「忘れたくないもの」を含む小説

室町時代の近江の国に、16歳になる鳥絵（とりえ）が生きていた。 町中を酷い飢饉が襲い、もはや誰もが希望を抱けない中で、意を決して立ち上がる者たちがいた――。

※なろうでアップロードしている作品です。 　中級傭兵アクイラは、火属性の力を操る徒手空拳の戦士。その日、いつものように依頼をこなすため森を訪れた彼は、魔法使いの少女ルーナと運命…

悠人（２９歳）の祖父、源一郎が29歳の時、愛した女性――27歳で夭折した恋人・汐（しお）が残した一冊の古びた手帳を発見したことから、悠人の内省の旅は、58年間の時を超えた因縁へと…

或る女性が昔体験したことを誰かに語りかけています。

白、赤、青、黄、緑、紫、藍色といった光と共にいる夢をみるようになっていたある日のことやけに意識がはっきりしていると感じた男。その男のもとに白い光が舞い降りてきて、触れた瞬間前世の…

向かい合って笑い合うふたり。 おたがいの想いを後ろ手に隠しながら、 見えないところでこぼれる気持ちを、そっと拾っては笑っている。 ――そうして、誰にも見せない愛おしさだけが、 や…

『マリー・ポピーは笑っている』は、忘却を力に変えた少女の物語です。 鷹取 小夜――かつて精神病院のベッドに縛られていた彼女は、自分を「実験体」としてしか呼ばない世界から逃れるため…

男性、女性の他にαとΩ、そしてβ…第二の性別がある世界。 医療従事者、βのアンナにはどうしても忘れられないものがあった。 アンナの目に今も焼き付く悲しくも怪しい光景はアンナをこの…

忘れ去られた“むすび”の力。 人と人、言葉と祈り、過去と今を静かに結ぶ、見えない糸。 祈りのかたちをもう一度見つけるために、少女は歩き出す。 神話と現代が交錯する、考察と物語の縫…

仙浦高校（せんのうらこうこう）の新学期。 変人と噂のクラスメイト・相馬のあとをつけてみた三好。 相馬が追っていたのは、地元に残る古い伝承と、今はもう地図にない町。 なんとなく気に…

ラパス。年齢は十五。 誰も教えてくれなかった問いを、静かな目で世界に投げかける少年。 剣を持たず、言葉で戦う。 五つの道 ― 地、水、火、風、空 ― を歩みながら、 忘れられない…

多忙に過ぎていく日々の暮らしの中で、忘れられ片隅に押し込められていった想いや出来事。しかし、それらの忘れられしもの達の中にも心を震えさせるような珠玉の宝物が隠れ潜んでいる。時間の…

数ヶ月前に考えたネタでも忘れるんだ、と最近メモの大切さを痛感しております。 忘れられないのが苦痛でした体質。 小説もわざわざ文字にしなくても頭の中に残っていて当然でした。 書かな…

夏。夏至。夏期。 蒸し暑く、肌を焼く紫外線やら、絶え間なく求愛を続ける蝉に嫌悪を抱く季節。 鬱陶しく、早く終わって欲しいと思う人もいる。 が、その夏は、誰かにとって忘れようもな…

初めて短歌を書く。僕は短歌というものは堅苦しく、選ばれた人にしか書くことのできない、そんなものを想像していた。 書いてみて分かった。もっと自由できれいで爆発している。短歌って僕の…

十年前、世界は滅びかけていた。 だが、現れた一人の英雄によって「厄災」は討たれ、平和がもたらされた。 ──けれど今、世界には再び“異変”が芽吹きはじめている。 忘れられたもの…

【カクヨム短歌賞1首部門　応募作品】 日常の中にふと立ち現れる景色や日常。 そこに、言葉にならなかった記憶や想いが重なる瞬間があるならば。 短歌の三十一字で表現してみます。

　先生の名前はジョーゼフ・マーブルという。魂の器としての肉体を研究する魔術士、その家系の10代目にあたる。背丈は12歳の小柄な子どもであるハイネの倍ほど大きく、かなりの長身で、青…

リルカには、『アイシア』という名前で生きた前世の記憶がある。 とある神に神界に召し上げられそうになったのを、他の神々に協力を仰いでどうにか逃げ出して、人間としての輪廻に戻った記憶…