「短編怪談」を含む小説

付き合い始めた彼女と夏祭りに行った時、花火の写真を撮ったんだ。それを彼女に見せたら、大きな悲鳴を上げて……｡

人の役に立つことだけが、生きる理由だった。 その思いはやがて、とある青年の「日常」を少しずつ侵食していく。 善意と献身のあいだにある小さなひずみ。 誰かに必要とされたいという、…

先輩で写真部の部長が事故に遭う。彼は自分の事よりも恋人のように愛していたカメラの心配をして……｡

古い木造家屋の二階、閉ざされた六畳間で、主人公の健は一冊の黒革のノートを見つける。表紙には金文字で『失恋帳』と記されていた。 手に触れた瞬間、開けるべきではないという「囁き」を感…

夜、いつものように眠りについたはずだった。 しかし翌朝、目を覚ました私は――体をまったく動かすことができなかった。 声も出ない。 音も聞こえない。 ただ「目が覚めている」ことだ…

子どもの頃、毎週のように山でキャンプしてた。 三つの山を、まるで自分たちの庭みたいに使っていた。 ――でも、あの山だけは“理由もなく”行くなと言われていた。 この物語は、その理由…

深夜二時、交番に現れた女性は「夫を探している」と訴えた。 だが、防犯カメラには女性だけが映り、私の姿は消えていた。 彼女に触れようとした手は空を切り、そのまま五分間、感覚を失った…

小学生の頃、家に帰るために歩いていた“森の道”。 薄暗く、どこかひんやりしていて、子どもたちの間には奇妙な噂があった。 ――転んだら最後。 　その場で“あること”をしないと連れ…

幼いころから、主人公には“探し物をしているときだけ”そばに現れる気配があった。 その気配のあとには、不思議と失くし物が見つかる。 大人になっても続くその現象を、彼女は 「生まれ…

※PCの方が読みやすいかもしれません

その人はタバコの似合う女性で、揉み消したタバコについた赤いルージュが印象的でした。 彼女が体験したのはもう一人の自分を見る夢。延々と休みも取れずに働いている姿をカメラで見ていたそ…

亡くなった母の部屋の片隅で、ウメは見覚えのない手鏡を見つける。 長いあいだ締め切られていたはずの引き出しから現れたそれは、ただの古道具に見えた。 けれど覗き込んだ瞬間、ウメは小さ…

とある女の日常は、SNSに彼氏との嘘エピソードを投稿することにあった。そんなある日の投稿をきっかけに、彼女の日常は狂いだす。

癒やしを求めて行ったマッサージ店で聞いた話とその出来事

いつも通りの朝。 いつも通りの夜。 けれど、ほんの少しだけ、何かがおかしい。 鳴るはずのないインターホン。 いつもと違う帰り道。 知らない誰かの声。 そんな「違和感」に気づ…

１話完結の怖い話。 サッと読めてゾワッとする短編集。

東京都久ヶ淵村に存在したと言われる“苦神師駅”。 赤い木々と失踪者の多発、そして謎の“砕きの儀”。 新宿0:08発の終電でしか行けないこの駅は、 今も生者を待っている──と語り継…

友人がとある音声ファイルを送ってきた。 天野蒼空さんの企画、「第19回空色杯」500文字未満の部、参加作品です。 特別賞をいただきました。

仕事で心が折れそうな日。 いつものようにマッチでタバコに火をつけたとき―― 揺らめく炎の奥に、“ありえない誰か”の影が見えた。 最初は気のせいだと思っていた。 だが、どうしても…