯＬだけしかしたことないのに、憧れだけで料亭に転職しちゃった女の体験記。 99％は、たぶん愚痴。 1％ぐらいは日本の伝統文化や、おもてなしの精神の豆知識。

私が一昨年のカクヨムコンで感じた事や行動をエッセイにしようと思いましたが、ドキュメンタリーみたいになってしまいました。 筆休みにでもお読み下さい。 今はエッセイ置き場も兼ねて…

クリスマス直前に彼氏に浮気されてしまった美香。 傷心のまま一人でスキー旅行に出かけた彼女は、急な吹雪で遭難してしまう。 ホワイトアウトした山の中、彼女を救ったあまりにも意外な人物…

1944年12月24日。 バルジ作戦真っただ中で、戦火に巻き込まれたドイツ・ヒュルトゲンの森での出来事。少年が山小屋の玄関を開けると、そこにいたのは、負傷したアメリカ兵だった。 …

これは、飛行機に魅せられ、飛行機に心を縛られた一人の技術者の物語。 ※カクヨムコンテスト10【短編】に応募中