参加作品数

38

参加受付期間

  • 開催中
  • 7日後終了 2026年11月5日(木) 23:59まで

企画内容

作家、村上春樹氏がラジオ番組でこんなことを話したそうだ。

「AIは、人間の思考パターンをベースに、これまで蓄積された膨大な量の情報を手早く組み立て直しているだけ。でも本物の小説には、それだけじゃ足りない。そこには論理を超えた予感、妄想、矛盾した感情、突然の飛躍、そういうものが必要。僕はそれを「小説家脳」と呼んでいるが、それはAIが持ち合わせてはいないもの。だから今のところ、AIを特に脅威とは感じていない」

ようするに、AIによって生成された作品は「本物の小説」ではなく、AIに指示・操作を行っただけの者は「小説家」ではないということ。実質的に作品を作ったのは他の誰でもないAIなのだから、「操作しただけの人間は作者ですらない」というのはごく自然な理屈だ。AIの進歩が著しい現代というのは、「創作物には著作権がつきもの」という古い常識を見直すべき時代なのかもしれない。国は現状に合わせ、「著作権のない創作物」の存在を広く認めるべきではなかろうか。

それが無理なら、AI生成物の著作権は個人ではなく国が管理してはどうだろう。それらを元に優れたコンテンツを国内外に売り込めば、クールジャパン機構の大赤字も少しは解消できるかも。

少し話が逸れたが、詰まるところ小説には人間の作家本人にしか出せない個性、すなわち「高度なオリジナリティ」が必要ということだ。

しかしながら、現在の小説界隈にこれを体現できる書き手がどれほどいるのか? 正直、憂いを覚える。ようやく下火にはなったものの、ここ最近まで続いた「小説界隈の失われた二十年」とでも言うべき暗黒時代がもたらしたのは、小説には必要不可欠であるはずのオリジナリティを軽視する風潮。「面白ければ何でもあり」を謳い文句に、出版業界は大量の低品質な模倣品を世に送り出してきた。文章にも内容にも個性などほとんど感じない膨大な類似物の数々、いわゆる「なろう系ラノベの氾濫」である。

当然ながら、そういう即席かつ低水準の刺激を無限に求める客層、今で言う「ドパガキ」ばかりが押し寄せる結果となり、本物の小説を嗜む知的な客層を小説界隈から遠ざけた。少なくとも、投稿サイトにはそういう読み手はほとんど存在しない。ゆえにサイト上では「本物の小説」が評価されず、どこにでも転がっている三流のコピー品ばかりが脚光を浴びる。

この流れを鑑みるに、小説界隈においては今後のAI生成物の氾濫は抑えられないようにも思える。その土台を作ったのは、上で述べた通り「なろう系の台頭」であり、それに頼りきってきた出版業界の怠慢そのもの。もし彼らが相も変わらず「面白ければ何でもあり」を合言葉に、短絡的な刺激に溺れるドパガキを市場のターゲットとし、その欲求に応え得る即応性を持つAI生成物に商品価値を認めたとすれば……。これから先の小説界隈には、再びなろう系の氾濫と似た悪夢が訪れることになるかもしれない。あるいは、もっと悪い状況も考えられる。AIを使えば誰にでも小説紛いの物が作れるのだから、それなら編集者が自ら作った方がコスパもタイパも圧倒的。外の人間が関わる必要はなくなるというわけだ。

というわけで、無駄と知りながらも現状に抗い続けようということで、この企画では「小説家脳を持つ書き手による本物の小説」を募集する。読み合いではないので、読む読まないは各自の自由。物語であればジャンルは問わない。

参加方法

参加する小説の設定画面で、自主企画欄にある「小説家脳を持つ書き手による本物の小説」を選択してください。

運営より

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